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水道管路の新たな老朽度評価方法を開発 東京大学と共同研究、機械学習を活用して老朽度をより高精度に予測

2021年4月15日
株式会社クボタ

株式会社クボタ(本社:大阪市浪速区、代表取締役社長:北尾裕一、以下「当社」)は、このたび、東京大学との共同研究により、水道管として最も多く使用されているダクタイル鉄管(鋳鉄管を含む)の新しい老朽度評価方法を開発しました。
当社が長年蓄積してきた約6,000件の腐食調査データや埋設環境データをもとに、機械学習を活用することにより、従来の老朽度評価よりも高精度に老朽度を予測することが可能となります。

1.開発の背景

  • 日本で使用されている水道管は、法定耐用年数である40年を超えるものが年々増加しており、水道管路の老朽化が深刻な問題となっています。
  • また、大規模災害が多発する日本では、安全・安心な社会インフラの構築に向けた国土強靭化策が推進されています。
  • 人々の生活に欠かすことのできない、重要な社会インフラとしての役割を担う水道管路には、将来に渡って健全な状態を維持していくことが求められており、老朽化した水道管は適切に更新する必要があります。
  • しかし、水道管路は埋設されてみえないことから点検や診断が難しく、これまでは、法定耐用年数や供用年数に基づいた時間計画保全を主体とした更新整備がほとんどであり、より効率的な管理方法が求められています。

2.開発のねらい

  • 水道管路は、「老朽度評価」以外にも、「自然災害への耐性」「水理・水質解析」「重要度評価」に、「水道事業体様の方針(更新計画)」を加えて総合的に評価・診断されます。
  • 当社グループは、これまでも水道管路更新の優先順位付けを行う、総合的な評価手法を用いた管路診断サービスを提供し、水道維持管理指針(日本水道協会)に沿った、5段階の老朽度ランクで老朽度を評価していました。
  • また、当社グループでは、全国の水道事業体様とともに漏水調査(漏水状況、腐食深さ、埋設環境など)や、地震や豪雨などの自然災害時には、被災地での水道管路の被害調査・原因分析を行っています。
  • 今回、東京大学と共同研究を行い、従来は難しかった水道管路の腐食の実態を反映させることで、より高精度な老朽度評価を行うことができ、効率的かつ経済的な水道管路更新計画の立案に貢献できます。

3.新しい老朽度評価方法の特長

  • 東京大学との共同研究で、当社グループが現場で収集・蓄積してきた約6,000件の腐食調査データや埋設環境データを分析しました。
  • また、埋設環境の腐食性を考慮した「埋設環境モデル」、管外面塗装の防護期間(ラグタイム)を反映した「ラグタイムモデル」、管体の腐食深さを反映した「腐食深さ予測モデル」と、これら3つのモデルをもとにした「漏水リスクモデル」を構築しました。
  • 機械学習を活用して新しい「老朽度評価モデル」を構築することで、従来の老朽度予測と比べて精度を大幅に向上させることが可能となりました。
  • 管路ごとの予測漏水件数(件/年/㎞)の算出や、現状の漏水危険度、将来の漏水危険度マップの提示、管路ごとの更新優先順位の提示が可能となります。
  • また、ダクタイル鉄管(鋳鉄管含む)の他に、樹脂管等も含めた診断が可能です。

※詳細は、当社ホームページをご覧ください

水道管路の評価・診断の概要図

4.サービス開始時期

2021年4月~

当社の関連会社である株式会社管総研の管路診断サービスにも適用いたします。
(ご参考) 株式会社管総研ホームページ

5.今後について

当社は、創業者久保田権四郎が1904年に日本で初めて水道用鋳鉄管の量産化に成功して以来、100年以上にわたり、日本の水道と共に歩み続けてまいりました。今後も、水道管路評価技術の精度をさらに向上させることで、効率的・効果的な水道管路の更新計画策定ができるサービスを提案し、持続可能な水道管路の構築に貢献してまいります。

本サービスに関する問い合わせ先

株式会社クボタ 上下水道営業部 東京営業第1課 TEL:03-3245-3173

以上

ニュースリリースに記載されている情報は発表時のものであり、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承下さい。

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