羽がないのに空を飛べる「セスジアカグモ」

羽がないのに空を飛べる「セスジアカムネグモ」

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おなかの上面に淡色のたてすじを持つ「セスジアカムネグモ」。なんと、羽根がないのに空を飛べるクモなのです。その独特な飛行方法について紹介します。

糸を張るセスジアカムネグモ

セスジアカムネグモ

科目: クモ目サラグモ科
体長: 約2~3mm
成体を見ることができる時期: 4月~10月
冬越し: 卵もしくは幼体
漢字: 背条赤胸蜘蛛
田んぼでの愛称: 田んぼの猛獣

糸を使って空を飛ぶセスジアカムネグモ

田んぼでは小さなセスジアカムネグモが、稲の葉の先で逆立ちしている姿が見られます。これは、おしりの辺りから空に向けて糸を流しているのです。そして次の瞬間、風に舞い上げられた糸に引かれて、セスジアカムネグモは空中に飛び去ります。これは新天地を目指して飛翔するときの大技で、子グモが実行します。この行動は、バルーニングと呼ばれており、バルーンは風船のことを表しています。

セスジアカムネグモの生態

セスジアカムネグモには足が8本あり、実は昆虫ではありません。肉食で猛獣のようです。
罠である網に獲物が引っかかれば、その振動を足で察知して獲物に駆け寄り、糸を出してぐるぐる巻きにしてミイラのような状態にします。そこに牙を立てて、毒薬を注入し、麻痺させて体液を吸うのです。

ウンカやツマグロヨコバイなどの害虫を食べることから、農家の人たちにとても大切にされています。ウンカは夕方によく飛ぶので、セスジアカムネグモはちゃんと夕方に網を張ります。とても賢い部分もあるようですね。

ちなみに、クモは自分の巣に引っかかったりしません。クモの糸には、ねばねばした液体が付いているものとそうでないものがあって、クモはねばねばしないほうを歩くからです。口から糸を吐きかけたり、足で糸を投げて蛾を捕まえたり、いろいろな必殺技を持つクモがいるそうです。クモの糸の成分はタンパク質で、網を張り替えるときは、古い網を食べてリサイクルしています。

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