ミャンマー農業の課題は「種とテクニック」

ミャンマー農業の課題は「種とテクニック」

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農業大国であるミャンマーの農業にも課題があるようです。「種とテクニック」と言われているミャンマー農業の課題とは?そして、ミャンマーの人々の台所である市場やスーパーに並んだお米を見てみましょう。

(※2017年9月に行った取材に基づきます)

トングヮ地区の精米所

鍵を握る種籾(たねもみ)の管理

トングァ地区の精米所です。チョージアさんのお米の販路を担う流通業者のタンナイさんが、乾燥室や精米機のある場所など、次々と案内してくださいました。

クボタミャンマーのソーヨータさんにミャンマー農業の課題について聞いてみると、即座に返ってきた言葉が「種とテクニック」でした。種は種籾、テクニックというのは乾燥・精米などの工程を指すようです。

まず、種籾の管理が重要だそうです。米は品種改良や自然交雑などによりDNAが変化しているので、種籾をきちんと管理できていないと、一部が先祖返りをしてしまいます。結果的に違う品種の種籾が混在していると、コンバインで一斉に稲刈りをした場合に、実の詰まった籾の量が大幅に減ります。また、精米時に砕け米が増加し、全体の品質が低下します。インディカ米は細長くて割れやすい品種なので、とくに問題です。

ソーヨータさん
ソーヨータさん

ソーヨータさん:「本来ならヨーロッパに輸出できるはずのハイクオリティ米が、(種籾の管理ができていないと)ロークオリティ米になって、価格が下がってしまいます」
籾を乾燥させる部屋
乾燥中の籾

籾を乾燥させる部屋(写真左)です。この部屋では、自然乾燥させています。
別の場所では、乾燥機で温風を送り込み乾燥させています。

乾燥させた籾を計量する女性たち

乾燥させた籾を計量しています。籾袋を計量器に載せて、帽子をかぶった男性が記録していました。笑い声がたえない、明るく、楽しそうな雰囲気でした。 籾袋を運んでいる女性の頬を彩っているのは、化粧品のタナカです。タナカというミカン科の木の樹皮をすりおろしたもので、日焼けを防ぐためのものです。おしゃれなデザインを楽しむためでもあるようで、香りもよく清涼感も得られるそうです。

籾の重量が記録されると、精米機まで運び、投入します。日本の籾袋は約30kgですが、この籾袋は約50kgだそうです。

精米中の女性と遊ぶ子ども
精米され袋詰めされたお米

この場所に、精米されたお米が出てきます。それを袋に詰めて、所定の位置に運びます。子どもも、タナカで可愛くおしゃれをしていました。

トラジ

これは、米の運搬車です。名前はトラジです。前部が元々は農業機械だったそうで、田んぼや畑の中にも入ることができるそうです。
精米所の様子を観察してみると乾燥機や精米機の老朽化対策はすでに始まっており、日本企業も含めたさまざまなプロジェクトが始動しているそうです。

にぎわいを見せるトングァ市場の米穀店

トングヮの市場

精米所からさらに車で5分ほどの場所にあるトングァの市場です。チョージアさんとソーヨータさんが案内してくれています。

お米を運ぶトラジ
お米を売る男性

籾袋に入ったお米を米穀店に搬入しているところです。後ろに見えているのはこの地区のパヤー(仏塔)です。

トングヮの市場の米穀店
カップいっぱいのお米

トングァの市場の米穀店にやって来ました。カップに摺り切り一杯が2,200チャット(約220円)でした。これをビニール袋に入れてもらい、持ち帰ります。

米穀店の様子
ピーナツ油とヒマワリ油

こちらの米穀店では、お米と食用油を販売していました。食用油はお米とともにミャンマーの食文化には欠かせないもので、近隣諸国と比較しても一人当たりの消費量が高くなっています。
ピーナツ油(左)と、ヒマワリ油(右)が販売されていました。ヒマワリ油は心臓に良いということで、人気が高いそうです。

ヤンゴンで販売されている豊富な種類のお米

たくさんの種類のお米

ヤンゴンのスーパーマーケットでは、豊富な種類のお米がパッケージで販売されていました。

KANBAWZA
ビーフン

「KANBAWZA」という名前のお米は2kgで3,350チャット(約335円)。「KANBAWZA」はシャン州の現地語の表記で、日本と同じく産地を明確に表示しています。 お米から作られるビーフンも販売されていました。

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