
2006年春、県の基盤整備事業によって宇和町の水事情は一変しました。農業用水のリサイクルシステムが確立し、少ない水を効率的に活用できるようになりました。
農業用水リサイクルシステムの確立


約5年の歳月をかけ、農地が中四国最大の1.2haの区画に整理され、農道の地中には給水と排水のパイプが張り巡らされました。排水された水は低地に新設した溜め池で溜め、各区画の給水栓までポンプアップされることで、少ない水を効果的に活用できるようになりました。
西予市教育委員会文化体育振興課の鈴木さんにお話を伺いました。


鈴木友三郎さん
西予市教育委員会
宇和米ブランド確立に向けて

宇和町ではいま、町をあげて宇和米ブランドの確立を目指しています。
雑巾がけのタイムを競う「Z-1グランプリ」

宇和米博物館は、米作りと町の歴史の保存だけではなく、ユニークな催しで宇和米ブランドのPRや観光にも貢献しています。その一つが、109mの長い廊下で雑巾がけをして、そのタイムを競う「Z-1グランプリ」です。
『Z-1グランプリ』は乾いた雑巾で行います。それとは別に、いつでも濡れ雑巾で本当に雑巾がけを体験していただくこともできます。タイムは私たちが測ります。雑巾がけをして廊下を磨いていただいた方には、『チャレンジ精神と奉仕の精神で…』というタイム入りの認定証を発行させていただいています。芸能人の方や高齢者の方もたくさん挑戦なさっています。いかがですか、ぜひ体験してみてください(笑)」

これが雑巾を手に、クラウチングスタートの姿勢をとり、ゴールを見たときの風景です。ゴールは遥か彼方に感じられます。この雑巾がけに挑戦なさる方には、鈴木さんからの貴重なアドバイスがあります。それは途中で顔を上げてゴールとの距離を確認しないことだそうです。
挑戦者には鈴木さんを始めとして、職員の方々が大声で声援を送ります。「あと●メーター、頑張って!」という声もかけますので、ゴールとの距離の確認はゴール間際だけで充分なのだそうです。

ここがゴールです。数々の雑巾がタッチされた痕跡が残っています。「Z-1グランプリ」は夏に予選が行われ、決勝戦は10月。宇和の町は、稲穂の金色に彩られていることでしょう。「Z-1グランプリ」をきっかけにこの地を訪れた方も、米作りの伝統や文化にふれて、宇和米ブランドも印象に残ると思われます。また、地域の方々も観光客のために「わらぐろ」を美しく作ったりと、歓迎しているそうです。