
家の中にお寺があったり、人々が集い動物たちと暮らしたり。バリ島の農家の家々をめぐりながら、その地に伝わる文化を紹介します。
(※2017年9月に行った取材に基づきます)
家の中にお寺もある、バリスタイルの家


米作りをするイ・ワヤン・パニャースさんのご自宅です。家の中に「屋敷寺」があり、屋敷の中で、最も神聖な場所にあるそうです。


中庭には井戸があり、汲み上げた水を「ボイルして」、飲み水としたり、料理に使ったりします。
バリの家は寝室、トイレ、キッチン、風呂などが別棟となっています。これをバリスタイルと呼びます。


農家のイ・マデ・ルンダさんのご自宅の外観です。幅1m程しかない狭い入口は、邪霊の侵入に対する警戒の現れと言われています。中庭は広々としています。


犬とニワトリがいました。耳をすませると、ワンワンという鳴き声、コケコッコという鳴き声、そしてご家族の方々の話し声、笑い声がにぎやかに聞こえてきます。



スバック長のイ・ニョマン・クドゥスさんのご自宅の庭には、高床式の倉庫がありました。収穫したお米はバリ島独特の束ね方で、この倉庫に貯蔵されています。


倉庫の柱にはネズミが登って来てもひっくり返るように、「ネズミ返し」がついています。
倉庫の下は、家族や近所の方の交流の場となっています。この日は女性が集まり、朗らかに話をしながら、ココナツの葉で供え物を作っていました。
洗濯や沐浴にも利用される用水路


洗濯物を頭にのせて運び込み、家の裏の用水路で洗います。


ここはクドゥスさんのご自宅のキッチンです。 奥の部屋に竃(かまど)があります。
オートバイで行商に来た方から野菜などを購入する姿も見られました。


左の写真はナシゴレン(ナシ=ご飯、ゴレン=炒める)という一般的なインドネシア料理です。右の写真では、赤米と白米が半々に盛り付けられています。
農家の副業


副業としては、スバックに申請して水の配分を受けての野菜作りがあります。また、子豚を飼育して、食肉として販売します。バリ島の祭りでは豚の丸焼きが欠かせないためです。
イ・ニョマン・クドゥスさんはコーヒーの栽培を始めるそうで、2,000本の苗が準備されていました。
農家の人たちの日々の楽しみ


イ・マデ・ルンダさんに趣味についてお聞きすると、凧揚げをよくするとのことでした。


お面を被っているのはイ・ニョマン・クドゥスさん。ケチャダンスが得意なのだそうです。
マン・アユン地区のスバックでは、最近釣り堀が作られたそうです。メンバーの楽しみのために作ったもので、魚釣りコンクールが企画されているそうです。