雨が降ると鳴く「アマガエル」は、田んぼにとっても貴重な存在です。鳴いたり、変身したりできるアマガエルの生態について見ていきましょう。
ニホンアマガエル
科目: カエル目アマガエル科
体長: 約22~45mm
成体を見ることができる時期: 4月~9月
冬越し: 成体(冬眠)漢字: 雨蛙
田んぼでの愛称: 田んぼの気象予報士
夕立を知らせてくれるアマガエル
アマガエルは、オタマジャクシの時は田んぼなどで成長しますが、成体になると木の枝や葉っぱの上で暮らします。
腹面の皮膚に細かい孔が多数あり、ここから吸水して皮膚を湿らせ、皮膚呼吸を助けるようです。そのせいでしょうか、天気にはとても敏感で、夕立(英語でシャワー)が近づくと喉の大きな袋でキャッキャッキャッと鳴きます。これは、シャワーコールと呼ばれています。
雨を教えてくれるため雨蛙と呼ばれるようになったようで、日本では昔から雨乞いのときにカエルによく似た蛙石を供えたりしました。
歌う名人であり、変身名人でもある
カエルはウンカなどの害虫を食べるので田んぼでは歓迎されています。一方、カエルは餌として人気なのでウナギ、ヘビ、鳥、ときには大きなクモやタガメにまで食べられます。
田んぼに水が入ると、一斉にカエルが歌い始めます。カエルが鳴くのはオスがメスを呼んだり、縄張りを宣言したりするためで、シャワーコールは特別なケースと言えます。
アマガエルは、4~7月頃に田んぼやため池の流れがない水辺で産卵します。産卵は1~2カ月程度続き、20~30個ずつ、合計500個くらい産卵します。
アマガエルは変色の名人でもあります。青、黒、黄色の3種類の色素を持っていて、これを組み合わせて体の色を変化させます。緑色になるには、黄色と青色を混ぜるわけです。アマガエルは皮膚に少し毒があるので注意してください。触った手で絶対に目をこすらないようにしましょう。