「TOWARDS ZERO CARBON」というキャッチコピーを中心に、CO2排出量ゼロをめざすクリーンなサイクルを表現したイメージビジュアル

2021 . 06 . 04 / Fri

LIFE

2050年の「脱炭素」社会の実現に向けて世界とともに私たちが取り組む
カーボンニュートラルとは

写真・文:クボタプレス編集部

持続可能な社会の構築が必要とされるなか、クボタは今後起こりうるさまざまな社会課題やそこで果たすべき役割を見据えた長期ビジョン「GMB2030」を策定しました。

この「GMB2030」で社会の大きなメガトレンドとして注目されているのが、「サーキュラー・エコノミー」「カーボンニュートラル」「循環・共有を通じて生産物の限界費用が限りなくゼロとなる社会」「グローバル資本主義だけに拘らない新たな中小コミュニティ形成」の4つです。今回のクボタプレスは、その中から「カーボンニュートラル」をフォーカスしていきます。

いま、世界の国々や企業がカーボンニュートラルを宣言し、「脱炭素」社会に向けた動きが加速しています。地球環境の保全を目的としたこれらの動きの背景を紐解くとともに、カーボンニュートラルに挑戦し、持続可能な社会の実現をめざすクボタのこれまでとこれからの取り組みを紹介します。

カーボンニュートラルに向けた国際的な動きとその歴史

世界各地で異常気象を引き起こし、地球規模の社会課題として問題視されている地球温暖化。その主な原因は、温室効果ガスの増加とされています。温室効果ガスには、二酸化炭素(以下、CO2)やメタン、フロンガスといった種類があり、中でもCO2の排出量を可能な限り削減することが、地球環境を守るためにもっとも有効な取り組みと言われています。

「カーボンニュートラル」とは、このCO2排出量の削減活動に加え、どうしても排出せざるを得ない分を自然保護や都市の緑化などの吸収活動によって差し引きゼロとする状態をいい、排出量の実質ゼロを実現する社会を「脱炭素」社会と呼びます。

カーボンニュートラルの概念図

カーボンニュートラルの概念を表したイメージ図。左側に排出されたCO2、右側にCO2削減活動とCO2吸収活動が天秤にかけられ、釣り合っている状態

排出されるCO2の量を把握したうえで、それと同量のCO2削減活動とCO2吸収活動を行うことで、プラスマイナスゼロにするというのが「カーボンニュートラル」の考え方です。

地球温暖化をめぐる世界の本格的な取り組みは、1992年の地球サミットで採択された「気候変動枠組条約」に端を発します。いわゆる地球温暖化防止条約と呼ばれ、今も続く温暖化対策の国際的な枠組みであり、この条約に基づいて1997年に策定されたのが「京都議定書」です。温室効果ガス削減における先進国の数値目標と目標達成期間などの具体的な達成目標が定められました。

2020年までの温暖化対策の目標を定めた「京都議定書」に対し、2020年以降の目標を定めたものが、2015年の気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で採択された「パリ協定」です。この中で、産業革命前と比較して世界の平均気温上昇を2度未満に抑えることをめざし、可能なら1.5度に抑えるという努力目標が掲げられました。

平均気温上昇を1.5度に抑えるためには、主要な温室効果ガスであるCO2の世界の排出量を2050年までに実質ゼロにしなければなりません。現在、世界各国・地域で見られるカーボンニュートラルへの挑戦は、このような地球環境の保全を取り巻く国際的な動きが背景にあり、太陽光発電などの再生可能エネルギーやCO2を素材や燃料として再利用するカーボンリサイクルといった創造的なイノベーションの推進など、すでに具体的な取り組みが始まっています。

京都議定書とパリ協定の違い

「京都議定書」と「パリ協定」の違いを項目ごとに示した比較表

先進国のみに対して目標の達成を義務づけた「京都議定書」に対し、「パリ協定」の対象は世界中の参加国。目標達成の義務は明文化されていないものの、発展途上国を含む多くの国が温暖化対策に取り組むことが合意されました。

「パリ協定」に基づいて、120以上の国と地域、そしてグローバル企業などが排出削減目標を発表するなか、2020年10月、日本も「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」ことを表明。官民を挙げた「脱炭素」社会の実現をめざした取り組みが本格化し始めています。

美しい地球の循環を守ってきたクボタの新たな挑戦

コレラ等の伝染病対策として国内初の水道用鋳鉄管の量産化に成功し、農作業の機械化によって効率化・省力化に貢献し続けるなど、事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献してきたクボタにとって、気候変動対策をはじめとする環境保全活動は重要な企業活動のテーマです。

クボタは、2021年2月に長期ビジョン「GMB2030」を、同年5月には環境面から事業活動の方向性を示す「環境ビジョン」を発表。ESG*1を経営の柱と位置付け、環境負荷ゼロに挑戦しながら、「食料・水・環境」分野においてカーボンニュートラルでレジリエント*2な社会の実現に貢献することを宣言しました。

*1 企業を長期的に成長させるために必要とされるEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の3つの要素の頭文字

