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クボタ技報 No.58 2025年 12月

世界は複雑化する社会課題解決のため、新しい社会をめざしています。それは、工業化社会、情報化社会を経て、「サイバー空間とフィジカル空間の高度融合により、経済発展と社会課題解決が両立した社会 Society 5.0」です。この実現に向けて、クボタは、これまで培ってきた鋳物や農建機、電子制御技術に加え、ICT・AI・電動化などの新しい技術にも取り組んでいます。クボタ技報58号では、お客様の作業効率を向上させた乗用管理機・ユーティリティビークル・田植機、施工性を向上させた新耐震型ダクタイル鉄管、解析技術を活用して開発したキャビンエアコンの快適性向上技術、産官学連携によって開発に取り組んだ感染動向モニタリングシステムなどの記事を掲載しています。ぜひご一読ください。

機械部門

国内向け乗用管理機 NRシリーズの開発トラクタ技術第一部機械研究開発第三部

国内の農業において、消費者の『食の安心・安全』への意識が高まり、減農薬化が求められている。減農薬化には中間管理作業が重要となるが、これは人手と労力が伴う作業であり、中間管理作業における作業の効率化・省力化が課題となっている。この課題解決に向けて、クボタではトラクタをベースに開発した乗用管理機を市場投入し、作業の効率化を行った。本稿ではこの乗用管理機に関する開発技術を紹介する。

  • 乗用管理機
  • 4輪操舵
  • 操作性
  • 電子制御
  • 安心機能
関連するSDGs
  • 2 ZERO HUNGER
  • 9 INDUSTRY, INNOVATION AND INFRASTRUCTURE
  • 12 RESPONSIBLE CONSUMPTION AND PRODUCTION
  • 16 PEACE, JUSTICE AND STRONG INSTITUTIONS
  • 17 PARTNERSHIPS FOR THE GOALS

ロングベッドユーティリティビークルRTV-X1130の開発Kubota Research & Development North America Corporation

RTV-X1130は、RTVシリーズのラインアップ拡充を目的に導入された派生モデルである。本モデルは、ロングベッドモデルの大型積載容量を求める作業重視の顧客向けに開発された。また、モデルの機能性を拡張する複数のアクセサリーも同時に提供された。本モデルは好評を得ており、作業重視の顧客からニーズに応えるモデル購入の選択肢として高く評価されている。販売開始初年度において、RTV-X1130の出荷台数は当初の計画を30%以上上回った。

  • ロングベッドユーティリティビークル
  • 開閉式サイドゲート
  • カーゴウィンチ
関連するSDGs
  • 2 ZERO HUNGER
  • 8 DECENT WORK AND ECONOMIC GROWTH
  • 9 INDUSTRY, INNOVATION AND INFRASTRUCTURE
  • 15 LIFE ON LAND
  • 16 PEACE, JUSTICE AND STRONG INSTITUTIONS
  • 17 PARTNERSHIPS FOR THE GOALS

MBD連携5軸台上設備評価技術の開発機械研究開発第三部機械研究開発第五部

近年、トラクタ市場においてはCVT化をはじめ、高機能化、高速化、低燃費化が求められている。これに伴い、トランスミッション(T/M)の高度化・複雑化に対応するため、T/M性能開発の加速が求められている。本研究では、5軸台上設備(車軸4軸、PTO軸)を導入し、車両運動シミュレーションをダイナモ4軸と連携させることにより、車両走行の台上試験を可能にした。また、PTOダイナモと油圧負荷ユニットを連携させ、作業機への動力・油圧供給による負荷を再現することで、欧州燃費試験を再現する手法を確立した。これにより、開発効率の向上が期待されるとともに、ひいてはクボタのトラクタ性能と市場競争力の向上につながる。

