お米ができるまで
日本の食文化の中心であり、
私たちが毎日食する「お米」。
種籾から収穫まで1年がかりとなる
米作り一連の流れを、
作業ごとに使われる農機具や
農家の知恵や工夫とともにご紹介します。
ENTRY記事一覧
田んぼの準備から発芽まで
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種籾(たねもみ)の刈り取りと保存
お米作りは、種にするお米「種籾(たねもみ)」を採取することからスタートします。秋の稲刈りの際に出来の良い種籾を採取する「自家採取」と、「採取農場」から種籾を購入する場合があります。
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床土(とこつち)作り
良質な稲を育てるためには、田んぼの土が大切です。地方によって様々ですが、春頃に肥料や燻炭(くんたん)などを混ぜながら質の良い「床土作り」を行います。
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田んぼの防水作業「畦(あぜ)塗り」
畦(あぜ)塗りは、田んぼを取り囲んでいる土の壁に田んぼの土を塗り付けて、割れ目や穴を塞ぎ、防水加工をすることです。水が洩れると、水の管理が困難になるだけではなく、除草剤や肥料の効果も低下します。
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田起こしの目的と効果
田起こしは4月から5月にかけて、田んぼの土をなるべく乾燥させ、肥料を混ぜる作業です。ここでは田起こしの目的と効果について紹介します。
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ロータリとプラウで行う田起こし
昔は馬や牛などに犂(すき)を牽引(けんいん)させて行っていた田起こしも、現在では、トラクタなどの農業機械で行うようになりました。ここでは、トラクタにロータリを装着した場合、プラウを装着した場合の田起こし方法を紹介します。
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育苗箱への床土(とこつち)入れ
苗作りの良し悪しで、その年のお米の良し悪しが左右されるので、苗作りはとても重要です。良質な稚苗(ちびょう)を作るため、まずは育苗箱で稲を育てます。
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種籾(たねもみ)の塩水選(えんすいせん)と消毒
中身の詰まった良い種籾(たねもみ)を選ぶために塩水につける「塩水選(えんすいせん)」を行います。
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種籾(たねもみ)に水分を吸収させる「浸種(しんしゅ)」
塩水選(えんすいせん)をした種籾(たねもみ)は、薬剤に一昼夜つけてから、乾燥させます。その後、種籾を一斉に発芽させるために、必要な水分を吸収させる作業を行います。これを「浸種(しんしゅ)」と言います。
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種まきと育苗箱の準備
5月に入るといよいよ、稲作の本格的なシーズンが始まります。保存されていた種籾(たねもみ)を土の入った育苗箱に蒔いていきます。ここでは、ベルトコンベア式の播種機(はしゅき)を利用した種まきの流れを紹介します。
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育苗箱を苗代田(なわしろだ)へ移動
育苗箱に種籾(たねもみ)をまいたら、苗代田(なわしろだ)に並べてビニールトンネルで保温する「保護苗代」を作っていきます。
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発芽について
【種まきから5日目頃】 育苗箱で育てている種籾(たねもみ)はどのように発芽するのでしょうか?水分・温度・酸素の条件が揃うと、種籾の胚(はい)が活動を始めて発芽となります。発芽には、光はとくに必要ではありません。
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苗の成長と田植え
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育苗器について
【種まきから10日目頃】 種まきから約10日間で、苗が8cmほどになります。ここからは、育苗箱や育苗器を使い、田植えができるくらいに苗を育てていきます。
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ビニールトンネルの除覆
【種まきから15日目頃】 種まきから15日目頃になると、苗は10cmを超えてきます。5月の中旬になっても少し寒い日がありますが、ビニールトンネルの除覆を行います。
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田んぼの水の確保
【種まきから20日目頃】 田んぼ作りの第一歩は、水の確保と言えます。日本は雨が多く、年間平均降雨量は約2000mmあり、世界の平均約900mmの2倍以上もあります。それでも、米作りには、雨水だけでは十分と言えません。そこで、川の水を田んぼに引くために用水路を作ったり、ときには川の流れを変えてきました。
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田んぼに水を溜める効果
【種まきから25日目頃】 日本の土壌は、お米を育てるのに適していたわけではありません。稲はもともと熱帯の作物で、日本のような温帯で安定的に栽培できるようになったのは、田んぼに水を溜めるという工夫があったからです。
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代掻き(しろかき)の準備
