リスクマネジメント
クボタグループでは企業価値向上のために、経営に重大な影響を与えるリスクに係るマネジメント体制を構築しています。具体的には、各リスクを管理している主管部門がリスクを適切に認識したうえで管理するための規定として「リスク管理規程」を定め、これを基に必要な推進事項を立案・実施するとともに、事業部門への監査を行うことによりその実効性を確認しています。
「リスク管理規程」については必要に応じて随時見直しを行い、変化を続ける企業環境とリスクに対応できる管理体制づくりに取り組んでいます。
リスクマネジメント体制
クボタグループのリスク管理に関する重点方針や仕組みに関する企画・立案および伝達、各リスクに係る活動結果および活動方針の確認・承認等を行うために、社長を委員長とする「クボタグループリスクマネジメント委員会」を設置しています。
本委員会では、既存の内部統制に係るリスクマネジメントを継続するとともに、経営に重大な影響を与える新たなリスクについても適切に把握し、対策に取り組んでいます。
具体的には、定期的にクボタグループに係るリスクアセスメントを行い、委員会でリスク評価を行ったうえで優先的に対策すべき新たなリスクを決定します。そのうえで委員会傘下の分科会で対策を実施します。対策状況は委員会に定期的に報告し、委員会はそのモニタリングを行うほか、必要な指示を行っています。
これらリスクマネジメントプロセスを含む委員会での審議内容は定期的に取締役会に報告され、取締役会がレビューしています。
リスクマネジメント概要
2022年11~12月にかけてクボタの部門長以上の役職者(全役員を含む)を対象にリスクアンケートを実施しました。
このアンケート結果を基に各リスクにつきリスク発生時の影響度や発生頻度、専門家の知見等を考慮のうえ、リスクマトリクスにまとめました。
特に影響度が大きいリスクに関してはあらためて社内関係部門へのヒアリング等を行い、リスク管理規程・関連規則等に基づくリスク管理活動の状況について確認・検証しました。その結果をふまえて、経済安全保障および人権デューディリジェンスを新たに取り組むべきリスクと決定し、対策を推進しています。
事業環境の変化等に適切に対応するために、今後も定期的にリスクアセスメントを実施したうえで、対応すべきリスクの見直しを行う予定です。
リスク対策
経済安全保障
大国間の対立や紛争等、国際関係の緊迫化にともなう各国の政策・法規制等の変化により当社グループの事業活動が大きな影響を被ることも予想されます。
特に影響が大きいと想定されるサプライチェーンに関しては社内関連部門が協働して複数拠点調達をはじめとした対策を進め、リスク耐性の強靭化を推進しています。また、その他、従業員安全確保・情報セキュリティ・安全保障貿易等の関連テーマについても現状の対策・管理体制のさらなる拡充を推進しています。
人権デューディリジェンス
世界的な人権重視の潮流のなか、人権リスクが顕在化すれば企業価値に大きな影響を被ることになります。
クボタグループでは社内ワークショップによるリスクアセスメント結果をふまえて、取引先に対する人権アンケートを実施するとともに取引先を訪問し、人権課題の共有に向けたエンゲージメント活動を行いました。この取り組みは今後も継続するとともに対象をグループ会社にも拡大する予定です。
また、社内の外国人技能実習生へのアンケートおよび詳細確認のためのインタビューを実施しました。さらに海外の「ビジネスと人権」に係る有識者と対話の場をもち、クボタグループの人権尊重に係る取り組みがグローバルな要求や期待に沿うものであることを確認しています。