  • トラクタ
  • パワートレイン
  • 操縦性
  • 燃費
  • 台上試験
  • MBD
関連するSDGs
  • 2 ZERO HUNGER
  • 7 AFFORDABLE AND CLEAN ENERGY
  • 9 INDUSTRY, INNOVATION AND INFRASTRUCTURE
  • 16 PEACE, JUSTICE AND STRONG INSTITUTIONS
  • 17 PARTNERSHIPS FOR THE GOALS

キャビンエアコン快適性向上技術の開発解析センター

本研究では、農業機械のキャビン内の温熱快適性を向上させる技術を開発した。農業従事者の減少に伴い、作業者の負担が増加している現状を踏まえ、キャビン内の快適性の向上が必要である。そこで、快適感を特定・予測し、効率的に向上させることを目指した。具体的には、SET*指標を用いて快適範囲を特定し、解析技術を駆使してキャビン内の熱収支を計算し、快適性を予測する技術を構築した。さらに、人間工学に基づいたエアコンダクトを提案し、快適性と省エネの両立を実現した。これにより、農作業の生産性の向上と、CO2排出量を削減し、環境負荷低減に貢献することが期待される。

  • 流体解析
  • 温熱快適性
  • カーボンニュートラル
  • トラクタ
  • コンバイン
関連するSDGs
  • 2 ZERO HUNGER
  • 7 AFFORDABLE AND CLEAN ENERGY
  • 8 DECENT WORK AND ECONOMIC GROWTH
  • 16 PEACE, JUSTICE AND STRONG INSTITUTIONS
  • 17 PARTNERSHIPS FOR THE GOALS

国内向け乗用田植機NW60S/80Sの開発移植機技術部

国内農業従事者の減少と高齢化が進み、より一層の担い手農家への集約が進んでいる。担い手のニーズに応えるため、現行シリーズでは田植機の基本性能の向上を目指して開発を行った。更なる取り組みとして、「使いやすさ」と「作業能率」の向上をコンセプトに、「直進キープ機能の使いやすさの向上」と「苗補給作業の作業能率向上」に着目したNWシリーズの後継機種の開発について紹介する。

  • 田植機
  • 直進キープ機能
  • 苗の補給作業
  • 使いやすさ
  • 作業能率
関連するSDGs
  • 2 ZERO HUNGER
  • 8 DECENT WORK AND ECONOMIC GROWTH
  • 12 RESPONSIBLE CONSUMPTION AND PRODUCTION
  • 16 PEACE, JUSTICE AND STRONG INSTITUTIONS
  • 17 PARTNERSHIPS FOR THE GOALS

EURO5+規制に適合したZ482-Kの開発エンジン技術第一部

欧州には運転免許不要で公道走行が認められている四輪車 (クアドリシクル)市場がある。クボタはクアドリシクルを生産しているメーカーにメカ式Z482を供給しており、2024年に1.7万台のエンジンを出荷している。そのクアドリシクルにおいて車両排出ガス規制となるEURO5+規制が2025年1月に施行された。EURO5+規制は、NOxでEURO4比84%、PMで同比94%の低減が必要となる非常に厳しい規制である。EURO5+規制に適合するため、メカ式Z482をベースに電子制御化し、車両搭載性やコスト競争力を考慮して必要最小限の排出ガス低減デバイスのマッチングで規制適合を目指す必要があった。そこで、排出ガス低減デバイスはDOCとEGRシステムとし、シンプルでコンパクト、コスト競争力のあるEURO5+規制適合エンジンを開発した。本稿では、EURO5+規制適合に向けて2気筒エンジンに最適な電子制御燃料噴射システムの開発と燃焼室形状の最適化による燃焼改善、2気筒エンジンに最適なEGRシステムの開発について紹介する。

  • Z482-K
  • TVCR
  • 電子制御
  • 車両排出ガス
  • EURO5+規制
関連するSDGs
  • 7 AFFORDABLE AND CLEAN ENERGY
  • 9 INDUSTRY, INNOVATION AND INFRASTRUCTURE
  • 11 SUSTAINABLE CITIES AND COMMUNITIES
  • 16 PEACE, JUSTICE AND STRONG INSTITUTIONS
  • 17 PARTNERSHIPS FOR THE GOALS