【種まきから30日目頃】 種まきから30日が経つと、育苗箱の稲もだいぶ育ってきました。ここからいよいよ、稲を田んぼへと移すわけですが、その事前準備が「代掻き(しろかき)」です。土をかき混ぜて表面を平らにする作業です。
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代掻き(しろかき)作業の手順
代掻き(しろかき)は田んぼに水を入れ、土を砕いて均平にしていく作業です。稲をしっかりと育てるため、田植えの前に行う重要な準備です。
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田植えの準備
【種まきから35日目頃】 苗代田(なわしろだ)で12〜15cmほどに成長した苗を、田んぼに移植する作業が「田植え」です。昔は手で1つ1つ苗を植えていく重労働でしたが、現在では田植機(たうえき)を使って等間隔で植えていきます。
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田植えの開始
田植機に苗と肥料をセットしたら準備は完了。田んぼに苗を植えていきます。ここでは、田植機がどのようにして苗を植えていくのかも詳しく見ていきます。
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田んぼの管理と被害対策
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寒さから稲を守るための「深水管理」
【種まきから40日目頃】 田植えの後は、寒さから稲を守るために田んぼに深く水を入れる「深水管理」をします。6月でも苗にとって寒い時期があるため、稲が萎縮したり、根の張り方が鈍らないようにします。
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除草剤の散布と畦(あぜ)の草刈り
【種まきから45~50日目頃】 稲を成長させ、豊かな収穫を迎えるためには、雑草は大敵となります。田んぼには除草剤を散布し、畔(あぜ)では草刈りが必要になります。
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水と肥料によるコントロール
【種まきから55日目頃】 稲が伸びる条件には「光・温度・水・肥料」が関係しています。「光・温度」に関わる天候はコントロールできませんが、「水・肥料」はコントロールできます。
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新しい茎が出る「分げつ(ぶんげつ)」
【種まきから60日目頃】 苗は夏が近づくとともにぐんぐんと伸び、品種や銘柄によっては30cmを超えるものも出てきます。また、種子から出た茎の根元から新しい茎が出てくることを「分げつ(ぶんげつ)」と言います。
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耕しながら除草する「中耕除草」
【種まきから65日目頃】 種まきから2ヶ月が経つと、稲は田んぼにしっかりと根を下ろします。この稲の生育初期に「中耕除草」という方法で根の周りの土を浅く耕したり、除草剤を散布せずに、根の周りの雑草を取り除く場合があります。
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水の通路を作る「溝切り」
【種まきから70日目頃】 種まきから70日が過ぎると、品種や銘柄によっては草丈が50cmを超えてきます。この時期には排水をスムーズにするための「溝切り」という作業を行います。
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田んぼを飽水状態へ
【種まきから75日目頃】 夏も真っ盛りとなるこの頃、田んぼの水の管理はとても重要な作業となります。その中で、水を溜め過ぎず、湛水と落水を繰り返す間断かん水などを行い、稲刈りの前まで飽水状態を保つことが大切です。
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害虫と稲を守る昆虫
【種まきから80日目頃】 種まきから80日が経つと、稲も60cm近くまで伸びてきます。この頃になると、気をつけたいのが、稲を食べに来る害虫です。田んぼにはさまざまな虫が生息しますが、害虫もいれば害虫を退治してくれる益虫もいます。
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土を乾かす「中干し」
【種まきから85日目頃】 夏の暑い盛りに田んぼの水を抜いて、土にヒビが入るまで乾かす作業が「中干し」です。中干しは稲の成長を調節するために必要な作業です。
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稲の病気で最も怖い「いもち病」
【種まきから90日目頃】 いもち病は、稲の病気の中で最も被害が大きく怖い病気です。いもち病菌という糸状菌の寄生によって発病します。
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籾(もみ)を充実させるための「穂肥(ほごえ)散布」
【種まきから95日目頃】 穂肥(ほごえ)は、穂の籾(もみ)を充実させることを目的とした肥料で、出穂(しゅっすい)直前に散布します。散布のタイミングが早すぎると、肥料が稲の茎や葉に効いて、徒長することになります。
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日照りと高温障害
【種まきから100日目頃】 長い間雨が降らずに水が涸(か)れることを「日照り」と言います。なかでも、夏季の日照りは「干ばつ(かんばつ)」と言います。日照りによる水不足は、稲の生育にどのような弊害をもたらすのでしょうか?
