【種まきから5日目頃】 育苗箱で育てている種籾(たねもみ)はどのように発芽するのでしょうか? 水分・温度・酸素の条件が揃うと、種籾の胚(はい)が活動を始めて発芽となります。発芽には、光はとくに必要ではありません。
種籾の発芽の様子
種籾は、根と芽の幼植物である胚 と、養分の貯蔵庫である胚乳(はいにゅう)とに分かれています。胚は、胚乳の養分を根や芽を作る材料に利用します。
発芽の第一段階は吸水です。吸水して胚の容積が大きくなると、胚の上部のえい(籾殻)が割れます。ここから、さらに吸水し、水分が13%以上になると、呼吸がさかんになり、細胞の分裂や伸長が始まります。
写真左から右へと発芽の様子が分かると思います。写真左の 発芽時の水分は約20~25%で、この状態を「ハト胸状態」と言います。
稲の発芽温度は、最低10~12℃、最高40~42℃でも発芽しますが、最適なのは約30~35℃とされています。
ハト胸状態でまかれた種は、その後、えいが割れて、芽が出て、続いて根が出ます。
種籾から根が出るまでは、胚乳の栄養を利用しています。根が出ると、土の中の水を吸収し始め、水に溶けている養分を吸収して育ちます。