1D-CAEとAIによる排出ガス予測技術の開発エンジン技術第三部

オフロードディーゼルエンジンに対する排出ガス規制は年々強化されており、従来の試作・試験を繰り返す開発手法では膨大な工数を要する。そこで、排出ガス試験サイクルをシミュレーションで模擬し、規制対象成分であるNOx/Sootの排出量を予測する技術を開発した。また、エンジン・ECU・排出ガスモデルを統合した1D-CAE(一次元シミュレーション)モデルを構築し、任意の運転条件におけるエンジン挙動を再現した。特に物理モデルの構築が困難なSootについては、機械学習を組合せることで予測を可能にした。

  • 1D-CAE
  • 排出ガス規制
  • ディーゼルエンジン
  • 機械学習
  • シミュレーション
関連するSDGs
  • 7 AFFORDABLE AND CLEAN ENERGY
  • 9 INDUSTRY, INNOVATION AND INFRASTRUCTURE
  • 11 SUSTAINABLE CITIES AND COMMUNITIES
  • 16 PEACE, JUSTICE AND STRONG INSTITUTIONS
  • 17 PARTNERSHIPS FOR THE GOALS

監視制御システム 次世代型CraftPatの開発計測システム部

クボタが開発した監視制御システム「CraftPat」は、施設の稼働状態やプロセスデータなどの現場データを一元管理し見える化するソリューションを提供している。これにより、オペレータの負担軽減、コスト削減、運用の効率化、エネルギー管理、品質管理など様々な現場の課題解決に貢献してきた。今回、顧客ニーズの多様化および高度化に対応するため、製品の次世代化を図った。従来の高速監視性能は維持したまま、将来的に必要とされるAI制御やデータ分析を見据えた拡張性強化、クライアントのマルチプラットフォーム対応、さらには帳票機能の改良やセキュリティ強化を実現した。

  • 監視制御システム
  • 遠隔監視
  • SCADA
  • 見える化
  • Web
  • ソフトウェア開発
関連するSDGs
  • 7 AFFORDABLE AND CLEAN ENERGY
  • 9 INDUSTRY, INNOVATION AND INFRASTRUCTURE
  • 12 RESPONSIBLE CONSUMPTION AND PRODUCTION
  • 16 PEACE, JUSTICE AND STRONG INSTITUTIONS
  • 17 PARTNERSHIPS FOR THE GOALS

水・環境部門

新耐震型ダクタイル鉄管GENEX(呼び径500~1000)の開発パイプネットワーク技術部パイプシステム品質保証部

国の施策として、基幹管路の耐震化の推進については高い目標が掲げられている。これまで呼び径500~1000の重要な基幹管路では、優れた強靭性、耐震性を有するNS形ダクタイル鉄管が、多くの事業体で採用されてきた。NS形管がこのように広く普及するのに伴い、更なる施工性向上への要望を数多く頂いていた。また、水道予算の減少に伴い、より低コストでの耐震管路の構築も求められている。
そこで、これらの要望に応えるべく、NS形ダクタイル鉄管と同じ耐震性能を有し管路布設費の低減、より簡易に接合できる新たな呼び径500~1000耐震型ダクタイル鉄管「GENEX」を開発した。

  • 耐震型ダクタイル鉄管
  • 施工性向上
  • 管路布設費低減
  • 環境負荷低減
  • メタルタッチ構造
  • 管下ボルトレス押輪
関連するSDGs
  • 6 CLEAN WATER AND SANITATION
  • 9 INDUSTRY, INNOVATION AND INFRASTRUCTURE
  • 11 SUSTAINABLE CITIES AND COMMUNITIES
  • 15 LIFE ON LAND
  • 16 PEACE, JUSTICE AND STRONG INSTITUTIONS
  • 17 PARTNERSHIPS FOR THE GOALS

