2025年度研究発表
施工情報システムにおける融着器連携機能の開発
水道管路の品質確保には、徹底した施工管理が不可欠である。これまで、施工管理レベルの向上と書類作成の効率化に寄与するITを活用した施工情報システムの研究を進めてきた。今回、新たに配水用ポリエチレン管の施工管理において、Bluetooth通信を活用した融着機連携機能についての研究行った。
ポリエチレン管の実配管工事において、本機能を試験した結果、融着結果の自動取得および継手チェックシートや融着履歴データ等の成果物を自動作成・取得できることを確認できた。
【令和7年度全国会議(水道研究発表会)日本水道協会主催】
弁操作情報の取得および取得データの活用に関する研究
現在、多くの水道事業体において、維持管理業務の効率化や人員減少への対応が重要な課題となっている。特に弁操作は管路の安定運用に直結する重要な作業であるが、これまで熟練職員の経験や勘に依存してきた。熟練職員の弁操作技術を標準化し、誰もが適正に作業できる技術は、今後の持続的な運営に必要不可欠である。
今回、これらの課題を解決するため、バルブキーにセンサを搭載し、弁操作時のトルク、回転数、および流水音を可視化する「弁操作ユニット」を開発した。性能評価の結果、操作の再現性や安全性において良好な成果を確認した。これにより、弁操作技術の可視化が可能となる。
今後は、多様な現場で取得したデータを分析し、弁操作の標準化と維持管理業務の効率化に寄与していく所存である。
【令和7年度全国会議(水道研究発表会)日本水道協会主催】
呼び径500~1000GX形ダクタイル鉄管の施工事例
呼び径500~1000のGX形ダクタイル鉄管(以下、GX形)は、工事の簡素化や継手施工性の向上といった利点が評価され、一般社団法人日本ダクタイル鉄管協会により2024年8月に規格化された。今回、初施工を含む複数の工事が行われたため、施工状況の調査を実施した。
GX形の特長であるメタルタッチ構造と管下ボルトレス押輪の採用により、継手接合時間の短縮、管下作業の削減、施工管理の簡素化といった効果が施工現場でも確認され、工事事業者から高い評価を得た。さらに、施工情報システムによる施工管理においても、作業の効率化が確認できた。
【令和7年度全国会議(水道研究発表会)日本水道協会主催】
断水影響度を指標とした水道管路の更新優先順位付け手法の研究
強靭な水道管路を維持するためには管路の重要度、老朽化状況や耐震性、漏水時の影響の大きさ等を考慮し、効果的な管路の更新計画の立案・更新工事を行うことが求められる。
これまで、管路の老朽度や耐震性評価において、AI技術を活用した評価手法の研究を行い、過去実績との照合などによる検証で従来手法より高い予測精度を確認してきた。さらに、漏水時の影響の大きさを考慮して更新優先順位を決定するため、AI技術で予測した事故発生確率と事故による断水影響を踏まえ、断水影響度を指標として更新優先順位を決定する手法を研究した。
A市の管路を用いて更新シミュレーションを行い、従来の経年順更新よりも断水による影響を大幅に低減できることを確認しました。
【令和7年度全国会議(水道研究発表会)日本水道協会主催】
AIを活用した地震時の管路被害予測手法の研究(その2)
令和6年能登半島地震では、上水道の復旧に長期間を要するなど、管路の耐震化の重要性が再認識された。一方、多くの水道事業体では水道料金収入の減少、職員の減少により管路更新が進んでいないことから、国土交通省は耐震化の取り組みを加速させている。そこで、予算を効果的に活用できる管路更新計画を支援するため、AIを用いて地震など自然災害で被害を受ける確率が高い管路を特定する手法を研究した。
今回、新たに管路状況を特微量として追加した新手法を導入した。この結果、現行の地震被害予測式と比べて、管路被害の発生箇所の予測精度を大きく向上させることができた。さらに、地震以外の豪雨や土砂災害に対する評価手法も研究した。
【令和7年度全国会議(水道研究発表会)日本水道協会主催】



