環境リサイクル
人々の営みから生まれた廃棄物を再び価値あるものへ
クボタの環境リサイクル事業は、1950年代に鉱山採掘で取り出された鉱石を破砕するための破砕機を製造開始したところから始まりました。暮らしが豊かになるにつれ、そこから生まれる廃棄物が大きな社会課題となる中、クボタは水処理を通じたし尿処理技術や、燃焼技術の経験を生かした廃棄物の焼却技術に取り組みはじめます。破砕・分別・焼却・溶融というそれぞれの工程のさらなる効率化や、これまでは廃棄処理されていた廃棄物から再び資源を取り出す技術の確立など、これからも人々の暮らしを豊かにするサーキュラーな社会の実現をめざしています。
社会に不可欠な廃棄物処理に貢献
人々が暮らす中で必ず生まれる廃棄物の処理は、現在社会において不可欠。365日絶えず発生する廃棄物を安全で、安定したかたちで処理を行う。そのために必要な時間と労力、そしてその時代にあった技術開発が求められます。クボタは、廃棄物処理とそのリサイクルに必要な破砕・選別・焼却・溶融という一連のソリューションを有しており、確かな地位を築いてきました。今後もさらに高まるニーズに答え続けるため、クボタはより多くの廃棄物処理、そしてそこから新たな資源を生み出すリサイクルプロセスの実現を追求し続けます。
日本の高度経済社会の中で求められた廃棄物処理整備
60年以上にわたり、破砕機・分別機を含むリサイクル施設、ごみ焼却炉・溶融炉に代表される廃棄物処理施設の建設・管理・運営を通して、日本の高度経済社会の中でうまれた廃棄物処理問題に向き合ってきました。
社会の発展とともに歩む
クボタの環境リサイクル事業は、1950年代に鉱山で採掘した鉱石を破砕するための破砕機を製造開始したところから始まりました。1960年代になり暮らしが豊かになり、都市が過密化するにつれ、そこから生まれる廃棄物が大きな社会課題となりはじめました。それまでクボタが培ってきたし尿処理や下水処理技術、さらには燃焼技術の経験を生かした都市ごみ焼却炉分野といった環境リサイクル事業に取り組んできました。
技術の積み重ねで社会課題の解決に貢献
大正時代から蓄積していたストーカ(燃焼装置) の技術をもとに, 1964年に機械化バッチ燃焼式の焼却炉を開発し青森市へ初納入しました。その後は人口の都市集中, 生活水準の向上により, 都市ごみの高カロリー化か進み, 地方都市においても大都市型の高温燃焼装置が求められるようになっていきました。スイスのK+K社から大型全連続炉技術の導入・実用化により、大都市のボイラーや発電機付きの大型焼却プラントの受注が可能になるなど、廃棄物処理の環境変化に合わせて、求められる技術を組み合わせ貢献してきました。
社会が明日も続くように、止まることのないオペレーションを提供
クボタの環境リサイクル事業の特長は、多様なものを効率よく、再び価値あるものへと処理する一連のプロセスを実現していることです。暮らしの中で日々発生する廃棄物を絶えず処理し続けるため、クボタは製品自体が高い耐久性を有するだけでなく、どのように廃棄物を処理すべきかというオペレーションにおいても豊富な実績を有し、安定した稼働を実現しています。
美しい島を取り戻すため14年かけて挑んだ廃棄物の全量資源化
1980年代に香川県豊島で起こった産業廃棄物の不法投棄。美しい島の環境を取り戻すため、クボタは埋められた廃棄物を掘り起こし、再処理するという事業に取り組みました。24時間365日、常に処理状況を公開するという業界でも前例がないレベルで安心・安全に処理することが求められる中、14年かけて約90万トンという膨大な量の廃棄物を処理し続けました。その後は、投棄された廃棄物を通じて汚染された地下水の浄化にクボタがもつ水処理技術により、美しい環境維持に貢献しています。
それぞれの社会に合わせた循環型社会の実現をめざして
世界に目を向けると限りある資源を再利用するという方向性に違いはありませんが、リサイクルの制度は国によって大きく異なります。国によって生まれる廃棄物の種類も量も異なるため、各国がそれぞれに適切な処理方法を選択しています。たとえば生活家電製品のリサイクルが進むアジアや、資源回収など環境意識が高いヨーロッパでは今後ニーズが高まることが予想されます。クボタは破砕・分別・焼却・溶融という一連のテクノロジーを組み合わせたソリューションを核に、それぞれの地域や社会に合わせた循環型社会の実現へ貢献していきます。
循環型社会の実現をめざすディープリサイクル技術
クボタはこれまで実現できなかった廃棄物処理に挑戦しています。最終処分場へ送られた廃棄物からさらに有価物を取り出し、再び社会へ還元することめざすディープリサイクル技術。この実現に重要なのは、有価物を含む焼却灰を溶融し、分別しきれなかった金属を取り出したり、溶融時に生まれたエネルギーを取り出す、クボタ独自の回転式表面溶融炉です。今後はさらに効率性・収益性を高めるソリューションを提供することで、サーキュラーな社会を実現します。