お米を作るための「光合成」

お米を作るための「光合成」

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【種まきから110日目頃】 光合成とは、主に葉緑素を持つ植物が光のエネルギーを利用して、吸収した二酸化炭素と水分から有機化合物(=炭素を含む化合物)を合成することです。

稲の葉の光合成

光合成

稲の葉は、お米を作る工場です。葉に含まれる「葉緑素」と「空気中の二酸化炭素」「田んぼの水」「太陽エネルギー」を利用して光合成を行い、ブドウ糖を生産します。生産されたブドウ糖は、穂に送り込まれます。穂では、ブドウ糖が鎖状につながった物質=デンプンとして蓄積され、これがお米となります。

お米をたくさん収穫するためには、光合成が盛んに行われる必要があります。光合成が高まる条件は、水分を確保すること、葉緑素とタンパク質が充分にあること、炭酸ガスが充分にあること、そして葉に光が充分に当たることです。

葉に光が充分に当たるように、稲の葉には次のような特長があります。

1. 丸形の葉ではなく、細長い葉で日陰ができにくくなっています。
2. 葉を水平に広げるのではなく、ピンと立て、日陰ができにくくなっています。
3. 後から出てくる上部の葉が、すぐ下の葉を日陰にしないように、葉は茎の左右から互い違いに出てきます。

稲の光合成を増やす密度

密度を調整された稲

稲を管理する側は、葉が茂り過ぎないように注意します。葉が茂り過ぎると、下の葉が上の葉の日陰になり、光合成ができなくなります。下の葉は、光合成でブドウ糖を生産することができない上に、自身を維持するためにブドウ糖を消費します。そのため、二重のロスとなり、株全体としてお米の生産性は落ち、田んぼ全体の収穫量も減少します。

また、稲の密度は、稲と稲との距離を田植えのときに調整して、田んぼ全体の光合成量の増大を図ります。出穂(しゅっすい)後に稲と稲の間に日が当たるようでは、その田んぼは光を逃がしていることになります。

逆に、稲の密度が高くて株が込み合い、お互いに交差して日陰ができて、お互いの光合成の邪魔をすると、田んぼ全体の収穫量は落ちます。 この状態を避けるギリギリの密植が、田んぼ全体の収穫量を上げるポイントとなります。

お米はエネルギーの源!

畦道で遊ぶ子供たち

私たちは、お米を食べてデンプン(ブドウ糖)を体内に取り込みます。そして、「体内に取り込んだデンプン(ブドウ糖)」と「呼吸によって取り込んだ酸素」を、「水」と「二酸化炭素」に化学変化させる過程で活動エネルギーを得ています。光合成とは逆の化学反応です。

このように考えると、太陽エネルギーを蓄積して私たちの活動エネルギーに転換する蓄積メディアがお米である、という見方ができます。

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