*2 復元力があるさま


「環境ビジョン」の実現に向けた取り組みの方向性として、クボタは製品ライフサイクル全体のCO2排出状況を踏まえた「自社のCO2排出抑制」と、新たなソリューションの創出などによる「社会のCO2排出抑制」を表明。2050年までのCO2排出実質ゼロをめざし、本格的な取り組みをスタートさせました。

自社のCO2排出抑制

クボタは、生産拠点を中心とした自社から排出されるCO2を削減するため、太陽光発電システムやグリーン電力の購入を通じた再生可能エネルギーの利用拡大に加え、生産拠点の再編や移転の際に環境負荷が少ない生産方式を採用するなど、生産改革による省エネルギー・省資源化の取り組みを開始。すでに一部の工場では、製造ラインの刷新に伴って電気炉の導入を発表するなど、「脱炭素」に向けた具体的な動きも見られます。

また、製品使用時に排出されるCO2の抑制においては、農業機械や建設機械の作業燃費のさらなる改善をめざし、省エネルギーで作業が行える製品の開発を行っていくとしています。加えて、農業機械のロボット化やICT(情報通信技術)活用による精密な農作業での環境負荷軽減、バイオ燃料等の活用、さらには電動・ハイブリッド化や燃料電池化といった動力の脱炭素化に向けた研究開発への挑戦も掲げています。

クボタの新製品・サービスを紹介するイベントでお披露目された、開発中の電動小型建機と電動トラクタ

現在開発中の電動小型建機(写真左)と電動トラクタ(写真右)。

社会のCO2排出抑制

創業から130年にもわたって人々の生活に欠かすことのできない「食料・水・環境」領域の課題解決に貢献し続けてきたクボタ。今後、事業活動を通じて豊かな社会と自然の循環にコミットすることをめざし、長期ビジョン「GMB2030」の中で新たに3つのソリューション提供に取り組むことを宣言しました。

クボタが新たに提供をめざす3つソリューション

1.食料の生産性・安全性を高めるソリューション
2.水資源・廃棄物の循環を促進するソリューション
3.都市環境・生活環境を向上させるソリューション


これら3つの新しいソリューションは既存事業の拡大・発展の延長線上にあり、それぞれの事業領域で蓄積してきた多くの技術やノウハウを相互に連携・作用させ、シナジーを生み出すことで実現していくとしています。

「社会のCO2排出抑制」に向けた取り組みは、これらのソリューションの方向性に則した挑戦です。では、新たな提供価値につながるソリューションの具体的な例を紹介します。

一つ目は、ICTやAIを活用した「スマート農業」の進化への取り組みです。営農支援システム「KSAS(KUBOTA Smart Agri System)」に代表される、農業機械のロボット化・IoT化により作業効率を高めることで省エネルギー・省資源化を実現します。また、合わせて農地拡大のための森林伐採や自然破壊の抑制にも貢献していこうとしています。

二つ目は、「資源回収ソリューション」です。上水から下水まで、世界の水インフラを支えてきたクボタは、創業当初から磨き続けてきた技術を活用し、下水処理場や食品工場などで発生する廃棄物を発酵させてバイオガスを取り出し、エネルギー資源としての再利用やバイオガス発電などに取り組んでいきます。

三つ目は、「水環境プラットフォーム」の構築です。水環境プラント・機器の遠隔監視・診断・制御サービス「KSIS(KUBOTA Smart Infrastructure System)」に代表される分野では、プラント情報やセンサーを活用した上下水道施設・河川洪水の監視・管理プラットフォームを整理し、都市災害に対するレジリエンスを高めていくとしています。クボタは、このソリューションの提供により、省エネルギーへの貢献もめざしています。

あらゆるステークホルダーとともに環境負荷ゼロをめざして

クボタは2020年1月、気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が発表した提言への賛同を表明。気候変動に関する財務情報開示を積極的に進めていくと同時に、同年12月には、「水素バリューチェーン推進協議会」に参画し、CO2削減に寄与する水素技術の社会実装に向けた取り組みを開始しています。

気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)のロゴ

2015年に国際的組織である金融安定理事会によって設立したTCFD。企業等に対し、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標・目標」の4項目について、自社の財務的影響のある気候関連情報の開示を勧めています。

世界の人口増加に伴って食料需要・水需要は高まり、都市化によるエネルギー需要の拡大も予想されるなか、さまざまなステークホルダーとの協力は欠かせません。クボタの新たな挑戦は、環境に配慮した製品・技術・サービス・企業活動によって限りある資源を有効活用し、バリューチェーン全体で環境負荷ゼロに貢献していこうとする強い意志の表れと言えます。

編集後記

国家レベル、民間レベルで研究開発が進み、世界中で2050年の「脱炭素」社会に向けた取り組みが進められている近年。加速するこれらの動きは、地球規模の気候変動に大きな影響を与えると期待されていますが、その道のりは決して平坦ではありません。

美しい地球の循環を守るための活動を続けてきたクボタの新たな挑戦も始まったばかりです。「食料・水・環境」分野が抱える社会課題の解決に貢献するとともに、環境問題に対応できるレジリエントな社会の実現をめざすクボタの今後からまだまだ目が離せません。

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