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マイクロソフトのウェアラブル端末をポンプメンテナンスに活用する実証実験について 先進ICTで災害に強い水インフラ整備に貢献

2020年7月29日
株式会社クボタ

クボタ機工株式会社(株式会社クボタ100%子会社、本社:大阪府枚方市、社長:前田 勝弘)は水インフラの要であるポンプ場のメンテナンスに、マイクロソフト社のMR(Mixed Reality:複合現実)デバイス ”HoloLens2(ホロレンズ2)”を活用する実証実験を行っております。近年巨大化する台風や集中豪雨などによる水害からの復旧を迅速化し、また平時においても整備従事者の高齢化・人手不足などの課題の解消をめざします。

クボタグループはこれまで培ってきたインフラ整備のノウハウに、先端のICTを積極的に組み合わせることで、効率的で持続的な水環境インフラの構築に貢献してまいります。

  • HoloLens2を着用し、異常診断の指示を受ける作業者

1.取り組みの背景と概要

  • クボタ機工は排水機場施設や上下水道ポンプ施設の維持管理を主たる業務とする企業です。
  • 近年、台風の巨大化や多発する集中豪雨により各地で水害が頻発しており、その被害が深刻になっています。
  • 排水機場におけるポンプは大雨の際に河川の水量をコントロールする役割を果たしますが、その整備現場では人手不足とノウハウ伝承が課題になっています。
  • これらの課題解消に向けて、クボタ機工はHoloLens2を活用してポンプ場の維持運営をサポートするための実証実験に取り組んでいます。
  • 作業者が運転操作時や点検・メンテナンス時にHoloLens2を装着することで、眼前のディスプレイに正しい作業方法のガイダンスが映し出され、非熟練者でも正確かつ迅速に作業を行うことができます。
  • 実証にあたっては、マイクロソフト社とソフトウェア開発に豊富な知見を持つアバナード社をパートナーに迎えています。

2.HoloLens2導入のメリット

HoloLens2はマイクロソフト社独自のMR技術で、現実空間と3Dグラフィックなどで作られた映像や画像(ホログラム)を複合して表示できるデバイスです。クボタは今年始め、マイクロソフト社と戦略的パートナーシップを結んでおり、その一環としてHoloLens2の活用を進めています。

  • HoloLens2着用時の視界イメージ。
    スパナをあてる位置と回す方向がCGで示される

  • 作業手順が書かれたウィンドウが立ち上がる

(1)非常時における迅速な運転サポート

水災害の発生時にポンプ設備の稼働が遅れて排水が追いつかず、浸水の範囲が拡大する場合があります。クボタ機工のエンジニアが現地に到着するのを待たずに、HoloLens2を装着した操作員に、遠隔で操作指示を送ることで迅速な対応が可能になります。

(2)操作員減少への対策

自治体職員の減少に伴って、操作員が常駐できないポンプ場が増加しています。緊急時に無人のポンプ場に駆けつける操作員に対しても、HoloLens2によって適切な作業指示を瞬時に行うことができるようになります。

(3)ノウハウの伝承

自治体や委託業者では操作員の高齢化により、ノウハウ伝承が大きな課題になっています。HoloLens2によるガイダンスは作業の標準化と、管理品質の向上に貢献します。

(4)整備情報の一元管理

クボタ機工では整備で得た部品の劣化度合などの情報を元に、ポンプ場の運営者にアドバイスを行っています。HoloLens2の導入により整備来歴情報が一元化されることで、より適切なタイミングで設備の更新などのご提案ができるようになります。

3.ご参考

<アバナード株式会社について>

アバナード社はマイクロソフトとアクセンチュアのジョイントベンチャーとして2000年に米国で設立されました。AIやIoTなど幅広いテクノロジー領域でソリューション提供の豊富な実績を備えています。本案件では、ポンプメンテナンス作業におけるベストなソフトウェアの開発を支えています。

以上

ニュースリリースに記載されている情報は発表時のものであり、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承下さい。

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