種子が発育する登熟(とうじゅく)

種子が発育する登熟(とうじゅく)

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【種まきから125日目頃】 穀物の種子が次第に発育・肥大することを「登熟(とうじゅく)」と言います。稲穂が出て、開花・受粉すると登熟を開始します。稲の場合は、開花から約40~50日間が登熟期で、光合成によりデンプンを生産し、胚乳(はいにゅう)に溜め、稲の種子であるお米を充実させていきます。

登熟期の稲の活動

稲の一生は、大きく、前半と後半に分けて考えることができます。前半は、苗が成長して稲になり、穂を出すまでの「成長期」です。後半は、その穂に炭水化物を送り込んで栄養を溜め込む「登熟期」です。

登熟期の稲

登熟の初期は、籾の中のお米はまだ固くなっていないミルク状で、甘い味がします。スズメはそれを知っているようで、この時期に吸いに来ます。
私たちが食べるお米はこのミルクが固まったものです。

稲は昼間、太陽の光で光合成を行います。登熟期に晴天が続くと、光合成が盛んに行われて、お米は美味しく実り、たくさん獲れます。逆に言うと、晴天が続く時期に登熟期になるように稲を栽培すると良いわけです。

日が沈んで光合成ができなくなると、昼間に光合成で作ったブドウ糖を稲に送り込みます。これを「転流(てんりゅう)」と言います。ただし、夜間の気温が高いと稲の呼吸が盛んになり、光合成で作ったブドウ糖を消費してしまいます。夜間は気温が低い方が良いわけです。昼間は暑く、夜間は涼しいという天候が理想的とされています。転流の量だけではなく、品質も良くなるそうです。一般に「寒暖差がある方が良いお米ができる」と言われています。

カマキリ
トンボ

登熟期には、光合成を活発にするために、葉緑素を増強する窒素を中心に肥料を施します。これは、お米のでき具合や葉の色で判断し、数回施します。登熟期に施すこの追肥は、実肥(みごえ)と言います。

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