出穂(しゅっすい)と開花

出穂(しゅっすい)と開花

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【種まきから115~120日目頃】 田植えをしてから、早稲(わせ)では約50日、晩稲(おくて)では約80日後に穂が出ます。これが出穂(しゅっすい)です。

出穂の仕組み

走り穂

茎の中で、籾(もみ)の集合体である「穂」が育まれます。穂が茎から出る時はまず、その田んぼで一番早い「走り穂」が出ます。その後、約半数の茎が出穂する時期を「出穂期」、すべての穂が揃うと「穂揃い期」と言います。
出穂後に、稲は葉で光合成をしてブドウ糖を生産し、穂に送り込んで溜めます。これが、私たちが食べるお米です。

稲に止まったシオカラトンボ

収穫を増やすには、出穂から登熟(とうじゅく)までの期間に晴天が続き、光合成量が大きくなることが大切です。出穂後に晴れて暑い日が続くとおいしいお米ができます。人間にとっては厳しい暑さも、稲にとっては恵みとなります。

出穂以降、稲は全勢力を穂に集中します。摂取した養分もお米を作ることに最優先で注がれます。そのため、根が弱体化してきます。根の働きを助けるためには、田んぼの水を換えて根に酸素を補給したり、有害ガスを取り除いたりすることが必要です。

稲の開花とは

稲の花を見たことがある人は少ないのではないでしょうか?稲は穂を出すとすぐに開花し、受粉します。受粉後7~10日間で、籾の中では胚が完成します。胚(はい)が完成すると養分をデンプンにして、胚乳(はいにゅう)として籾に蓄積し始めます。いよいよ、籾にお米を蓄える段階となります。

花を咲かせた稲

稲は晴れた日の午前中に清楚な花を咲かせます。ただし、花びらはありません。
まだ緑色の籾のカバーが開き、雄しべが伸びてきます。雄しべの花粉が風に運ばれて、雌しべに受粉し、その後、緑色の籾のカバーが閉じます。

花を咲かせた稲

1本の穂には、100個くらいの花が付いていて、穂先から順番に咲きます。開花時間は約2時間で、全部が咲き終わるまでに1週間くらいかかります。少しずつずれて花を咲かせるのは、子孫を確実に残すための仕組みです。

開花の適温は約30℃で、開花期に低温になると花粉の受精能力が落ちて不稔籾が多くなります。

花を咲かせた稲

この時点では、籾の中はまだ空っぽに近い状態です。
なお、花を傷つけるといけないので、この時期は田んぼには入れません。

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