2013年11月13日
インドネシアでパーム油廃液処理設備を初受注
~膜技術を利用し、バイオガス回収で環境改善・再生可能エネルギー活用に貢献~
株式会社クボタ(本社:大阪市浪速区、会長兼社長:益本康男、以下、「当社」)は、インドネシア共和国スマトラ島において、パーム油搾油プロセスで発生する廃液からバイオガスを回収する設備5基を、地元工事会社との共同企業体にて受注致しました。今回は昨年10月のマレーシア・サラワク州での初受注に続く第2号案件であり、インドネシアでは初めての受注となります。
記
1.受注案件概要
○契約日 | 2013年8月末契約 |
○契約先 | Asian Agri Group※(同グループのパーム油製造子会社4社との個別契約。) |
○設備内容 | バイオガス回収設備一式 ①原料貯留槽 ②発酵槽 ③膜分離槽 ④制御設備 (バイオガスを利用して発電し、搾油工場内設備の動力源として自家使用されます。) |
○納入場所 | インドネシア共和国スマトラ島 合計5プラント ①中部 Jambi州(1プラント) ②北部 Sumatera Utara州(2プラント) ③中部 Riau州(2プラント) |
○処理規模 | 廃液処理量:420m3/日(1プラント当たり) |
○発電量 | 1.2MW×5ヶ所 合計 6MW |
○稼働開始 | 2014年4月以降順次稼働を開始する予定 |
○受注金額 | 総額約13億円(当社はプラント設計・機器調達・施工監理を担当) |
インドネシアの大手パーム油企業グループ。16万Haのプランテーション、19ヶ所の搾油工場を保有。
2.背景
- インドネシア、マレーシアの重要輸出産品であるパーム(あぶらヤシ)油の製造工場から排出される廃液は、ため池(オープンラグーン)で処理される施設が多く、地球温暖化ガス(メタンガス)の大気放散や水質汚染が大きな課題となっています。
- 近年パーム油の消費者側からの環境保全要求が高まっており、生産者であるパーム油製造企業も環境保全対策に着手しております。今回Asian Agri Groupは当社の膜メタン発酵技術に着目し、環境対策のみならず回収ガス利用により発電量を増加させ、生産拡大を図る考えです。
3.納入設備の特徴
- 自社製の膜を利用した高温高濃度発酵技術により、バイオガスの回収率を飛躍的に高めたシステムです。(他社比20%以上)
- 膜設備の増強(膜枚数の追加)により、既設発酵タンクのままでの(パーム油生産拡大に伴う)廃液処理量の増量が可能ですので、設備投資負担の低減が図れます。今回の納入設備は日量800m3までの処理が可能です。
4.今後の展開
- Asian Agri Groupはインドネシア大手のパーム油製造企業であり、今回の受注を契機に同社所有の他工場への営業を順次進めていきます。また600ヶ所を数える同国内のパーム油搾油工場へも積極的に営業活動していく予定です。
- グローバルに食料・水・環境問題の解決に取り組む当社は、膜型メタン発酵技術により、パーム油の世界消費量の85%を生産するインドネシア、マレーシアにおけるパーム油製造業の廃液処理に積極的に取り組み、環境改善や再生可能エネルギーの活用促進に貢献してまいります。
<ご参考>
以上
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