馬鍬(まんが)が活躍した「代掻き(しろかき)」

馬鍬(まぐわ・まんが)が活躍した「代掻き(しろかき)」

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水を張った田んぼの表面を平らにして、苗の発育を良くする「代掻き(しろかき)」。
3回行うのが一般的で、2回目までは牛や馬を使って行われていました。

苗を植えやすくし、根付きを良くする「代掻き」

柄振押しを行う人

田起こしした田んぼに水を張って、土を細かく砕き、丁寧に掻き混ぜて、田んぼの表面を平らにする作業を「代掻き」と言います。田んぼの水漏れを防ぎ、苗を植えやすくし、苗の根付きと発育を良くします。雑草の発生を抑える効果もあると言われています。

牛に犂(すき)を引かせて田起こしをするようになってからは、代掻きも馬鍬(まぐわ・まんが)を使って牛や馬で行うようになりました。牛や馬が足で土を踏み砕く効果もあります。牛は馬よりも歩くのが遅いため、誘導は楽でしたが、足による砕き方は悪かったようです。

代掻きは荒代(あらじろ)、中代(なかじろ)、植代(うえじろ)の3回行うのが一般的です。牛馬を使うのは荒代・中代で、仕上げの植代は柄振(えぶり)を使って人手で行いました。これを柄振押し(えぶりおし)と言います。

代掻きに使われた伝統農具

馬鍬(まんが・まぐわ)
馬鍬(まんが・まぐわ)

・馬鍬(まぐわ・まんが)
牛や馬に牽引させて田んぼの荒起こしや代掻きをさせる農具です。片手に手綱を持ち、片手には馬鍬の取っ手を持って馬を誘導し、馬を同じ所へ連れて行かないように気をつけます。

馬鍬は古墳時代に中国から伝来したようです。江戸時代から昭和にかけて、次第に大型化して丈夫になり、歯も木から鉄へと変化していきます。

長さ1079mm・高さ775mm・奥行き1120mm

柄振(えぶり)
柄振(えぶり)

・柄振(えぶり)
土の表面を人の手で丁寧に平らにするための農具です。また、田畑の地ならしや穀物の実などを掻き寄せるときにも便利です。

長さ1390mm・高さ65mm・奥行き1740mm

馬は家族の一員

「馬一匹半身上」は、農家にとって一頭の馬は、家の身上(しんしょう=財産)の半分にあたるほど価値があるという意味です。馬は農耕や運搬になくてはならず、また敷草・糞尿の厩肥(きゅうひ)は堆肥になりました。馬の厩肥は牛に比べて高い発酵熱が出るため、寒冷地の堆肥作りには欠かすことができなかったようです。農家では馬を大切にしており、母屋で一緒に飼育することもありました。

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