2011年03月07日
中国で水処理エンジニアリング会社(合弁・独資)、地域統括会社を設立
~水処理市場への本格参入と地域戦略機能強化で中国事業の更なる拡大へ~
当社は本年4月、中国大手水処理エンジニアリング企業の(あんきこくていかんぽせつのうかぎこふん ゆうげんこうし、以下、安徽国禎社)との合弁会社と、クボタ独資による新会社を設立し、中国水処理市場に本格参入、事業拡大を目指します。合わせて、当社初の地域統括会社「久保田(中国)投資有限公司」(仮称)を設立、地域戦略の立案・実行と現地事業会社への経営支援を強化し、クボタグループの総合力を発揮する体制を構築してまいります。
記
1.当社の中国事業・最近の主な動き
- 90年代後半には、中国の急激な経済発展と都市化による農村の人手不足により、農業の機械化需要が高まり、コンバイン、田植機の生産・販売拠点(久保田農業機械(蘇州)有限公司・以下、KAMS)を設立しました。
- 2000年代に入り、都市開発や住宅市場の活発化により小型建設機械の需要も伸び始め、上海に販売拠点(久保田建機(上海)有限公司・以下、KCS)、エンジン販売拠点(久保田発動機(上海)有限公司・以下、KESCO)を設立し、事業拡大を図ってきました。今年、建設機械の生産拠点(久保田建機(無錫)有限公司・以下、KCW)も設立し、2012年には量産化を予定しています。
- また、水ビジネス市場の拡大を背景に、上下水道用や一般産業用ポンプの受注獲得を狙いとして、昨年、現地での生産・販売拠点(安徽久保田三聯ポンプ有限公司)を設立し、更なる水関連事業の拡大を図っています。
2.水処理エンジニアリング会社の設立について
1)背景とねらい
- 当社は創業以来、水関連事業に携わり、世界的な「水」問題の解決をミッションとして「安全な水の供給」「水資源の再生」「水環境の改善」に関わる事業を展開しています。
近年、中国では、人口増加や経済発展に伴い、水使用量増加による「水不足」と、生活・産業排水の放流による「水質汚染」が深刻な問題になっており、本年度から始まる中国第12次5ヵ年計画では、水資源の有効利用や放流水質の改善が環境対策の柱になっています。当社は、合弁と独資による水処理会社を2社設立することにより、現地に密着した事業展開を図り、中国の水問題の解決に貢献します。 - 合弁会社では、クボタが保有する高度水処理技術であるMBR技術のコア製品である膜装置の生産に加え、安徽国禎社が保有する中国国内10ヶ所の営業拠点網の活用や下水処理場の設計・調達・建設までのエンジニアリングノウハウを活かし、中国水処理事業の早期立ち上げを目指します。
- 独資会社では、主に合弁会社がカバーしない水処理市場(産業排水再利用や農村部環境対策)向けに、プラントエンジニアリング事業及び膜装置や浄化槽等の機器販売を行います。2社は相互に補完をしながら、クボタグループ全体で中国水処理市場での事業拡大を目指します。
2)新会社の概要
①合弁会社
○会社名(仮) | 久保田国禎環保工程科技(安徽)有限公司 (くぼたこくていかんぽこうていかぎ(あんき)ゆうげんこうし) |
○設立予定 | 2011年4月 |
○所在地 | 安徽省合肥市(あんきしょうごうひし) |
○資本金 | 約4.4億円 |
○出資比率 | クボタ50.5%、安徽国禎社49.5% |
○事業内容 | 中国水処理市場向けMBR(※)のプラントエンジニアリング及び膜装置の製造・販売 |
○従業員数 | 55名 (2014年予定) |
②独資会社
○会社名(仮) | 久保田環保科技(上海)有限公司 (くぼたかんぽかぎ(しゃんはい)ゆうげんこうし) | 【MBR技術を活かした膜装置】 |
○設立予定 | 2011年4月 | |
○所在地 | 上海市 | |
○資本金 | 約8億円 | |
○出資比率 | クボタ100% | |
○事業内容 | 中国水処理市場(主に産業排水再利用、農村部環境対策)向けプラントエンジニアリング及び機器の販売 | |
○従業員数 | 40名 (2014年予定) |
<参 考>
【合弁パートナー(安徽国禎社)の概要】
○社 名 | : (あんきこくていかんぽせつのうかぎこふんゆうげんこうし) |
○所在地 | :安徽省合肥高新技術開発区 |
○設 立 | :1997年 |
○資本金 | :約8.3億円 (58.8%、丸紅グループ30.0%、その他11.2%) |
○代 表 | : |
○売上高 | :約45億円 (2010年連結) |
○従業員 | :約1000人 (2010年連結) |
○事業内容 | :下水処理場の運営・建設、下水処理機器の製造・販売 |
3.地域統括会社の設立について
1)背景とねらい- このように当社のグローバル戦略において、成長著しい中国は重点地域として位置づけています。今後、戦略的な事業展開として、KAMSにおけるトラクタの拡販、KCWにおける建設機械の現地生産、KESCOにおけるエンジン排ガス規制対応、今回発表した水処理市場への本格参入等を推進し、中国での事業拡大を図ります。
- グローバル展開を推し進めるためには、地域に根ざした戦略の立案と実行が重要な課題となり、中国市場は社会情勢や法体系などの変化が予測し難いことから地域戦略や経営諸機能の強化が不可欠との認識に立ち、地域統括会社の設置を検討してきました。
- 新会社の設立により、人材採用・資金・製造・部材調達などの主要機能を強化するとともに、情報収集とマーケティング機能を軸とした成長戦略の立案・実行力を強化します。今後、既進出事業に対しては更なる事業拡大のための経営支援を図り、水関連事業等の新規進出事業に対しては既進出事業のノウハウの共有を促進し、クボタグループの総合力を発揮する体制を構築します。これらにより、中国での売上を早期に1000億円を超える水準まで拡大させることを目指します。
2)地域統括会社の概要
○会社名(仮) | 久保田(中国)投資有限公司(英文名 Kubota China Holdings Co.,Ltd) |
○設立日(予定) | 2011年3月 |
○所在地 | 上海市 |
○資本金 | 7,300万USドル(約60億円) |
3)統括する現地事業会社 新会社設立後に組織再編を行い、現地事業会社を新会社の子会社とする予定です。
会社名 | 所在地 | 設立 | 事業内容 |
久保田農業機械(蘇州)有限公司 | 江蘇省蘇州市 | 1998年4月 | 自脱型コンバイン等の農業機械及び部品の製造・販売・サービス・研究開発 |
久保田建機(上海)有限公司 | 上海市 | 2003年12月 | ミニバックホー等建設機械の販売 |
久保田発動機(上海)有限公司 | 上海市 | 2008年1月 | エンジン、発電機セットの輸入・販売・サービス |
久保田建機(無錫)有限公司 | 江蘇省無錫市 | 2011年3月予定 | 建設機械の製造 |
安徽久保田三聯ポンプ有限公司 | 安徽省和県 | 2010年4月 | 両吸込渦巻ポンプ、水中ポンプ、その他各種ポンプの製造・販売 |
久保田国禎環保工程科技(安徽)有限公司 【新会社】 | 安徽省合肥市 | 2011年4月予定 | 水処理市場向けMBRのプラントエンジニアリング及び膜装置の製造・販売 |
久保田環保科技(上海)有限公司 【新会社】 | 上海市 | 2011年4月予定 | 水処理市場(主に産業排水再利用、農村部環境対策)向けプラントエンジニアリング、機器販売 |
<所在地>
以上
プレスリリースに記載されている情報は発表時のものであり、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承下さい。