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クボタ技報 No.54 2021年 1月

クボタはこれまで、「食料・水・環境」の分野で、社会課題を解決し、人々の暮らしを豊かにする製品を世に送り出してきました。今後社会はさらに複雑化し、お客様のビジネス環境もますます変化していきます。今年から始まる5ヵ年の新中期計画では、クボタはさまざまな社会課題を総合的に解決する、技術・製品・サービスを複合したトータルソリューションを提供できる企業になりたいと考えております。そしてそのために不可欠なイノベーションを通じて、食料・水・環境の分野で新しい価値を提供していきます。各分野におけるさまざまな技術開発を集めた技報54号をぜひご一読いただければ幸いです。

機械部門

アグリロボトラクタMR1000Aの開発トラクタ技術第二部/システム開発第一部/車両基礎技術部

日本国内では高齢化にともなう離農者の増加により、農業就業人口が減少し労働力不足が顕在化してきている。また、担い手農家による農地集約や規模拡大が加速しており、効率化や省力化が求められている。これらの課題を解決するため、クボタはスマート農業技術の開発を推進しており、効率化と省力化を支援するための自動運転農機としてトラクタ、コンバイン、田植機を既に市場投入している。そこでクボタは、担い手農家のニーズにより一層応えていくため、これまでのアグリロボトラクタより大型かつ作業汎用性の高いアグリロボトラクタ「MR1000A」を開発した。本稿では「MR1000A」の開発技術について述べる。

  • スマート農業
  • トラクタ
  • 自動運転
  • 制御
  • 検知システム
  • GNSS
関連するSDGs
  • 8.働きがいも経済成長も
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 2.飢餓をゼロに
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

国内向け自脱型コンバインDR6130Aの開発収穫機技術部

日本の農業は、離農や高齢化による農家戸数減少により、担い手農家への農地集約が加速している。担い手農家一戸あたりのほ場面積が拡大しており、農業機械にはさらなる作業効率向上、省人・省力化の実現が求められている。こうした声に応えるため、クボタは130馬力の大型エンジンを搭載し、作業効率を大幅に向上した自動運転アシスト機能付き自脱型コンバイン「DR6130A」を開発した。本稿では①作物適応性を高めた脱穀機の開発、②グレンタンクの側板オープン機構による清掃性向上、③自動運転アシスト機能について述べる。

  • コンバイン
  • 作物適応性
  • 清掃性
  • 自動運転
  • 走行制御
関連するSDGs
  • 2.飢餓をゼロに
  • 8.働きがいも経済成長も
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 12.つくる責任 つかう責任
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

小型田植機AWシリーズの開発移植機技術部

国内田植機の総需要は減少傾向にあるが、小型機の割合は約4割を維持し続ける重要なクラスである。このたびクボタは小型機ユーザの稲作継続意欲の向上及びクボタ田植機の事業量・シェア維持拡大を狙いフルモデルチェンジ機AWシリーズを開発した。小型機ユーザの小規模農家は兼業で高齢者割合が特に高く機械に不慣れなため簡単・安心・楽をコンセプトに多くの自動化機能を搭載させた。本稿では①小型田植機への「スーパーゆう優ターン」機能搭載②多数の新機能を織り込みつつクラス最軽量車体に仕上げた開発技術を紹介する。

  • 田植機
  • 自動化
  • 小規模農家
  • 簡単・安心・楽
関連するSDGs
  • 2.飢餓をゼロに
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 8.働きがいも経済成長も
  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

北米向けローントラクタT90シリーズの開発Turf Engineering Department North America / Turf Engineering Department

近年では乗用芝刈機においてゼロターンモアの人気が高まっているが、北米にはまだローントラクタの大きな消費基盤があることが市場調査で判明し、T80シリーズのモデルチェンジとしてT90シリーズを開発した。導入から月日が経過したT80シリーズの性能や仕様は多くの競合他社より劣っており、競合他社を上回る高品質のローントラクタを開発することで、Tシリーズの売り上げを回復させることが目的であった。フレーム、エンジン、モアデッキ、ステアリング、オペレータ制御など、ほぼすべての要素を設計し直し、T90シリーズを導入した2018年の売上げは2017年の倍以上となった。

