正条植えによって変化した「田植え」

正条植えによって変化した「田植え」

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苗の長さが15㎝ほどになったら、田植えが行われます。
明治30年代以降からは、縄を張ったり田んぼに型を付けたりして行う「正条植え」が取り入れられ、稲にむらなく日が当たるようになりました。

正条植えによって収量が増加

田植えをする人たち

田んぼの準備が完了し、苗の長さが15cm位になったらいよいよ田植えです。田植えの前日の夕方、あるいは当日の朝早くから苗取りを行い、束ねた苗を田んぼに運びます。

昔は、乱雑植えでしたが、明治30年代に正条植えが取り入れられました。代掻き(しろかき)をして平らにした田に縄を張ったり、型枠を転がしたりして目印を付け、整然と植えます。これによって株の間隔が揃い、稲にむらなく日が当たり、風通しも良くなり、除草作業の能率も上がって収量が増えました。

田植えは主に女性の仕事で、田植えをする女性は早乙女(さおとめ)と呼ばれていました。男性が苗を運んで田んぼに目印を付けたあと、早乙女たちが苗籠を腰に付けて田植えをします。苗は3、4本ずつ取って、真っ直ぐに植えられていきました。腰をかがめてばかりの、つらい作業でしたが、昭和40年代から田植機が普及したことによって、手作業での田植えは少なくなり、早乙女たちの姿もあまり見られなくなりました。

田植えで使われた伝統農具

型付け(かたつけ)

・型付け(かたつけ)代掻きで平らにした田んぼに型を付ける農具です。縦と横との間隔を調節できるものもあります。

縄(なわ)

・縄(なわ)同じく型を付ける農具です。軸を畦に突き刺して縄を伸ばし、田面に真っ直ぐの型を付けます。 長さ275mm・高さ430mm・奥行き55mm

苗籠(なえかご)

・苗籠(なえかご)苗取りされた苗束を田んぼまで運ぶのに使用されました。材質は竹で、苗束が落ちない程度に水切りができるよう、粗く編まれています。

長さ1380mm・高さ445mm・奥行き410mm

田植えのときは学校はお休み

稲の生育を均一にするために、田植えは田んぼごとに一日で完了させます。田植えの当日、家族だけでは人手が足りない場合は近所の人に手伝ってもらいました。当然子どもたちも田んぼへ出て田植えやお弁当運びなどのお手伝いをしなければならず、昭和30年代までは、農村や農家の多い町の学校では田植え時期になると学校は田植え休みになりました。

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