浄水向け凝集沈澱制御システムの開発水環境研究開発第二部

浄水場の運転管理の省力化・省人化を図るために、機械学習を活かした凝集剤注入率の予測演算技術と凝集状態の良否判定技術を組み合わせた制御システムを開発した。凝集剤注入率の予測演算では、更新型の回帰手法を採用してベテラン水道技術者並みの設定精度を実現する。凝集状態の良否判定では、独自開発の凝集状態監視装置で凝集状態を常時監視して良否を判定し、許容できない水質悪化を防止する。さらに、浄水場の運転管理支援ツールとして、取水流域の気象情報と機械学習による原水濁度の予測演算技術も搭載した。本システムを用いて猪名川浄水場を対象に実地検証を行った結果、良好に機能することを確認しており、安心して実運用に資することを示した。

  • 浄水処理
  • 凝集剤
  • 注入制御ステム
  • 原水濁度予測
  • 機械学習
関連するSDGs
  • 6 CLEAN WATER AND SANITATION
  • 9 INDUSTRY, INNOVATION AND INFRASTRUCTURE
  • 16 PEACE, JUSTICE AND STRONG INSTITUTIONS
  • 17 PARTNERSHIPS FOR THE GOALS

下水サーベイランスによる感染動向モニタリングの開発水環境研究開発第二部次世代研究第三部

下水サーベイランスは、集水域の人々から排出された病原性微生物の濃度を測定することで感染症の流行状況を把握する手法である。感染症に対してレジリエンスのある社会を実現するという社会課題を解決するために、学際研究を活用した下水サーベイランスの社会実装事例を報告する。本開発では、自治体、学際的な専門家、クボタが連携し、市民及び医師会の皆様から意見や要望を収集しながら、開発コンセプトの検討や技術開発に取り組んだ。これまでの研究の成果により下水サーベイランスの情報を市民の皆様に対して効果的に公表できる体制が整いつつある。

  • 下水サーベイランス
  • 学際研究
  • 下水道
  • 感染症対策
関連するSDGs
  • 3 GOOD HEALTH AND WELL-BEING
  • 16 PEACE, JUSTICE AND STRONG INSTITUTIONS
  • 6 CLEAN WATER AND SANITATION
  • 9 INDUSTRY, INNOVATION AND INFRASTRUCTURE
  • 12 RESPONSIBLE CONSUMPTION AND PRODUCTION
  • 17 PARTNERSHIPS FOR THE GOALS

高温排水(主に業務厨房排水)向けポリプロピレン管・継手の研究開発株式会社クボタケミックス商品開発部

建築設備市場においては、給水・給湯配管、空調配管、排水配管が主要市場であり、現在は金属管が主流である。ユーザーニーズのヒアリングにより、重量のある金属管から、軽量で施工性の良い樹脂管の開発を要望されるケースが多いことがわかった。その中でも厨房排水市場では、耐熱性、耐薬品性、低伸縮性が要求されるが、クボタケミックス製品においてこれらすべてを満足する製品はなかった。本報告ではこれらの要求性能を満たす樹脂管・継手の開発について報告する。

  • パイプ
  • ガラス繊維
  • ポリプロピレン
  • 耐熱性
  • 耐薬品性
関連するSDGs
  • 8 DECENT WORK AND ECONOMIC GROWTH
  • 9 INDUSTRY, INNOVATION AND INFRASTRUCTURE
  • 6 CLEAN WATER AND SANITATION
  • 11 SUSTAINABLE CITIES AND COMMUNITIES
  • 16 PEACE, JUSTICE AND STRONG INSTITUTIONS
  • 17 PARTNERSHIPS FOR THE GOALS

紹介記事

  • KSIS BLUE FRONT設備モニタリングシステム「KEMOS」の紹介

新製品紹介

  • フラット設置タイプ・防水タイプ 電動アクチュエータ「ほ場水管理システムWATARAS」