DEI (ダイバーシティ(多様性)・エクイティ(公平性)・インクルージョン(包括性))
クボタグループは経営戦略としてDEI (ダイバーシティ(多様性)・エクイティ(公平性)・インクルージョン(包括性))を推進しています。異なる価値観や考え方があることを認識し多様な個性を最大限に生かすことが高い価値創出につながり、組織の持続的なグローバル成長にとって不可欠です。性別、国籍、年齢、経験、価値観など、あらゆる属性にとらわれないさまざまな個性をもつ社員一人一人が、熱意をもって働けるよう状況に合わせて働きやすい制度の整備など活躍できる場を提供していきます。多様性が生きるインクルーシブな風土は、個々の能力・経験・考え方が認められ個々の力をより発揮できることにつながります。
一人ひとりを世界に活かす、クボタが目指すダイバーシティ・マネジメント
世界で事業を展開するグローバル企業、クボタ。その職場には、言語や文化、世代や性別、そして価値観も異なるたくさんの人たちが共に働いています。一人ひとりの「違い」を受け容れ、新しい価値を生み出す力にすること。人の多様性を創造性に変える取り組みが、クボタの目指すダイバーシティ・マネジメントです。
社外からの認証・評価
-
厚生労働省「次世代育成対策支援推進法」に基づく行動計画を策定し、2013年に「くるみん」を取得しています。当社は女性活躍推進法の一般事業主行動計画を推進するなかで、性別役割分担意識の解消を掲げ、啓発活動や柔軟な制度整備を通じて積極的に男性が育児休暇を取得できる環境を整えています。
-
任意団体work with Prideが策定した、「PRIDE指標2024」で「ゴールド」を受賞しました。多様な人財が力を発揮し活躍できるよう「社内規定における配偶者の定義」に「同性パートナー」や「内縁関係」を含め、より多くの従業員が社内制度や福利厚生を利用できるようにしました。
-
株式会社JobRainbow主催の「D&I AWARD2024」で、国内外でD&Iを推進する先進企業に与えられる「ベストワークプレイス」に認定されました。当社はDE&Iの基本方針のもと、多様性を創造性に変え、働きがいのある職場づくりを推進しています。
-
「共働き・共育てを可能にする男女問わない両立支援」に関する取り組みが特に優れた企業として、経済産業省と東京証券取引所が共同で主催する2025年度「Nextなでしこ共働き・共育て支援企業」に選定されました。
-
女性のエンパワーメント原則(WEPs)とは、国連グローバル・コンパクト*1とUNWomen*2が2010年3月に共同で作成した行動原則であり、女性の力を企業活動に生かすための労働・社会環境の整備について定めています。クボタグループはこの原則に賛同し、2012年7月に署名し、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントを経営の核に位置づけて自主的に取り組むことを宣言しています。
- *1.1999年の世界経済フォーラムで当時の国連事務総長が提唱した国際世界において持続可能な成長を実現するための世界的なイニシアチブ
- *2.ジェンダー平等と女性エンパワーメントのための国連機関
多様な人財が活躍できるインクルーシブな風土醸成の取り組み
アンコンシャスバイアス研修の実施と継続
クボタグループでは一人一人が自身のアンコンシャスバイアスに気づき、意識し、対処することで、多様な人財がいきいきと活躍できる職場風土を全員で作り上げていく取り組みをスタートさせています。その一環として、無意識の思い込み(アンコンシャスバイアス)に対する理解を深め、一人一人が対処していくために、「アンコンシャスバイアス研修」を開始しました。2024年は役員・職制管理職を対象に研修を実施し、今後も各階層に向け研修を実施します。
仕事と家庭の両立を支援する新たな取り組み
企業主導型ベビーシッター券の導入
共働き世帯の増加に伴い、育児と仕事を両立する従業員のサポートを目的として、2025年1月からこども家庭庁ベビーシッター券を導入し従業員へ配布を始めました。家庭内でのお世話や、保育施設への送迎に利用することができ、育児の負担を軽減することで、従業員は安心して仕事に集中できるようになっています。
介護相談窓口の設置
介護と仕事を両立できるよう、(株)クボタでは2025年4月に専門家による介護相談窓口を設けました。従業員は社内担当者に社内制度だけではなく、介護保険サービスについても気軽に相談することができます。介護に直面しても、介護と仕事を両立できるようサポートする体制を整えています。
育児休暇者サポートプログラム
一人ひとりが主体的にキャリア形成を行い、上司と対話するプログラムです。社内制度や公的制度を積極的に理解し、効果的に制度活用を行うことで、家庭と仕事の両立を実現し、育児休暇を取りやすい環境にし、中長期的なキャリア形成を行うことができるよう、サポートしています。
女性活躍推進の取り組み
女性活躍推進フォーラム・交流会の開催

女性活躍推進フォーラム
