気候変動の緩和と適応
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第6次評価報告書では、人間の影響が大気、海洋および陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がないとされています。2023年には世界各地が熱波におそわれ、夏場の平均気温が世界で観測史上最高となり、「地球沸騰化」と表現されました。各国ではCO2排出実質ゼロやカーボンニュートラルを宣言するなど、脱炭素社会への移行に向けた動きが加速しつつあり、企業における温室効果ガス削減の取り組みがさらに重要性を増してきています。
クボタグループは「気候変動の緩和と適応」をマテリアリティの一つとして捉え、2050年カーボンニュートラルの実現に挑戦することを表明しています。省エネルギー活動や再生可能エネルギーの導入などにより、温室効果ガス排出量を削減する気候変動の「緩和」と、気候変動の影響に備える「適応」に向けた取り組みを進めています。
SDGsの達成に向けた活動
関連するSDGsとターゲット |
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主な活動内容 |
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2030年/2025年活動目標(KPI) |
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CO2削減対策
クボタグループは、環境保全中長期目標を策定し、事業活動に伴うCO2排出量とエネルギー使用量の削減に注力しています。各生産拠点において、中期的な削減対策の実施計画を策定し、毎年見直しを行っています。その際、インターナルカーボンプライシング*を導入し、設備投資計画においてCO2排出量やエネルギー使用量の削減効果やCO2削減量当たりの投資費用を算定しています。案件ごとに環境面での有効性や経済合理性を明らかにし、投資判断の材料としています。
将来予想される人口増加や経済発展は私たちの事業にとって大きな機会となります。しかし、世界が現在と同じような経済活動を続けていくと、地球全体の自浄力や環境容量を超える負荷を与える可能性があり、事業活動を継続していくうえでのリスクとなりえます。私たちは、事業活動や製品・サービス・ソリューションの提供などを通じ、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
- 組織が内部的に炭素価格付けを実施すること
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2022年9月に開設したクボタグローバル技術研究所では、出力1,566kWの太陽光パネルを設置しました。
バリューチェーンを通じたCO2排出量
事業所におけるCO2排出量にとどまらず、バリューチェーン全体の排出量の把握に取り組んでいます。ガイドライン*に基づき、スコープ3排出量を算定しました。今後も算定対象の拡大に努めていきます。
- 環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」
区分 | 算定対象 | 排出量(万t-CO2)*2 | |||||
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2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |||||
自社の排出 | 直接排出 (スコープ1)*1 |
化石燃料の使用 | 29.5 | 27.7 | 23.7 | ||
非エネルギー起源温室効果ガスの排出 | 0.7 | 0.7 | 0.6 | ||||
間接排出 (スコープ2)*1 |
購入した電力・熱の使用 | 28.3 | 27.6 | 28.9 | |||
上流および 下流での排出 |
その他の 間接排出 (スコープ3) |
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1 | 購入した製品・サービスの資源採取、製造、輸送 | 410.4 | 419.1 | 389.1 |
2 | 購入した設備などの資本財の製造、輸送 | 56.7 | 49.2 | 72.1 | |||
3 | 購入した燃料・エネルギーの資源採取、製造、輸送 | 11.1 | 10.8 | 9.8 | |||
4 | 輸送・配送(上流) | 28.2 | 24.6 | 19.7 | |||
5 | 拠点から排出した廃棄物の処理 | 3.1 | 2.8 | 2.7 | |||
6 | 従業員の出張 | 1.9 | 2.8 | 2.9 | |||
7 | 雇用者の通勤 | 1.0 | 1.7 | 1.8 | |||
8 | 賃借したリース資産の運用 | 0.0*3 | 0.0*3 | 0.0*3 | |||
9 | 輸送・配送(下流) | 0.0 | 0.0 | 0.0 | |||
10 | 中間製品の加工 | 34.6 | 33.8 | 28.9 | |||
11 | 販売した製品の使用 | 3,695.1 | 3,678.7 | 3,508.3 | |||
12 | 販売した製品の廃棄時の処理 | 6.8 | 6.9 | 6.5 | |||
13 | 賃借するリース資産の運用 | 0.0*3 | 0.0*3 | 0.0*3 | |||
14 | フランチャイズの運用 | 0.0*3 | 0.0*3 | 0.0*3 | |||
15 | 投資の運用 | 0.0*3 | 0.0*3 | 0.0*3 | |||
合計 スコープ3 | 4,248.9 | 4,230.6 | 4,041.9 | ||||
合計 スコープ1、2、3 | 4,307.4 | 4,286.6 | 4,095.0 |
- *1. CO2排出量は、クボタグループ全拠点(100%)を対象としています。
- *2. 各数値の四捨五入により、各数値を合計した値と合計値に差異が生じる場合があります。
- *3. 対象となる活動がないもしくは極めて影響が低いため、CO2排出量は0と表示しています。