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大量生産・大量消費・大量廃棄型社会を経て、私たちは資源の枯渇や廃棄物の増大など多くの問題に直面しています。また、プラスチックごみの増加による世界的な海洋汚染が深刻な社会課題となっています。 クボタグループは「循環型社会の形成」をマテリアリティの一つとして捉え、資源の有効利用や省資源化の取り組みに加え、廃棄物のリデュース(発生量の削減)、リユース(社内再生・再利用)、リサイクル(再資源化率の向上)の取り組みを進めています。
クボタグループは、環境保全中期目標を策定し、生産拠点において廃棄物および有害廃棄物の削減と再資源化率の向上に取り組んでいます。廃棄物の種類や処理方法に応じた分別管理の徹底や梱包材のリターナブル化、拠点間での廃棄物リサイクルなどを進めています。塗装ブースで発生する汚泥や廃油・含油廃水の減量化や樹脂の成型工程で発生する廃プラスチックの削減などを継続して推進しています。また、使い捨てプラスチックの削減対策として、一部の拠点において食堂での使い捨て食器の廃止や売店でのレジ袋削減活動を展開しています。
段ボールパレット
クボタ堺製造所では、中国のグループ会社から輸入している試作部品用の木箱や木パレットの一部を、強化段ボールへ変更することによって、木くずの削減を進めています。また、再利用可能な樹脂パレットの導入や木パレットのリターナブル化にも取り組んでいます。
他社との協働取り組み事例
Kubota Baumaschinen GmbH(ドイツ)では、梱包廃棄物削減のため、サプライヤーと協働して再生利用可能なコンテナの使用テストを行っています。工場に搬入される梱包材の廃棄物は年間755tにのぼり、緩衝材や段ボール、ガムテープなどの材料が使用されています。同社が廃棄物量を削減できるだけでなく、サプライヤーも納入に必要な資材を削減できるメリットがあります。
(改善前)工場へ搬入されてくる建設機械の部品
(改善後)再利用可能なコンテナに格納された部品
クボタグループでは、全195 社(100%)を対象に廃棄物排出状況の把握、廃棄物の適正管理や排出削減を推進しています。環境保全中期目標に基づき、生産拠点は廃棄物排出削減に向けた管理計画の立案および見直しを毎年行っています。また、環境監査を通じた遵法状況の確認と改善点の抽出、ポータルサイトを活用した削減事例の共有、環境教育のひとつとしてグローバルで廃棄物管理および排出削減の教育を行っています。
循環資源処理フロー
世界では今後も、人口増加や経済発展に伴い、資源の消費が増加すると想定されます。また、近年、使用済みプラスチックが河川などを通じて海岸や海洋に流出する海洋プラスチック汚染が世界的に問題となっています。クボタグループでは、循環型社会の形成に貢献していくため、環境保全中期目標2025において、グローバル生産拠点を対象に廃棄物排出原単位の改善および再資源化率の向上を進めています。あわせて、事業活動から発生する廃プラスチックの3Rや梱包材、紙資源などの削減について、新たに目標設定しました。 クボタグループは、事業のバリューチェーン全体で資源の有効活用、廃棄物削減などの取り組みを通じ、資源効率の向上を推進していきます。
環境保全中期目標2025に基づいて、事業所内で使用するプラスチックのうち、特に使い捨てプラスチックごみの削減を進めています。食堂ではプラスチック容器の削減を、構内売店ではレジ袋の削減、さらにマイボトル持参でペットボトルの廃棄量の削減などを推進しています。
久保田農業機械(蘇州)有限公司(中国)ではプラスチックごみ削減のため、環境月間(6月)に、個別包装された飲み物を果物などに代替する取り組みを行いました。
環境保全中期目標2025に基づいて、取引先様と協働し、梱包材の省資源化、リターナブル化を進め、廃棄物の排出削減を進めています。事業所では、部品などの梱包に使用されるストレッチフィルムや木製パレットなどの廃棄を削減するために、再利用可能なコンテナや梱包資材への置き換えを推進しています。
Kubota Precision Machinery(Thailand)Co., Ltd. (タイ)では、使い捨て段ボールとプラスチックフィルム梱包を見直し、廃棄物を削減するとともに、作業の省力化を図りました。
環境保全中期目標2025に基づいて、業務の効率化と環境負荷低減を目的として、ペーパーレス化に取り組んでいます。コロナ禍によりオフィスワークからテレワーク(在宅勤務)へと働き方が変わる中、社内申請や決裁の電子化、紙での保管書類の削減などを進めてきました。また、執務スペースの有効活用や会議のオンライン化も同時に進めることにより、紙での印刷を削減することができました。生産拠点においても、チェックシートや帳票類の電子化を推進しています。
PCB(ポリ塩化ビフェニル)を含有するトランスやコンデンサなどについて、PCB特措法*1および廃棄物処理法*2に基づき、必要な届出と適正な保管を行っています。高濃度PCB廃棄物は、PCB処理施設での受け入れが可能になった拠点から順次、処理を実施しています。また、低濃度PCB廃棄物は、処理期限の2027年3月に向けて、適切に処理していきます。 保管中のPCB含有機器については、保管庫の施錠、定期点検、環境監査など何重にも確認を実施し、管理を徹底しています。