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日照不足による冷害(れいがい)
【種まきから105日目頃】 冷害(れいがい)とは、夏季に日射量が少なかったり、寒冷な天候が続いたことによって農作物が被害を受ける自然災害のことです。米作りにおける冷害には、遅延型と障害型があります。
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お米を作るための「光合成」
【種まきから110日目頃】 光合成とは、主に葉緑素を持つ植物が光のエネルギーを利用して、吸収した二酸化炭素と水分から有機化合物(=炭素を含む化合物)を合成することです。
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出穂(しゅっすい)と開花
【種まきから115~120日目頃】 田植えをしてから、早稲(わせ)では約50日、晩稲(おくて)では約80日後に穂が出ます。これが出穂(しゅっすい)です。
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種子が発育する登熟(とうじゅく)
【種まきから125日目頃】 穀物の種子が次第に発育・肥大することを「登熟(とうじゅく)」と言います。稲穂が出て、開花・受粉すると登熟を開始します。
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台風による被害と対策
台風による被害は近年、農作物だけではなく人の命にまで大きく関わってくるようになりました。避けられない自然災害とはいえ、台風の性質を知り、事前・事後に対策を行うことで、被害を最小限に食い止めることができます。
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倒伏(とうふく)の被害
【種まきから135日目頃】 倒伏(とうふく)は、稲が倒れてしまうことです。稲が倒れると、収穫作業が困難になり、また収穫量や品質の低下を招きます。
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スズメによる被害
9月中旬になると、稲穂も頭を垂れるほど実ってきます。台風などの被害を乗り切ったあとに待ち構えているのがスズメによる被害です。
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田んぼの水を抜く「落水」
【種まきから145日目頃】 落水とは、田んぼの水を抜くことです。出穂(しゅっすい)してから約30日後、稲刈りの約10日前を目安に行います。水を落として、稲を乾かすことにより登熟(とうじゅく)を完了させます。
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収穫から食卓へ
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刈り取りの開始
【種まきから150日目頃】 籾(もみ)が栄養分をしっかりと溜め込む頃、稲穂は黄金色になります。田んぼ一面が黄金色に輝き出せば、いよいよ刈り取りの季節です。
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稲穂から籾(もみ)を分離する「脱穀(だっこく)」
【種まきから155日目頃】 根元から刈り取った稲の穂先から、籾(もみ)を分離する作業が「脱穀(だっこく)」です。脱穀された籾は、その日のうちに乾燥機で乾燥させます。
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昔ながらの「稲架(はさ)掛け」
【種まきから160日目頃】 『稲穂から籾(もみ)を分離する「脱穀(だっこく)」』では、コンバインを使って稲刈り・脱穀・選別を同時に行う方法を紹介しました。ここでは、コンバインが登場する以前の米作りであり、今でも見かける手刈り・稲架架けによる脱穀・選別の様子を紹介します。
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昔ながらの「脱穀(だっこく)・籾すり(もみすり)」
【種まきから165日目頃】 いよいよ田んぼの作業も大詰め。稲刈りが終わったら、1週間ほど「稲架(はさ)掛け」をして、稲を自然乾燥させます。その後、脱穀(だっこく)・籾すり(もみすり)の作業に入ります。
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籾殻(もみがら)を取り除いて玄米にする「籾すり」
脱穀(だっこく)・乾燥が終わると「籾すり(もみすり)」の作業です。籾すりは、籾から籾殻(もみがら)を取り除いて玄米にする作業で、「脱ぷ」とも言います。
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糠(ぬか)と胚芽を取り除く「精米」
【種まきから170日目頃】 玄米の状態では、お米は糠層で覆われています。この玄米から、糠(ぬか)と胚芽を取り除く作業が精米(せいまい)です。精米は米を搗(つ)くとも言います。
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お米を炊く「炊飯」
【種まきから175日目頃】 精米されたお米をご飯にするために、炊飯します。炊飯は、「煮る・蒸す」の複合技術で、お米のおいしさを最大限に引き出すために発明された、画期的な技術と言えるでしょう。
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いただきます
【種まきから180日目頃】 「お米ができるまで」で苗・稲を観察させていただいた田んぼでは、1粒の種籾から992粒のお米が獲れました。そのお米を炊いて、おにぎりにしました。
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