![農家の生活用品になった「藁細工」](/kubotatanbo/history/tools/img/3-3-8_straw-craft_kv.jpg)
飾り物、縄、履き物、衣類などさまざまな用途で使われた藁。藁打ち作業で柔らかく、丈夫にしてから細工を行っていました。
藁打ち石と槌(つち)を使って柔らかくする
![藁細工をする人たち](/kubotatanbo/history/tools/img/3-3-8_straw-craft_001.jpg)
藁は飾り物や縄、草履などの履き物、簑(みの)などの衣類、筵(むしろ)や米俵、もっこなどのさまざまな生活用品の素材となります。その生活用品が使えなくなっても、それらを燃やした灰が肥料になり、捨てるところはありません。
多くの藁細工はまず藁打ち作業から始まります。藁を打つと全体が柔らかくなり、細工がしやすく、しかも丈夫になります。藁を打つときは、藁打ち石に束ねた藁を乗せ、槌(つち)を使います。藁打ち石は土間などの片隅に半分くらい埋められ、動かないようになっています。
藁細工で使われた伝統農具
![槌(つち)](/kubotatanbo/history/tools/img/3-3-8_straw-craft_002.jpg)
![槌(つち)](/kubotatanbo/history/tools/img/3-3-8_straw-craft_003.jpg)
・槌(つち)
藁を打つときの槌で木製です。手作りなので、ひとつひとつ違った形になっています。
長さ104mm・高さ300mm・奥行き100mm
藁打ち石はなぜ丸い?
重さ1kg以上の槌で藁を何度も打って柔らかくするのは大変な作業です。そこで考えだされたのが丸みのある藁打ち石です。どんな角度から藁を打っても、槌を跳ね返してくれるので、その反動で槌を振り上げるのが楽になります。リズミカルに、効率的に藁打ち作業が進みます。