鎌を使った手作業の「稲刈り」

鎌を使った手作業の「稲刈り」

この記事をシェアする

twitter facebook line

昔の稲刈りでは、草刈り鎌のようなものを使っていたようですが、明治の初め頃から稲刈り専用の鋸鎌(のこぎりかま)を使うようになりました。

秋の晴れの日に行う稲刈り

稲刈り
写真提供:芳賀ライブラリー

穂が出てから約40~45日、黄金色の稲穂が垂れ下がると稲刈りです。早く刈りすぎるとお米が充実していないので収量が少なくなり、遅れると収量は増えますが、籾(もみ)が熟れすぎて米の色つやが悪くなります。稲刈りはタイミングが大切なのです。

秋は夕焼けになると翌日晴れることが多いので、鎌を研いで稲刈りの準備をします。
昔は草刈り鎌の古いものを稲刈りに使っていたようですが、明治の初め頃から稲刈り専用の鋸鎌(のこぎりかま)を使うようになりました。刈り取る位置は田面から5~6cmほど上です。右手に鋸鎌を持ち、稲株を左手で握って、順次刈り取りながら移動します。5~6株で左手がいっぱいになると地面に置きます。これを「一手刈り」といい、もう1回の分と合わせた「二手刈り」で一把(いちわ)とします。藁などで束ね、その日のうちに稲架(はさ)に掛けるのが原則です。半日稲刈りをして、半日は稲を稲架に運んで掛けます。

稲刈りで使われた伝統農具

鋸鎌(のこぎりかま)
鋸鎌(のこぎりかま)

・鋸鎌(のこぎりかま)鎌は弥生時代にすでに使用されていたようです。朝鮮半島から渡来したこの能率の高い収穫具によって、稲を根元から刈り取る根刈りが可能になったと考えられます。刈り取った藁を利用するためにも、また春先に田起こしをするためにも、根刈りが能率的です。

長さ140mm・高さ320mm・奥行き29mm

田舟(たぶね)
田舟(たぶね)

・田舟(たぶね)刈り取った稲や土、肥料などさまざまなものを運んだ道具。田んぼの泥の上を滑らせて運びます。腰まで水があるような田んぼでは、舟刈りといって舟の中から稲を刈ったようです。

長さ1137mm・高さ185mm・奥行き613mm

稲刈りの時期は小学校が休みに

稲作ではさまざまな面で能率的な稲刈りをするために、一枚の田んぼの稲が一斉に成熟するように育てます。そのため、稲刈りは一斉に集中して行うべき作業となりました。稲刈りの時期になると農休みで小学校が休みになり、子どもも手伝うのが一般的でした。

クボタのたんぼをシェアしよう!

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
ページトップへ ページトップへ