耕しながら除草する「中耕除草」

耕しながら除草する「中耕除草」

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【種まきから65日目頃】 種まきから2ヶ月が経つと、稲は田んぼにしっかりと根を下ろします。この稲の生育初期に「中耕除草」という方法で根の周りの土を浅く耕したり、除草剤を散布したりせずに、根の周りの雑草を取り除く場合があります。

中耕除草の目的と効果

中耕除草の田んぼ
中耕除草の稲

「中耕除草」の中耕とは作物の生育の途中で、根ぎわの表土を浅く耕すことです。除草を兼ねるので「中耕除草」と呼ばれます。中耕除草には次のような目的・効果があります。

1. 土を撹拌(かくはん)してほぐすので、根に酸素が送り込まれ、呼吸や発根を促進します。また、肥料の吸収も促進します。
2. 土中の有害ガス(硫化水素、メタンガスなど)を抜くことができます。
3. 雑草を防除できます。
4. 除草剤を使用しないので無農薬栽培ができます。

雁爪(がんづめ)を使っていたかつての除草

雁爪を使う人

左の写真は、雁爪(がんづめ)を使用しているところです。一番草と呼ばれる最初の雑草は、抜いたり刈ったりせずに、掻き取ってそのまま埋め込むと、雑草は枯死(こし)して、微生物によって分解され、肥料となります。

除草は田植えの1週間から10日後、苗が活着したら1回目を行います。その後、10日ごとに2回行うのですが、夏の災天下、太陽が燦々(さんさん)と照りつける中で、土の照り返しを受け、汗を流しながらの重労働でした。
しかも、成長した稲がちくちくと目や肌を刺します。素手での除草は指先を痛めますから、雁爪が活躍してくれました。

機械化する現代の除草

多目的田植機

現代では、多目的田植機の後部に装着した除草機で、暑い中での中耕除草を軽労化できます。

多目的田植機の構造と条間と株間

条間と株間を同時に除草できます。条間の除草は回転ロータで行い、株間の除草は左右に動くツースで行います。

中耕除草の様子
中耕除草の様子
撹拌する様子

土の中の藁などの有機質が発酵してメタンガスや硫化水素などの有害ガスを発生する場合がありますが、土を撹拌することで田んぼのガス抜きもできます。

多目的田植機の利用により、少ない労力での中耕除草・無農薬栽培が可能になりました。

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