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溶融分離技術により3種類のPFAS(PFOS,PFOA,PFNA)を99.999%以上の高効率で分解

2026年6月16日

株式会社クボタ

株式会社クボタ(本社:大阪市北区、代表取締役社長 CEO:花田 晋吾、以下「当社」)は、PFAS(ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物)のうち、PFOS,PFOA,PFNAの3種類を対象に、当社が開発・提供する溶融分離技術による分解処理について実証試験を実施しました。その結果、3種類いずれも国際的に環境上適正とされる分解効率99.999%以上を達成し、本技術がPFAS含有廃棄物の適正処理に有用であることを確認しました。なお、本試験結果は、環境省および同省が招聘した専門家により、同省の技術的留意事項*1に示されたPFOSおよびPFOAの分解効率と管理目標参考値を満たすことが確認されています。

  1. *1 環境省「PFOS 及びPFOA 含有廃棄物の処理に関する技術的留意事項」(2022 年9 ⽉策定)

1.PFASについて

  • PFASは、撥水性・撥油性・耐熱性などの優れた特性から幅広い用途で使用されてきましたが、PFOS,PFOAなど一部の種類は自然環境中での長期残留や健康影響への懸念から残留性有機汚染物質(POPs)に指定され、各国・地域において管理や処理方法の検討が進められています。
  • 国際基準であるバーゼル条約の技術ガイドラインにおいて、POPsの環境上適正とされる分解効率は99.999%以上と定められています。水処理用活性炭などの吸着剤・各種産業廃棄物・下水汚泥などはPFASを含有する可能性があることが指摘されているほか、泡消火剤や工場排水などにより土壌が汚染される事例も報告されており、この要件を満たす処理方法の確立は喫緊の課題です。

2.当社の溶融分離技術について

  • 当社の溶融分離技術は、国内において40年以上にわたり廃棄物の処理および資源循環に実用されてきました。回転式表面溶融炉を用いて焼却灰や廃棄物を高温で溶融処理することで減容化・無害化するとともに、鉱物・金属成分はスラグとメタルとして再資源化することができます。各種廃棄物由来のスラグは路盤材などの土木資材として利用されており、下水汚泥由来のスラグはリンを含むことから肥料として登録されています。また、メタルには鉄や銅、金や白金といった貴金属類などが含まれ、製錬原料として再利用されています。
  • 溶融炉内の温度は、通常の運転において1,250~1,400℃に達し、PFASの分解処理方法の一つとして推奨される1,100℃以上を上回ります。このことから当社では、本技術がPFAS含有廃棄物の適正処理に有用であると考え、これまでにPFNAを対象に実証試験を行い、99.999%以上の高効率で分解できることを確認していました(2026年1月発表)。
  • 溶融分離技術による有害物質分解と分離・資源化の仕組み

3.試験内容と結果

  • 今回の試験では、環境省の技術的事項に準じて、PFNAに加えPFOS,PFOAについて、溶融分離技術による分解処理を試みました。実運用を想定し通常の運転と同じ条件下で、3種類のPFASを混合した試料を溶融炉に投入して処理し、投入物および排出されたスラグ・飛灰・排ガスを採取し、PFAS含有濃度を分析しました。そのうえで投入・排出されたPFASの量を算定し、分解効率などを評価しました*2
  • その結果、分解効率*3はPFOSが99.9992%、PFOAが99.9994%、PFNAが99.9994%超であり、排ガス単体を評価対象とする分解除去効率*4は3種類とも99.9999%超となりました。また、スラグ・飛灰・排ガスのいずれにおいても、各PFASの濃度は管理目標参考値*5未満でした。
  • なお、併せて実施した米国環境保護庁の分析方法*6に基づく評価においても、分解効率は同等となり、高度分解の指標となる揮発性PFAS(C2F6)についても検出下限値未満でした。
  • これらの結果から、3種類のPFASはいずれも分子構造レベルで分解されたことが確認できました。
  1. *2 環境省の技術的留意事項は、PFOSおよびPFOAを対象としているが、PFNAについても同技術的留意事項に準じて評価した。
  2. *3 分解効率=(各PFAS投入量-スラグ、飛灰、排ガス中の各PFAS合計量)÷各PFAS投入量×100(単位:%)
  3. *4 分解除去効率=(各PFAS投入量-排ガス中の各PFAS合計量)÷各PFAS投入量×100(単位:%)
    バーゼル条約の技術ガイドラインにおいて、POPsの環境上適正とされる分解除去効率は99.9999%以上が要件である。
  4. *5 スラグ・飛灰などの処理残さ:5μg/kg-dry、排ガス:60ng/㎥N
  5. *6 EPA Method 1633AおよびOTM-45,OTM-50を適用。環境省の技術的留意事項とは主に排ガス採取方法が異なり、高度分解の指標物質である揮発性PFASも分析対象に含む。

4.今後の展望

  • 当社は今後、本技術について、PFAS規制の強化が進む米国や欧州、アジアなどの国内外でパートナーシップを築き普及を推進するとともに、ビジネスモデルの構築をめざします。
  • 特に、米国では、PFAS含有への懸念から一部の州で下水汚泥の農地還元を規制する動きもあることから、PFASのリスク低減とリン資源の循環の実現に向け、提案活動を進めてまいります。
  • 本技術の普及を通じて、国内外において資源循環と廃棄物の適正処理に貢献してまいります。

ご参考

以上

ニュースリリースに記載されている情報は発表時のものであり、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承下さい。

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