女性社員のエンパワーメントを目的とした女性活躍推進フォーラムを2023年度から継続して開催しています。社長をはじめとする経営層が女性の活躍がクボタにとって不可欠であること、そして女性活躍推進に対する思いを直接女性社員に向けて語りかけています。フォーラム後に開催した交流会では、女性社員と役員が直接対話をする機会を設け、社員の自己実現をめざしていきいきと活躍する職場風土の醸成をめざしています。
Womenʼs Employee Resource Group(WERG)によるチーム活動
女性社員間の交流と相互支援を目的とした、WERGが2023年秋に発足しました。組織を超えて女性リーダーが集い、自発的な活動を通じた新しいつながりを築くことで、女性が障壁を打ち破り、個人の可能性を最大限発揮できるように奨励していくグループとして活動をスタートさせています。2024年からは22名の女性管理職からなるコアメンバーが他社との交流や社内調査を実施しました。また、他社から得た知見や自らの経験をふまえた環境整備に関する提言は、次世代の働きがい、働きやすさを向上させる活動へとつながっています。また2024年度は北米クボタの人事部門リーダーとの交流などグローバルで相互支援できる関係の構築をサポートしています。
-
交流会の様子
-
クボタとKubota North America Corporationの女性管理職交流会
Womenʼs Employee Resource Group(WERG)によるチーム活動

Global Talent Development Program参加メンバー
Global Talent Development Programは、クボタのグローバルリーダーを育成し、同社のコアバリューやビジネス環境を深く理解し、実践の機会を提供することを目的としています。2024年のグローバルリーダープログラムは2025年1月に最終セッションを終え、3年目が終了しました。世界中から多様なメンバーが参加し、機械ビジネスのグローバルマネジメントの進化に貢献しています。
2024年のコースでは、インド、タイ、日本、ヨーロッパ、北米、そして他のASEAN諸国からの参加者が集まり多様なグループが形成されました。各地域から5人の女性参加者が含まれており、リーダーシップの多様性を重視するプログラムの姿勢が反映されています。グローバルリーダープログラム、多様な候補者を見つけることに努めています。
障がい者の雇用創出と働く環境づくりのサポート
特例子会社2社を合併し新会社を設立
2025年1月、クボタグループの特例子会社であるクボタワークス株式会社とクボタサンベジファームの2社を合併し、クボタインクルージョンワークス株式会社を新会社として設立しました。
2社を合併することでシナジーを発揮し、障がい者の雇用のさらなる推進を図るとともに、人財の交流・育成や職域の拡大に取り組んでいきます。
「自立支援」をめざした障がい者雇用
クボタグループでは、 特例子会社*クボタインクルージョンワークス株式会社を中心に「自立支援」をめざした障がい者雇用に取り組んでいます。クボタインクルージョンワークス(株)のクリーンサービス部・オフィスサポート部・サンベジ部では、現在250名を超える障がい者が活躍しています。クボタグループの各拠点で業務を展開しており、拠点数も増加しています。雇用創出に向けてはグループ各社と協力し製造現場でのマスクフィットテストなどの業務開拓を積極的に進めています。
- 障がい者の雇用の促進および安定を図るため、事業主が障がい者の雇用に特別に配慮をした子会社。
障がい者の活躍と能力発揮に向けた環境づくり
社内で研修制度や昇格制度を導入しており、アビリンピックやビルクリーニング技能士への挑戦も推奨しています。
アビリンピックについては、2024年度に全国大会で4名が入賞するなど、これまで地区大会や全国大会において入賞実績があります。
サポート体制についても障がい者5名に対して指導員1名の配置を基準としており、一人一人が安心して能力を発揮できる環境づくりを推進しています。
地域の共生やつながりにも寄与
クボタサンベジファームかなん農場では、「地域との共生」や「遊休農地の活用」をめざし、水耕栽培による安心・安全な野菜づくりに取り組んでいます。収穫した野菜は社内食堂での利用や社内販売、さらに大阪府下のスーパーマーケットでの販売を実施しており、地域社会とのつながりに寄与しています。
今後も障がい者の活躍促進と事業拡大を通じ、法定雇用率の達成並びに地域社会との共生をめざしていきます。
LGBTQへの理解を深める
配偶者定義の拡大
クボタでは配偶者の定義に「同性パートナー」も含めライフイベントに関わる社内制度及び福利厚生制度を利用できます。
理解を深める活動
階層別研修では、性的指向や性自認に関する基本知識、LGBTQ+コミュニティに対する共感的なコミュニケーションスキル、職場での差別や偏見を防ぐ方法などに焦点を当て説明しています。
LGBTQ+の理解を深めるための映画上映会およびオンラインセミナーを年に1~2回を案内しています。
また、LGBTQ+に関する懸念や疑問を安心して話せるよう、相談窓口の設置と、社内HPを活用した『アライ』活動の取組みを進めています。