東南アジアでパーム油廃液処理事業を拡大 パーム油廃液から回収したバイオガスを使用し発電
2015年3月19日
株式会社クボタ(本社:大阪市浪速区、社長:木股昌俊、以下、「当社」)は、現在、マレーシア・インドネシアでパーム油廃液処理設備の導入により、パーム油製造企業の環境保全活動の推進に貢献しています。 このたび、マレーシアにおいて、パーム油搾油工程で発生する廃液から回収したバイオガスを使用して発電し、売電収入によってパーム油廃液処理設備の初期投資を回収する事業を新たに開始します。
当社はパーム油廃液処理設備の建設からバイオガス発電まで幅広く手掛け、パーム油廃液処理事業(バイオガス事業)の更なる拡大を目指します。
記
1.概要
○内容 | 特定目的会社(以下「SPC」)にて、パーム油搾油工程で発生する廃液から回収したバイオガスを使用して発電し、売電します。売電収入により、パーム油廃液処理設備導入の初期投資を回収するスキームを提案します。 |
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○会社名 | BIOGAS SULPOM SDN.BHD. マレーシアでパーム油製造販売事業を行うSUL社が売電を目的として、2013年7月に設立したSPCに今回当社が出資します。 |
○資本金 | 280万マレーシアリンギット (約8700万円) |
○出資比率 | クボタ49%、SUL社41%、AQUAKIMIA社10% |
○出資時期 | 2015年3月 |
○所在地 | マレーシアセランゴール州デンキル市 |
2.背景
- マレーシア、インドネシアの重要輸出産品であるパーム(あぶらヤシ)油の製造工場から排出される廃液は、ため池(オープンラグーン)で処理される施設が多く、地球温暖化ガス(メタンガス)の大気放散や水質汚染が発生し、環境改善が大きな課題となっています。
- 近年パーム油の消費者側からの環境保全要求が高まっており、生産者であるパーム油製造企業はパーム油廃液のバイオガス回収設備*1と排水処理設備*2を導入し、環境保全対策に着手しております。
- 当社は2012年10月にパーム油廃液処理設備をマレーシアで初受注し、現在提案活動を継続しておりますが、バイオガス回収設備と排水処理設備への初期投資は、特に中小規模のパーム油製造企業にとって、大きな負担となっています。
- パーム油製造企業の資金負担を軽減するため、当社はパーム油搾油工程で発生する廃液から回収したバイオガスを使用して発電し、売電収入によって初期投資を回収するスキームを提案します。
- 発電事業を行うSPCを通じてパーム油製造企業の環境保全対策を円滑に進めることで、再生可能エネルギーを活用した環境保全活動の推進に貢献します。
- *1.パーム油廃液からバイオガスを回収する設備
- *2.バイオガス回収後の廃液を更に浄化して水質規制を守る設備
3.発電事業のスキーム
4.これまでの受注実績
- (1)マレーシア
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BBC Biogas Sdn.Bhd.向け、バイオガス回収設備・排水処理設備 1基
- (2)インドネシア
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Asian Agri Group向け、バイオガス回収設備 5基
- 発電は今回から新規に取り組みます。
5.今後の展開
- 当社はパーム油廃液処理の事業活動を通じてノウハウを蓄積することにより、今後、プラント建設から運転・維持管理まで一括受注できる体制を構築し、アジアでのバイオガス事業を更に拡大していく考えです。
- 食料・水・環境問題の解決に取り組む当社は、今後もパーム油廃液の処理に積極的に取り組み、環境改善や再生可能エネルギーの活用促進に貢献します。
<ご参考>
【SUL社の概要】
(1)社名 | Seri Ulu Langat Palm Oill Mill Sdn.Bhd. |
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(2)所在地 | マレーシア セランゴール州セパン市 |
(3)設立 | 1979年 |
(4)資本金 | 780万マレーシアリンギット (約2億4300万円) |
(5)事業内容 | パーム油の製造・販売 |
【AQUAKIMIA社の概要】
(1)社名 | AQUAKIMIA SDN.BHD. |
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(2)所在地 | マレーシア セランゴール州スバン・ジャヤ市 |
(3)設立 | 1989年 |
(4)資本金 | 100万マレーシアリンギット (約3100万円) |
(5)事業内容 | 水処理機器の販売・エンジニアリング |
以上
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