コロナ禍における失業者への就農支援

- 食料分野での活動
コロナ禍で職を失った人々のための就農支援プロジェクトを立ち上げました
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、タイでは短期間の間に失業率が倍加し、失業者への支援が喫緊の課題となりました。Siam Kubota Corporationはタイ王国政府と協力し、失業者を支援するために就農支援プロジェクトを立ち上げました。
多くの国と同様に、タイでは新型コロナウイルスの感染拡大によって経済が停滞しました。国内企業では一時解雇が発生し、2020年3月に1.0%だった失業率は、同年7月には2.1%と急激に上昇*1。2020年上半期(1~6月)の失業者数は250万人*2に達するなど、対策が急務となっています。
Siam Kubota Corporation Co., Ltd.(以下SKC社)は、事業を通じてタイの農業と経済の発展、人々の生活の質の向上に貢献してきました。同社はこのコロナ禍においても、事業分野を通じて困窮する人々を支えるために、農業でのキャリアパスを開発する就農支援プロジェクトを立ち上げました。
タイ王国政府の労働省とともに設立したこのプロジェクトは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で職を失ってしまった人が、農業で働くためのスキルや知識を身につけるためのものです。トラクタ、コンバイン、稲刈り機、ミニバックホーの運転技術を理論と実践を通じて学べる4つのコースが用意され、その他にもSKC社が培ってきた営農メソッド「Kubota(Agri)Solutions」、水資源の管理や干ばつへの対処方法などを学ぶことができます。プロジェクト参加者は計18時間の学習・訓練を終えると、国の労働技能基準評価テストを受けることが可能になります。
本プロジェクトは、2020年6月に国内の5つの県でスタートし、年内に365人が受講しました。この活動は2021年もクボタeラーニングプロジェクトの元で継続しています。
本プロジェクトによって失業者が持続可能なキャリアパスを開発することができると同時に、農機の運転技術を持つ人材が増えることで、タイの農業の課題である生産性向上にもつながります。SKC社は今後もコロナ禍で困難に直面する人々を支援していくとともに、タイの農業の持続的な発展にも引き続き貢献していきます。
- *1.タイ国家統計局
- *2.タイ商業・工業・金融合同常任委員会