
【種まきから175日目頃】 精米されたお米をご飯にするために、炊飯します。炊飯は、「煮る・蒸す」の複合技術で、お米のおいしさを最大限に引き出すために発明された、画期的な技術と言えるでしょう。
昔の炊飯の仕方

弥生時代などの大昔は収穫した籾(もみ)を煎り、籾殻を外した焼米を食べていたようです。それでも、おいしかったようです。そこから時代は少し進み、籾を脱穀(だっこく)して玄米にし、それを蒸して強飯(こわいい)にして食べるようになりました。平安時代には水をたっぷり入れて煮る粥(かゆ)が主流となりました。
お粥は御存じの通り、今でもおいしいと好評です。そして「炊く」という技術が生まれ、お米のおいしさがさらに引き出されるようになりました。
お米をおいしく炊くコツ


おいしさの感じ方には、もちろん個人差があります。ここでは、芯がなく、粘りけがあり、ふっくらしたご飯がおいしいという想定のもとに、ご飯のおいしい炊き方を紹介します。
・乾燥した米は水を吸収しやすいため、1回目の水洗いに時間をかけすぎると糠(ぬか)の匂いも吸収されてしまいます。1回目はたっぷりの水を加えて手早くかき混ぜ、その水はすばやく捨てます。
・水加減は、米の種類や調理法によって変えます。例えば、新米では米の体積の同量、古米では1.2倍ぐらいを目安に、さまざまに試行錯誤し、家族や自分の好みに合った水加減を模索します。
・米粒に十分吸水させてから加熱のステップへ進みましょう。吸水速度は水温で変化します。夏で30分、冬で1時間を目安にしてください。
・水が沸騰するまでは、強火で10分間くらい加熱します。火が強すぎると吸水が不十分で、長すぎると煮くずれます。そのため、強火で10分が理想的と言えます。
・沸騰したら中火にして、5分間維持します。沸騰しすぎると吹きこぼれるのでご注意ください。
・5分たったら弱火にし、フタを開けずに15分間弱火を維持します。中心まで熱と水分を通すことで、でんぷんを変化させ、ふっくらとしたご飯をめざします。
・いよいよ、火を消しますが、まだフタは開けずに10分から15分間蒸らします。ここが仕上げとなるので、我慢のしどころです。もし途中でフタを開けると、芯のある水っぽいご飯になります。
・フタを開けたら、しゃもじで軽く混ぜます。そして、そっとお茶碗によそいます。