田植機に苗と肥料をセットしたら準備は完了。田んぼに苗を植えていきます。 ここでは、田植機がどのようにして苗を植えていくのかも詳しく見ていきます。
田植機が苗を規則正しく植える仕組みとは?
田植機が通った後に、苗が等間隔に、規則正しく植え付けられていきます。一般的には15~18cm間隔で、1カ所に苗3~4本を植え、1株とします。
では、機能的にどのようにして苗を植えているのかを見ていきましょう。
平行した二本の「植え付け爪」が、苗のせ台の苗を掻き取ります。 植え付け爪が、掻き取った苗を溝に沿って上から下に引き下ろし、田んぼに植え付けていく仕組みになっています。
横から見た図がこちらです。苗を挟んで、溝に沿って下に移動、田んぼに植え付け、という動きを田植機が一定の速さで繰り返していくので、等間隔に苗が植え付けられます。
「植え付け爪」は、かなりのスピードで回転しています。最高作業速度は1.85m/秒の田植機もあります。時速にすると約6.7kmで、かなりのハイスピードで田植えが行われます。
田植えは順調に進み、苗のせ台の苗も順調に減ってきました。苗のせ台の苗は、均等に減っています。これは、苗のせ台が左右に動くからです。
苗のせ台の苗が均等に減っていく仕組みについて
苗のせ台にある苗が均等に減っていく仕組みを見てみましょう。
苗の植え付けがスタートすると、田植機は前進しますが、苗のせ台は左に移動します。
一段分、苗の植え付けが終了すれば、一段下にずれます。これを「縦送り」と言います。 苗のせ台が左右に動くことで、均等に苗が減っていくことになります。
スムーズに田植えをするために搭載されている田植機の機能
●肥料をまく
田植えと同時に、肥料も散布します。くり出し部が上下して、肥料をくり出します。走行スピードと連動していますので、どのようなスピードで走行しても、均一に肥料をまくことができます。
●真っ直ぐ植えるために筋をつける「マーカー」
田んぼの土に筋をつけるマーカーというものがあります。
この筋を目安にすることで、真っ直ぐに効率的な作業が行えます。
●端まで植えたらUターン
田んぼの端まで植え付けると、植え付け部を持ち上げてクルッとUターンします。
何度もUターンを繰り返して、田んぼ全体に苗を植えていきます。
●途中で苗がなくなっても大丈夫!予備の苗のせ台
苗のせ台から苗がなくなる前に、予備の苗のせ台から補給します。田んぼの真ん中で苗が減っても、畦(あぜ)まで戻らずに苗を補給することができるので便利です。
田植えが無事に完了すると、ほっと一息という感じです。植え付けられた苗が、そよ風に吹かれてさらさらと、気持ち良さそうに揺れていました。