  • ローントラクタ
  • 性能
  • 旋回半径
  • 居住性
関連するSDGs
  • 8.働きがいも経済成長も
  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 12.つくる責任 つかう責任
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

歩行型ロータリ除雪機SLA-1070STの開発農業ソリューション技術部/機械研究第二部

国内の積雪寒冷地帯では、冬期間の除雪作業が非常に重労働である。スコップなどで除雪作業を行なっていた一般家庭にも除雪作業の機械化にともない、歩行型ロータリ除雪機が普及している。クボタでも2016年に歩行型ロータリ除雪機スノースラロームシリーズを開発し、順調に販売台数を伸ばしている。しかしながら、除雪作業は出勤前の早朝に作業することが多く近隣住民に対する騒音の配慮が必要になる。また、機械操作に不慣れなユーザが除雪中に縁石などに除雪機をぶつけ、除雪部のシャーボルト(除雪部動力伝達系統の保護ボルト)を折損し、寒い中シャーボルト交換作業をしなければならない。クボタは、このような問題を解決するため、騒音の低減と、除雪部にはぶつけても衝撃を逃がす機構を搭載したスノースラロームSLA-1070STを開発した。

  • 除雪機
  • スノースラローム
  • エンジンカバー
  • ブロワ音低減
  • トルクリミッタ
関連するSDGs
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 12.つくる責任 つかう責任
  • 13.気候変動に具体的な対策を
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

軟弱野菜調製機NC301の開発ポストハーベスト技術部

ホウレンソウ等の軟弱野菜の調製作業(不要な根や子葉、下葉を除去する作業)は、全工程所要労働時間(播種〜出荷)の44%を占め、その作業を雇用労働者による手作業に頼っているが、近年、雇用の確保が困難になりつつある。一方で、軟弱野菜の調製作業は繊細さを必要とするため、従来機は存在するものの、機械化による省人化は困難であった。そこでクボタは、開発機において根の切断精度と子葉・下葉の除去精度を最大限向上させることで、手作業による調製作業の手間を削減し、作業効率の向上につなげることを目標とし、開発に取り組んだ。本稿では、軟弱野菜調製機の特徴や調製作業について説明するとともに、開発技術について紹介する。

  • ホウレンソウ
  • 軟弱野菜
  • 調製
  • 下葉除去
  • 子葉除去
  • 高能率化
関連するSDGs
  • 2.飢餓をゼロに
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 8.働きがいも経済成長も
  • 12.つくる責任 つかう責任
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

アセアン向けトラクタMU4902の開発KUBOTA Research and Development Asia Co., Ltd.

タイは、政府の政策のもと、米作から畑作への移行が進んでいる。作物別収穫面積で最も大きいのはコメであるが、畑作作物(サトウキビ、キャッサバ、コーン)は、タイ政府による米からの転作奨励、また、バイオエタノールの需要の高まりに、収穫面積の増加が予測される。従来の水田向け軽量トラクタから畑作向けに牽引力のある重量のあるトラクタの要望が大きくなってきている。また、他のアセアン諸国を見渡すと、カンボジアは、米(乾田/水田)の二期作に加えてキャッサバが主要作物となっている。ミャンマーやラオスは、米(乾田)に加え、豆やキャッサバが主要作物となっており、畑作向け重量級トラクタの市場が広がっていると考えられる。このような背景の中、KRDAは、アセアンの畑作向けトラクタを開発した。アセアン畑作作業で必要となるトラクタスペックについて明確にし、必要となる開発技術について紹介する。

  • 重量級トラクタ
  • 畑作
  • 作業スピード
  • 燃費
  • 現地開発
関連するSDGs
  • 2.飢餓をゼロに
  • 8.働きがいも経済成長も
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 12.つくる責任 つかう責任
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

高速播種機の開発R&D KVG Soest

近年の気候変化による影響や、播種に最適な期間は短いことから、効率のよい播種作業が求められている。そこで我々は、複数の播種機を使用するのではなく、従来の播種作業速度(7〜9km/h)を大幅に上回る18km/hで作業可能な高速播種機Optima SXを開発した。新機種では、作業速度に加えて播種間隔の精度向上も図っており、そのため種子の播種ディスクへの吸着方式を従来の陰圧式とは逆に陽圧式に変更した。この新構造によりOptima SXは、複雑な機構を必要とせず効率を向上することができた。こうして作業速度を上げることで、30〜40%の作業効率の向上を実現した。今回開発した新技術により、我々はお客様にこの製品を魅力的な価格で提供することを可能にした。

