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総合管路管理ソリューション

AI老朽度評価方法と適正工事発注グルーピング手法を開発

~水道管路の効率的な更新計画策定を強力に支援します~

開発の背景

  • 日本の水道管路は老朽化が進み、法定耐用年数である40年を超えて使用されている水道管は全体の20%にのぼり、その比率は年々増加することが予想されます。全国の水道事業体では老朽化した管路の更新工事を進めていますが、現在のペースでは全ての管路を入れ替えるのに150年程度かかる見通しで、今後ますます老朽化が進むことが懸念されます。
  • 多くの水道事業体は資金不足の問題も抱えていることから、経済的・効率的に将来の漏水事故を抑制できる更新計画の立案が求められています。
  • 現在、多くの水道事業体では管路ごとに老朽度等を診断・評価した結果をもとに、更新工事の優先順位を決定しています。しかしながら、実際の埋設された管路の現地調査をするには多くの費用と労力が掛かり、現地調査なしで高精度に管路の状態を評価する手法が求められていました。これまで管路の評価は、事故率推定式を用いて行われていますが、予測漏水事故件数が実際よりも多く算出され、事業体からは信頼性に欠けるということで敬遠されることも多くありました。
  • また、実際の更新工事は、発注に適した規模(延長、金額等)や工事期間中に止水をするために必要なバルブの位置などを総合的に勘案しながら、それぞれの工事区間を設定する必要があります。多くの水道事業体では技術職員がこの作業を膨大な時間と労力を掛けて行っています。

ねらい

  • クボタでは、1970年代から水道管路の調査を継続し、数多くのデータを蓄積してまいりました。水道管として最も多く使用されているダクタイル鉄管(鋳鉄管)については、東京大学との共同研究により、約6000件の腐食調査データや埋設環境データを分析し、新しい老朽度評価方法を開発しましたが、事故情報が多く蓄積されていない鋼管・樹脂管についても、AI技術を活用し、事故履歴データと公開されているさまざまな地図情報等を基に高精度に漏水事故率を予測するAIモデルを新たに作成しました。これらの手法により、全管種について、現地調査なしで管路の更新優先度を高精度に定量的に表示できるようになりました。
  • 併せて、実際の更新計画の策定にあたっては、工事区間を管路延長や工事費等さまざまな条件を反映して自動で設定するグルーピング技術を開発し、管路単位の更新優先度を工事区間単位の更新優先度に反映させることができるようになりました。
  • このAI技術を活用した老朽度評価方法と適正工事発注グルーピング技術により、管路更新の効果を長期的かつ定量的に評価できるようになり、水道事業体の職員の作業負担を軽減しながら、事業体が目安とする年間の漏水事故件数や耐震化率などを見据えた効率的な更新計画の策定に活用できるようになります。
  • 当社は、事業活動を通じて水道事業の課題解決と持続可能な水道管路の構築に貢献してまいります。また、本手法は株式会社管総研の管路診断サービスにも適用いたします。

高精度な老朽度評価方法の開発

ダクタイル鉄管・鋳鉄管

鋼管・樹脂管

水道管路の更新計画策定を強力に支援

限られた予算の中では、管路の状態を正しく評価し、適切に更新優先順位を決めて効率的・計画的に管路更新を進めることが重要です

【更新計画策定の流れ】

老朽度評価の精度検証結果

更新計画業務にかかる労力・作業時間を大幅に低減

当社が長年蓄積してきた約6,000件の腐食調査データ及び埋設環境データをもとに、機械学習を行い老朽度評価モデルを構築しました。この結果、老朽度の予測精度を大幅に向上させることができました。


適正工事発注グルーピング手法を開発

更新計画業務にかかる労力・作業時間を大幅に低減

現状

  • 管路単位の評価では、更新優先度の高い管路が点在
  • 一定規模の工事区間になるよう職員が手作業で検討


自動グルーピング手法

  • 工事規模に合わせて管路を自動でグルーピング
  • 工事区間は、工事費や管路延長、口径などを任意設定することで自由に作成可能

効率的な管路更新計画策定を支援

高精度な老朽度評価にもとづき、管路の総合評価をグループ単位で行うことで、漏水事故率を抑えながら効率的な管路更新計画を策定


更新率による将来の漏水事故件数予測の例

ご利用に際して

  • 株式会社クボタもしくは株式会社管総研に業務委託していただくようお願いいたします。(成果品はシェープファイルにて納品可能です)
  • 水理・水質・重要度を含んだ管路の総合評価には株式会社管総研が提供するPIPE-next(管網評価支援システム)のデータが必要となります。
  • 事業体で保有されているデータ(漏水事故データ、管体調査データ)を活用可能です。
  • 老朽度評価は、必要となる管路データ(管路の埋設場所、管種の情報、口径、埋設年など)のみで、評価のために再度データをまとめていただく必要はありません。
  • 管体調査と老朽度評価を組み合わせたご依頼にも対応いたします。

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KUBOTA REPORT 2017

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