9月中旬になると、稲穂も頭を垂れるほど実ってきます。台風などの被害を乗り切ったあとに待ち構えているのがスズメによる被害です。
スズメと人間の攻防
スズメは一般的に、米を食べる害鳥とされています。人間とスズメの関係は稲作の開始とともに始まったのでしょう。穀物の好きなスズメが、人間の米作りを見逃すはずがありません。 一方、人間はスズメを追い払うために案山子(かかし)、鳴子、反射テープ、鳥追いの儀式など、長い闘いの歴史を繰り返してきました。
スズメはお米を食べるだけではなく、籾(もみ)の中でお米がまだ固くならずに、ミルク状の時に吸います。お米の味わい方を良く分かっているようです。 一方、スズメは田んぼの雑草の種子も食べますし、春から夏の繁殖期には害虫をたくさん食べてくれます。それによって秋の収穫量を上げている側面もあります。
スズメ以外の稲の敵
シカやイノシシがやって来てお米を食べることもあります。写真は、田んぼにやって来たイノシシの足跡です。この田んぼでは、イノシシは寝転がるようにして稲を倒し、お米を食べたそうです。対策として、田んぼを網やトタン板などで囲って、侵入を防ぐほか、罠を仕掛けて捕獲する場合もあります。