  • 高速播種
  • 播種間隔
  • 遮断装置
  • 陽圧構造
  • 陰圧構造
関連するSDGs
  • 2.飢餓をゼロに
  • 8.働きがいも経済成長も
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

国内向けトラクタ新型SLシリーズの開発トラクタ技術第一部/機械研究第一部

加速する省力化農業のニーズを受け、クボタGS(Go Straight, 直進アシスト機能)農機の第3弾として、新型SLシリーズトラクタにGS機能を搭載し2020年1月に市場投入した。21〜44kW(28〜60 馬力)のキャビン仕様、安全フレーム仕様、パワクロ仕様、ホイル仕様といった豊富なラインナップ、多様なインプルメントへの対応を行い、幅広いニーズに対応した。本稿ではSLトラクタGS仕様で採用した新機能について紹介する。

  • ロボット
  • 自動操舵
  • GNSS
関連するSDGs
  • 2.飢餓をゼロに
  • 8.働きがいも経済成長も
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

03・07・V3 StageVエンジンの開発エンジン技術部

19kW以上56kW未満の出力帯をカバーする03・07・V3シリーズエンジンは、多くの産業機械に搭載されており、クボタ立形水冷ディーゼルエンジンの主力機種となっている。これらのエンジンを展開する欧州では、強化された新たな排出ガス規制(以下「StageV」という)が2019年から施行されている。今回、StageVに対応するとともに、従来機に対する市場要望に応えて製品力を向上した新機種を開発した。本稿では、主な市場要望であるラインナップの拡充、ダウンタイムの短縮を達成するためのアプローチについて述べる。

  • StageV
  • ラインナップ拡充
  • 高出力化
  • ダウンタイム短縮
  • DPF
関連するSDGs
  • 7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 13.気候変動に具体的な対策を
  • 8.働きがいも経済成長も
  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 12.つくる責任 つかう責任
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

粒子数規制対応触媒技術の開発エンジン技術部

地球環境保全の観点から、ディーゼルエンジンには厳しい排出ガス規制が課されている。特に2019年施行の欧州の排出ガス規制(StageV)では、新規に「粒子数規制(Particulate Number規制、以下PN規制)」が課された。PN規制では、エンジン排気部に装備してススなどの粒子状物質(Particulate Matter、以下PM)を捕集するディーゼル微粒子フィルタ(Diesel Particulate Filter, 以下DPF)のさらなる高性能化が求められる。本開発では、PMの捕集性能及び燃焼性に関わるDPFの基材及び触媒をそれぞれ改良して組み合わせることで、エンジン性能及び搭載性を損なわずにPN規制を満たすDPFの開発に成功した。

  • 大気汚染改善
  • ディーゼルエンジン
  • PM2.5
  • 粒子数(PN)規制
  • 排出ガス処理デバイス
  • ディーゼル微粒子フィルタ(DPF)
関連するSDGs
  • 3.すべての人に健康と福祉を
  • 12.つくる責任 つかう責任
  • 2.飢餓をゼロに
  • 7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

北米向けCTL SVL65-2の開発建設機械技術第二部/Kubota North America Corp.

コンパクトトラックローダ(CTL)は、優れた不整地走破性と高い機動性、汎用性を特徴とし、多種多様なアタッチメント作業も可能な、主に北米市場において用いられる小型建設機械である。その市場は、近年も拡大を続けており、クボタも2010年にCTLを発売して以来、順調に販売台数を伸ばしている。今回、ラインナップ拡充のために、クボタCTL史上最軽量モデルとなるSVL65-2を開発した。このSVL65-2では、上位クラスの従来機であるSVL75-2の高い居住性を踏襲したまま大幅に車体質量を減らすことに加えて、SVL75-2を上回る作業機とAUX(3.1.2参照)の高い同時操作性を実現すべく、従来の油圧回路を進化させることで独自のAMV(Advanced Multifunction Valve)を開発した。

  • CTL
  • 質量低減
  • AMV
関連するSDGs
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

