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農業機械の基礎知識

世界の食を支えるクボタの取り組み

食料・水・環境の分野において幅広く事業を展開しているクボタは、農業機械を始めとする製品や技術を提供することで、世界の食を支え続けています。ここでは、クボタが開発・生産している農業機械の基礎知識と、クボタが考える未来に向けた農業についてご紹介します。

農作業のあらゆる場面に欠かせない機械

農業の基本的な作業は、「耕す」、「植える」、「収穫する」と大まかに分類できます。人類は太古から全ての農作業を人や家畜の力のみで行ってきましたが、蒸気機関や内燃機関の発明により、今では様々な農業機械が、農作業の省力化・効率化に貢献しています。

稲作を例に挙げると、米作りの土台となる重要な田んぼを耕す際に活躍するのがトラクタ。均一かつ正確に苗を植えることができる田植え機。効率的に稲を収穫することができるコンバイン。これらの農業機械は、稲作において欠かせない存在であり、同時に機械の性能が作物の品質や収穫量に直結する要素のひとつになります。

  • 図:稲作の基本的な作業と農業機

農地を耕し、種を播き、収穫する。農作業の万能選手 トラクタ

作物を育てるのに重要な要素のひとつが畑や田んぼの土壌づくり。この作業に欠かせないのがトラクタです。トラクタは土を耕す「ロータリ」をはじめとするインプルメントと呼ばれる多種多様な作業機械を接続することで、耕うん、肥料・農薬・種の散布、草刈り、収穫した物を運搬するなど、さまざまな作業ができる農作業の万能選手。トラクタは農作業の中でも、負荷が非常にかかる作業を担うので、強力なエンジンを搭載し、その力をフルに発揮させる装置を装備しています。

  • 図:トラクタの基本的な機能
  • 図:トラクタで行う主な作業

田植えを精密かつ迅速に実行。日本が世界に誇る農業機械 田植え機

米作りにおいて、特徴的な作業のひとつが田植えです。トラクタで田起こしし、水を張って代かきした田んぼに育苗された苗を植えていく作業ですが、稲の植え方によって育ち方が変わってくるため、正確な作業が要求され、かつ人力では屈んでの作業となる重労働。そこで活躍するのが田植え機です。正確かつ均一に苗を植えることができ、また田植えと同時に肥料や薬剤の散布などが同時に行えます。田植え機は「米の国 日本」で長年培われたノウハウが詰まった、世界に誇る農業機械と言えます。

  • 図:田植え機の基本的な機能
  • 図:田植えと同時に行える作業

収穫・脱穀・選別を一手に引き受ける多機能機械 コンバイン

田んぼを耕し、苗を植え、毎日手塩に掛けて育て、ようやく実った稲。田んぼ一面を彩る黄金色の稲穂の風景はこれまでの農作業の苦労が報われる瞬間でもあります。しかし、これを「米」として収穫するには、稲を刈取りし、稲穂からもみを脱穀し(削ぎ落とし)、もみとそれ以外を選別するという作業が必要です。これらを一手に引き受けるのがコンバインです。

コンバインは稲を刈り取った後、脱穀・選別も同時に行える非常に多機能な農業機械です。稲だけでなく、麦や大豆など他の作物も収穫することができます。作物の収穫時期を逃さず、効率的かつ迅速に作業ができるコンバインもまた、農作業には欠かせない機械のひとつです。

  • 図:コンバインの基本的な機能
  • 図:コンバインの種類
  • 図:その他収穫に用いられる機械

日本の農業と共に歩み、その発展を支えてきたクボタ

日本の農業に機械が取り入れられるようになったのは大正初め頃と言われています。最初に導入されたのは石油発動機で、脱穀・籾摺・揚水用の動力源として使われました。クボタは大正11年に農工用石油発動機を製造し、その普及に貢献。一方、田畑の耕うんなどの作業は、昭和20年代半ばまで人力や牛馬によって行われており、機械化のニーズが高まっていました。

このような状況の中、クボタは戦後の食糧難、高度経済成長時の深刻な労働不足などの社会的課題を解決すべく、農業の機械化を推進してきました。農家の人に寄り添い、農作業の現場に出て、農家が本当に欲している農業機械を研究。畑作用乗用トラクタや収穫作業を容易にするバインダー(稲麦刈取結束機)、そして稲作農家長年の夢だった田植え機など、さまざまな農業機械を開発。農業の省力化と生産性の向上に貢献し、日本の農業の発展とともに歩んできました。

稲作から畑作まで。世界中で活躍するクボタの農業機械

クボタの農業機械は国内だけでなく海外でも活躍しています。日本の米作りの現場で磨きあげたクボタの稲作用農業機械は、米生産国の多いアジア各国で高く評価され、特に世界有数の米輸出国であるタイでのクボタトラクタシェアはNo.1。また、クボタの耕うん機により、農家の労働負荷が激減したことから、耕うん機のことを「クボタ」と呼ぶ国もあるほど農家の人にとってクボタの製品は身近なものになり、東南アジアの農業に貢献しています。中国では農家から刈取り作業を請け負う「賃刈屋」という専門業者から、クボタコンバインの高い耐久性や徹底したアフターサービスに対して高い評価を得ています。

一方、稲作だけでなく世界の食糧生産に貢献するために、畑作市場にも進出。農業大国であるフランスを始めとするヨーロッパの農業市場向けに、現地のニーズに合わせた大型トラクタを開発・販売しています。現地の細やかなニーズをくみ取り、現場に寄り添った開発を行うクボタの農業機械は海外でも高い評価を受けています。

「農機xICT」クボタが描く未来の農業

社会や環境が変化する中で、農業もその変化への対応が求められます。日本では、農家の減少に伴う作業コスト・労働不可の低減、また安心安全・美味しい等、農作物の付加価値の向上が求められています。

クボタは、これらの課題にICTやロボット技術を活用したスマート農業の研究・開発を推進。すでに自動で高精度な作業を行う「自動運転トラクタ」、業界初の直進キープ機能を搭載した「田植え機」、収穫と同時に圃場ごとの米の食味・水分・収量データを測定・収集する「コンバイン」を製品化。労働負荷を軽減し、作物の品質向上に貢献するこれらの製品は高い評価を得ています。

また、データ活用による精密農業を可能にするシステム「KSAS(Kubota Smart Agri System)」は、農業機械とICTを融合させた営農支援サービスで2014年よりサービスを開始。対応農機と連携したデータを収集・活用することで、農業経営の見える化を実現し、生産効率や作物の品質向上を可能にします。

クボタは農業に携わる方すべてが豊かな経営を展開できる未来の農業を目指して、そして世界中の人々に安心安全な食料を安定して届けるために、日々研究と開発を続けています。

  • 図:データを活用し、生産性と品質の向上に寄与する クボタの精密農業