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施設園芸

オートノマス制御でめざす、誰もが省力化・効率化を実現できる施設園芸

施設園芸の課題とスマート化へのアプローチ

気候変動の深刻化による露地栽培の不安定さ、さらには世界的な人口増加と都市への人口集中といった背景から、ビニールハウスなどの栽培環境を利用する施設園芸が注目を集めています。施設園芸は、天候や地域の気候、立地に大きく左右されることなく高付加価値な作物を安定的に生産できる農業として期待されています。

ただ、施設園芸はその特性上、施設内環境をきめ細やかに整えたり、栽培管理作業を頻繁に行う必要があり、大きな労力を伴います。また、農業全般に共通する高齢化や担い手不足という課題も抱えており、省力化に加え、経験や勘・感覚的な判断に頼らない生産方法が求められています。また、施設を運用するために多くの資源やエネルギーを投入することから、環境負荷の低減も重要な課題の一つになっています。

クボタはこれらの課題を解決するために、植物のセンシング技術や生育状態の診断・予測技術を活用し、誰もが省力化・効率化を実現できる「施設園芸栽培のオートノマス化」に取り組んでいます。

  • 施設園芸向けソリューションの一例。

センシング技術により作物の生育状態を可視化

従来、施設園芸は目視による観察によって管理の方針を定める方法を主流にしており、熟練者の経験やスキルが生産の成否を左右してきました。そこでクボタは、データに基づき経験が少なくても栽培が可能な仕組みを構築しようとしています。

具体的には、画像センシング技術を活用し、作物の葉のしおれ具合等の生育状態をリアルタイムでデータ化します。これによって経験の少ない農家でも、作物のストレス状態を把握することができます。さらに、一定のしおれ具合を下回った際に潅水を行う自動潅水制御により、栽培管理の軽労化や品質・収量の安定化につながります。

データ活用で生産性を最大化

さらに、画像センシング技術で得られた作物のデータと、ハウス内の環境データや気象情報等を利用して、収穫のタイミング・収量を予測します。この予測結果に基づいて、最適な環境設定や栽培計画を実現するために必要な管理作業を生産者に提案し、意思決定を支援します。これにより、経験や勘に頼らずとも生産を安定化、最大化することができる、データドリブンな施設園芸を実現します。

また、データを基に最適な環境制御を行うことで、資源の投入量を最小限に抑えることが可能になり、環境負荷の低減にも貢献します。

クボタがめざす、大幅な省力化やスキルレス化、環境負荷の最小化を実現する施設園芸栽培

クボタは、作物のセンシングデータや施設内の環境データ、栽培作業データ等を解析し、環境制御機器や作業機械と連携する技術開発を推進することで、誰もが大幅な省力化や効率化を実現する施設園芸のオートノマス栽培をめざしています。さらにはデータ活用と資源の排出低減技術と組み合わせることで、必要最低限の資源投入で収量や品質の最大化を可能にし、施設園芸の環境負荷の最小化を実現していきます。

  • クボタがめざす施設園芸栽培の図