小型立乗りコンパクトトラックローダSCL1000の開発Great Plains Manufacturing, LP Engineering

クボタは、成長を続ける小型ユーティリティローダ(CUL)市場に参入するSCL1000を開発しました。スタンドオンスキッドステアとも呼ばれるCULは、従来のスキッドステアローダやコンパクトトラックローダより狭いスペースでの作業が可能なパワーユニットです。北米では、商業用とレンタル用の両方の用途でCUL市場が急成長しており、いくつかの現場で従来のスキッドステアローダにとって代わっています。この市場はクボタにとって新しい市場であり、競合他社機を超えるためのいくつかの技術課題もありました。クボタのSCL1000は、ナローフレームにワイドトラックを備えること、25馬力ターボエンジン、軽量で高ROC、快適で操作性に優れていることなどが特長です。

  • 小型ユーティリティローダ
  • スタンドオンスキッドステア
  • ワイドトラック
  • 高ROC
関連するSDGs
  • 8.働きがいも経済成長も
  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 12.つくる責任 つかう責任
  • 15.陸の豊かさも守ろう
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

塗膜の耐候性評価技術の開発(促進性と相関性の検討)マテリアルセンター 樹脂材料グループ

近年、農機・建機のユーザーにとって、製品の作業性能に加えて、外観品質も購入時の重要な評価ポイントになりつつある。その中で塗装の耐候性能は、外観品質の重要因子である。長く使用される製品の外観が劣化しないようにするためには、塗料種や塗装系を検討するとともに、耐久性(耐候性)を正しく評価することも重要である。しかし、実曝試験では時間が掛かり過ぎることから、実曝試験と相関性の高い促進試験を行う必要がある。今回、キセノン試験装置を用いて試験条件を検討することで、クボタ独自の促進試験条件を決定した。

  • 塗装
  • 外観品質
  • 耐候性
  • 実曝試験
  • 促進試験
関連するSDGs
  • 8.働きがいも経済成長も
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

水・環境部門

フランジレスT字管・補修弁の開発パイプネットワーク技術部/知的財産部

東日本大震災や熊本地震の被害調査において、水道管路の空気弁や消火栓等が設置されるT字管部で多くの被害が確認された。水道管路の耐震化が進む中、T字管の分岐側のほとんどが現在もフランジ継手であり、これらの継手の耐荷重性能や高圧止水性能の不足が、被害の主要因であると考えられた。また、補修弁は空気弁等から突発的に発生した漏水を早急に止水するため極めて重要であり、経年劣化で作動不良やシート面の止水不良が確認された場合には、速やかに交換する必要がある。しかし、不断水で交換するためには、大掛かりな工事が必要となり、工事の難易度が課題となっていた。
これらの課題を解消するため、地震に強い継手性能を有し、また補修弁の交換が容易なフランジレスT字管・補修弁を開発した。

  • T字管
  • 補修弁
  • フランジレス継手
  • 横荷重
  • 高圧止水性能
  • 補修 弁交換工法
関連するSDGs
  • 6.安全な水とトイレを世界中に
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

石油化学プラント用特殊仕切弁の診断技術開発ポンプバルブ製造部/システム先端技術研究所

石油化学プラント用特殊仕切弁(以下、SG-V)は、米国Lummus Technology社のCatofin® Processに世界で2社認定されているバルブ事業の海外向け主力製品である。これまで世界6ヵ国14プラントに製品を納めてきており、世界シェアは60%に至っている。近年、プラント稼働年数の増加に伴い、製品ライフサイクルコストを極小化する予防保全活動が高まりを見せている。ここでは、プラント稼働中にバルブの状態を診断し、適切な時期に適切なメンテナンスを行えるようにするための診断技術を開発した取り組みについて報告する。

  • 石油化学プラント
  • 診断
  • 予防保全
  • 高温
関連するSDGs
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 12.つくる責任 つかう責任
  • 7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

