農業用水リサイクルシステムなど宇和町の新しい取り組み

農業用水リサイクルシステムなど宇和町の新しい取り組み

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2006年春、県の基盤整備事業によって宇和町の水事情は一変しました。農業用水のリサイクルシステムが確立し、少ない水を効率的に活用できるようになりました。

農業用水リサイクルシステムの確立

水路
溜め池

約5年の歳月をかけ、農地が中四国最大の1.2haの区画に整理され、農道の地中には給水と排水のパイプが張り巡らされました。排水された水は低地に新設した溜め池で溜め、各区画の給水栓までポンプアップされることで、少ない水を効果的に活用できるようになりました。

西予市教育委員会文化体育振興課の鈴木さんにお話を伺いました。

シロサギ
シロサギ

鈴木友三郎さん
鈴木友三郎さん
西予市教育委員会

鈴木さん:「関地池から水を下ろして、ポンプアップして何度も使うという水路のネットワークが完成しました。一滴も無駄にしないという努力です。パイプラインには圧力をかけていますので、バルブを開けたら水が来ます。上から順番に流さなくてもよくなっています。時期を同じくして、コウノトリが来るようになりました。安心して休めるところ、と思っているんでしょうね。このコウノトリは『えひめちゃん』という名前です。真鶴も飛来してきています」

宇和米ブランド確立に向けて

宇和米の工場

宇和町ではいま、町をあげて宇和米ブランドの確立を目指しています。

鈴木友三郎さん

鈴木さん:「カントリーエレベーターをつくり、外面に『宇和米』と大きく名前を入れました。それによって『今摺米(いまずりまい)』と言いまして、籾(もみ)のまま貯蔵することが可能になりました。それまでは低温乾燥のライスセンターでした。その時代は『愛媛の米』で、カントリーエレベーターに切り替えたときから『宇和米』と名乗り始めました。町では優秀なお米を作り町外へ売り出す努力を続けています。産直経営で『宇和米』は人気商品として取り引きさせてもらっています。県内ではファンが多くなってきており、県外はこれからですね」

雑巾がけのタイムを競う「Z-1グランプリ」

鈴木友三郎さん

宇和米博物館は、米作りと町の歴史の保存だけではなく、ユニークな催しで宇和米ブランドのPRや観光にも貢献しています。その一つが、109mの長い廊下で雑巾がけをして、そのタイムを競う「Z-1グランプリ」です。

鈴木友三郎さん

鈴木さん:「この廊下の109mを体感していただこうという主旨で開催しています。事の始まりは久留米から訪問された来館者の方のチャレンジでした。その方がこの廊下を見て『ぜひ雑巾がけをさせてください』『タイムを計ってください』とおっしゃり、芳名録にタイムを書かれた事から始まりました。そのタイムも30秒台で非常に良かったのです。この話を聞きつけた来館者の方々が次々と挑戦するようになり、ついに半年後にその記録が破られました。そこでご本人に連絡しましたら、一年後にリベンジにやって来られました(笑)。イベントの最高タイムは18秒23です。もちろんワールドレコードです(笑)。Z-1グランプリの優勝者には『ZOKING』の称号と『宇和米一俵』が贈られます。
『Z-1グランプリ』は乾いた雑巾で行います。それとは別に、いつでも濡れ雑巾で本当に雑巾がけを体験していただくこともできます。タイムは私たちが測ります。雑巾がけをして廊下を磨いていただいた方には、『チャレンジ精神と奉仕の精神で…』というタイム入りの認定証を発行させていただいています。芸能人の方や高齢者の方もたくさん挑戦なさっています。いかがですか、ぜひ体験してみてください(笑)」
雑巾がけの視点

これが雑巾を手に、クラウチングスタートの姿勢をとり、ゴールを見たときの風景です。ゴールは遥か彼方に感じられます。この雑巾がけに挑戦なさる方には、鈴木さんからの貴重なアドバイスがあります。それは途中で顔を上げてゴールとの距離を確認しないことだそうです。

鈴木友三郎さん

鈴木さん:「あまり、顔を上げないほうがいいです。心が折れかねないですから(笑)」

挑戦者には鈴木さんを始めとして、職員の方々が大声で声援を送ります。「あと●メーター、頑張って!」という声もかけますので、ゴールとの距離の確認はゴール間際だけで充分なのだそうです。

Z-1グランプリゴール地点

ここがゴールです。数々の雑巾がタッチされた痕跡が残っています。「Z-1グランプリ」は夏に予選が行われ、決勝戦は10月。宇和の町は、稲穂の金色に彩られていることでしょう。「Z-1グランプリ」をきっかけにこの地を訪れた方も、米作りの伝統や文化にふれて、宇和米ブランドも印象に残ると思われます。また、地域の方々も観光客のために「わらぐろ」を美しく作ったりと、歓迎しているそうです。

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