天日での乾燥と稲の運搬

天日での乾燥と稲の運搬

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刈り取った稲は束にして、稲架(はさ)に掛け、天日と風で乾燥させることで、長期保存と旨味を保つことができます。

米の変質を防ぐため、天日で乾燥

稲架掛け
写真提供:芳賀ライブラリー

束ねた稲は稲架(はさ)に掛けて2週間程度、天日(太陽光線)と風によって乾燥させます。この自然乾燥を稲架掛け(はさかけ)と言い、地方によっては稲掛(いねかけ)、稲架(とうか)など、さまざまな呼び方があります。また、一本の杭に稲束を積んで干す方法は穂鳰(ほにお)と言います。

刈り取ってすぐの籾(もみ)の水分は20~25%で、このままでは水分が多すぎてお米が変質するので15%くらいになるまで乾燥させます。乾燥によって固くなり、籾摺りのときに砕けにくくなるというメリットもあります。
乾燥が完了すると脱穀する場所まで稲を運びます。この稲運びのことを「稲揚げ」と言います。日の短い秋、荷車などですばやく、しかも籾を落とさないように気をつけて運ばなければなりませんでした。

乾燥・運搬で使われた伝統農具

二人もっこ
写真提供:渡部景俊「農を支えて-農具の変遷-」(秋田文化出版刊)

・二人もっこ(ふたりもっこ)稲や堆肥を二人で担架のようにして運びます。もっことは、持籠の「もちこ」が変化した言葉だと言われています。他にも籠状にした木に縄を巻き、藁で背中当てを付けた、一人用の背負いもっこもあります。

荷車(にぐるま)
荷車(にぐるま)

・荷車(にぐるま)稲運びはもちろん、肥料や米など、大量に運べる運搬具です。
長さ852mm・高さ810mm・奥行き3570mm

太陽がおいしくする

天日と風でじっくりとお米を乾燥させるのは、刈り取られた稲からお米に栄養分が送り込まれ、おいしさが増すためとも言われています。また、乾燥させることにより、長期保存でも粘りやつや、旨味が保たれます。

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