田植えの準備

田植えの準備

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【種まきから35日目頃】 苗代田(なわしろだ)で12〜15cmほどに成長した苗を、田んぼに移植する作業が「田植え」です。
昔は手で1つ1つ苗を植えていく重労働でしたが、現在では田植機を使って等間隔で植えていきます。田植えの時期は地域によって異なりますが、一般的に本州では5〜6月に田植えを行います。

現在の主流となっている「移植栽培」について

育苗箱

稲の栽培では、田んぼに種籾(たねもみ)をまいてそのまま育てる「直播栽培(ちょくはんさいばい)」 と、苗代田や育苗ハウスで育てた苗を移植する「移植栽培」の2つの栽培法があります。現在では、移植栽培が主流で、次のような目的・効果があります。

1、苗代田で育てた方が、良い苗を均一に育てることができます。広い田んぼで育てるより、狭い苗代田の方が保温・水管理・施肥・病害虫駆除などの管理が徹底して行えるからです。

2、雑草を防除できます。苗を移植する前に田んぼに水を溜めておくことで、多くの雑草が、芽を出すことができなくなります。

3、早期栽培が行えます。苗代田では、保温がしっかりできるので、人工的に良い環境を整え早く苗を育てることができます。夏の暑い盛りに開花して、光合成が盛んにできるようにスケジュールを組むことが可能です。

4、種籾ではなく、苗を植えるので、鳥に食べられる心配がありません。

1つ1つ手で苗を植えていた、かつての田植え風景

人による乱雑植えの様子

昔は、人による乱雑植えでしたが、明治30年代に、苗の列や株間の距離を整えて植える正条植えが取り入れられました。そのため、代掻き(しろかき)をして平らにした田んぼの土に縄を張ったり、田植枠を転がしたりして(写真左)植える場所の目印を付けていました。

目印に沿って整然と植えることで、株の間隔が揃います。稲にムラなく日があたり、風通しもよくなるため、除草作業の能率も上がって収穫量が増えました。

稲刈りを短期集中的に行うためには、稲の生育を揃える必要があります。田植えは近所の人が助け合って、大人数で集中的に行いました。現在では、田植機を使用して、決められた期間内に整然と植え付けを行うことができます。

乗用式田植機に苗をセットする

物差しと苗

苗の草丈が12~15cm、本葉が3.5~5枚ぐらいになったら、田植えです。
田植えをするには、水温・気温等の条件が整う必要もあるので、毎年、天候などの条件を検討して田植えの日を決めます。田植機には、歩行式と乗用式がありますが、ここでは乗用式田植機による田植えと肥料散布について紹介します。

軽トラックから田植機を下ろす男性
軽トラックに乗った育苗箱

田植機を田んぼまで運びます。田んぼに合った植え付けの深さ、株の間隔、植え付け速度などを設定します。同じタイミングで育苗箱ごと苗も田んぼに運びます。

育苗箱
育苗箱を抱える男性

苗を田植機にセットする前に苗と育苗箱の間に「苗取りボード」を差し込みます。育苗箱の底の小さな穴から根が這い出している状態なので、苗を手で取るにはかなりの力を要しますが、この苗取りボードを使用すれば、わずかな力で取ることができます。この時、苗は断根されますが、その後、新根により田んぼに活着します。

育苗箱を運ぶ男性
育苗箱をトラクタに乗せる男性

田植機用に、育苗箱を用いて育成したこの状態の苗を「マット苗」と言います。 田植機の「苗のせ台」と「予備苗のせ台」にマット苗を乗せていきます。

肥料ホッパに肥料を入れる男性

「肥料ホッパ」に、肥料を入れたら、これで田植えの準備が完了です。
続いては、いよいよ田んぼに入って田植えがスタートします。

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