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スマート農業用水管理システムで水田の水位を自動制御 農林水産省の国営ICTモデル事業の一環として山形県内で導入

2021年6月24日
株式会社クボタ

株式会社クボタ(本社:大阪市浪速区、代表取締役社長:北尾裕一、以下「当社」)は、河川から農業用水をくみ上げる既設の揚水ポンプと、水田の給水栓を電動で操作する装置「WATARAS」を連動させて水田の水位を自動制御できる「スマート農業用水管理システム」を、山形県鶴岡市の国営赤川二期農業水利事業(東北農政局)区域の現地に納入し、本年4月から通水試験を開始しました。ポンプも連携して水田の水位を大規模に自動制御するシステムは国内初(※当社調べ)で、現在、導入効果の調査が行われています。

  • WATARASとポンプ場

1.「スマート農業用水管理システム*1」の概要 

  • 河川から揚水ポンプでくみ上げられた農業用水は、パイプラインを通して各水田に届けられます。各水田の水の入り口には給水栓が設置してあり、その開閉で水田の水位を調節します。
  • 当システムでは、当社のIoTソリューションシステム「KSIS*2」を介して、既設の揚水ポンプと各水田の給水栓に設置した「WATARAS*3」を連動させて自動で水田の水位を制御します。
  • 水田の水管理は移動時間を含めて農家の大きな負担となっており、ポンプも連動させた自動制御により、大幅な省力化に加え、省エネや水資源の有効活用が可能になります。
  • 農研機構の研究では、WATARASを活用すれば、水管理に要する労働時間が約8割削減、出穂から収穫までの用水量は約5割減少するというデータが出ています。
  • 今回の対象エリアは約32haで、ポンプ場1カ所とWATARAS117台を連動させ、KSISがWATARASによる各水田の水位情報などを集計・演算して揚水ポンプの運転を自動制御します。また、揚水ポンプの運転状態や各水田の給水栓開閉状況、水位不足の情報をKSISのウェブサイトでリアルタイムに表示します。
  1. *1.詳細は、当社ホームページをご覧ください。
    https://agriculture.kubota.co.jp/product/kanren/wataras/wataras_ksis/
  2. *2.KSIS(クボタスマートインフラストラクチャシステム):さまざまな水環境インフラ施設や機器を遠隔監視・診断・制御するクボタ独自のクラウドシステムです。2003年にサービスを開始して以来、全国の上下水道施設を中心に3000以上の施設に導入されています。
  3. *3.WATARAS(ほ場水管理システム):既設の給水栓などに取り付け電動で開閉することで、水田の水管理をスマートフォンやPCでモニタリングしながら、遠隔操作または自動で制御できるシステムです。水位の年間スケジュールを登録して、ほ場(水田)ごとに最適水位を自動で管理することも可能です。

2.今後の展開

豪雨の際に一時的に雨水を水田に貯水して下流河川への急激な増水を緩和する「田んぼダム」が水害軽減策の一つとして全国で注目されています。WATARASは給水だけでなく排水も制御できる特徴を持っており、その特徴を利用して田んぼダムにも活用することも検討しています。

  • 【ポンプ場画面】

    ポンプの運転状態、バルブ開度、流量をリアルタイムに監視

  • 【ほ場給水栓マップ画面】

    各ほ場の給水栓開閉状況と水位不足のほ場が一目で判別可能

  • 【WATARASの設置状況】

製品に関するお問い合わせ先

株式会社クボタ 水環境営業推進部 KSIS推進室(TEL.03-3245-3070)

以上

ニュースリリースに記載されている情報は発表時のものであり、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承下さい。

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