都市ごみ焼却炉の燃焼解析技術の開発水環境開発第一部/水環境開発第三部クボタ環境サービス(株)焼却プラント部

都市ごみ焼却炉の開発において、顧客ニーズである環境性能向上とライスサイクルコスト(LCC)削減を両立した開発を加速するため、燃焼解析技術の活用が必要となった。しかし、解析を実施するに当たって、都市ごみ焼却炉内で発生する複雑な燃焼反応を全て再現するのは困難であること、焼却炉の形状やガス吹込方法の検討に必要な3次元解析は計算時間が非常に大きくなる、という2つの問題があった。そこで、本開発では、都市ごみの模擬試料による燃焼試験、及び燃焼反応の絞り込みを燃焼解析モデルに反映することにより、計算時間を抑えつつ、焼却炉内の熱流動の把握を可能とする燃焼解析技術を開発した。最後に、実炉試験で検証した本技術の有効性について述べる。

  • 都市ごみ焼却炉
  • 燃焼解析
  • 燃焼反応
  • 燃焼試験
  • 3次元解析
関連するSDGs
  • 7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 12.つくる責任 つかう責任
  • 3.すべての人に健康と福祉を
  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 13.気候変動に具体的な対策を
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

ポンプゲートの全速全水位機能と診断機能の開発水環境開発第一部

近年、局地的集中豪雨による浸水被害が増加している。早急な浸水対策が求められる中、短工期、低コストといった利点から、既存の水路に止水ゲートと一体の水中ポンプを設置するポンプゲートが注目されている。一方で、ポンプゲートは条件によっては水位の変動が激しく運転停止頻度が過剰になること、晴天時に水が貯められず管理運転ができないことといった課題がある。クボタは、これまでポンプゲートの普及に貢献してきたが、これらポンプゲートの課題を解決し、より信頼性の高い設備を実現するため、新たな機能を開発した。本稿では開発した全速全水位機能と、空運転にてポンプの健全性を把握できる診断機能に関して、その内容と有効性について述べる。

  • 局地的集中豪雨
  • 浸水対策
  • ポンプゲート
  • 水中ポンプ
  • 管理運転
関連するSDGs
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 13.気候変動に具体的な対策を
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

浄水用セラミック膜ろ過装置(フィルセラHD)の開発水環境開発第二部/水環境開発第一部環境プラント設計調達部/水環境ソリューション開発部

河川表流水を原水とする浄水場では、近年の気候変動に伴う急激な原水濁度の変動への対応を求められている。更に東日本大震災の経験から、大規模地震への備えも重要視されるようになった。その一方で、人口減少による水道料金収入の減少や技術職員の不足が深刻となっている。これらを背景に、厚生労働省は新水道ビジョンの中で「安全」「強靭」「持続」を水道の理想像として掲げている。クボタはこれを実現するため に、浄水処理を自動化しやすいという膜ろ過法の特徴を更に活かせるように、原水の濁度変動への対応力を飛躍的に向上させたセラミック膜ろ過装置(フィルセラHD)を開発した。本稿では、この装置の設計思想や性能・耐久性の評価などについて紹介する。

  • 浄水
  • セラミック膜
  • 膜ろ過
  • 高濁度
  • 安定運転
  • 逆洗
  • 耐久性
  • 耐震性
関連するSDGs
  • 3.すべての人に健康と福祉を
  • 6.安全な水とトイレを世界中に
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

樹脂製排水集合管の開発(株)クボタケミックス 研究第一部

建築業界では、人手不足による人件費の高騰、熟練工の高齢化、建築コストの削減等多くの課題に直面している。クボタグループでは、このような課題解決のために、延焼防止機能を備えた鋳鉄製排水集合管や樹脂製排水立て管の開発に取り組み、排水立て管や排水横管に、安価で施工性の良い塩ビ管の使用を可能としてきた。近年、市場のニーズは更に進んで、防火区画を貫通する鋳鉄製排水集合管の樹脂化を含めた、排水配管全ての樹脂化が求められるようになってきている。本稿では、排水管のオール樹脂化を目指した樹脂製排水集合管の開発について報告する。

  • 排水管
  • 耐火性能
  • 防火区画
  • 遮音
関連するSDGs
  • 8.働きがいも経済成長も
  • 12.つくる責任 つかう責任
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

紹介記事

  • 浸水災害の復旧に貢献する排水ポンプ車の紹介
  • 双葉町減容化施設における廃棄物処理事業の紹介

新製品紹介

  • 高集積型液中膜ユニットSP900-A