実はリサイクルの達人「アメリカザリガニ」

実はリサイクルの達人「アメリカザリガニ」

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田んぼや川などで見かける「アメリカザリガニ」。甲殻類であるアメリカザリガニは脱皮をしますが、実は新しい殻を生成する際にカルシウムをリサイクルしているのです。そんなアメリカザリガニのおもしろい生態を紹介します。

脱皮するアメリカザリガニ

アメリカザリガニ

科目: エビ目アメリカザリガニ科
体長: 約100mm
成体を見ることができる時期: 4月~11月
冬越し: 成体(冬眠)漢字: 亜米利加蝲蛄
田んぼでの愛称: 田んぼの王者

カルシウムをリサイクルして殻を作る

ザリガニは鎧のように硬い殻で覆われています。この殻は炭酸カルシウムが約47%で、キチン質が約34%。つまり約半分がカルシウムです。ザリガニは脱皮をしますが、実はその時にカルシウムをリサイクルしているのです。

まず、脱皮をする前に殻からカルシウムを回収して胃に蓄えます。このとき集められたカルシウムの塊を胃石(いせき)といって、長さは約6~7mmになります。カルシウムを抜かれた殻はふにゃふにゃになり、脱皮がしやすくなります。そして、脱皮の後、新しい殻に胃石として蓄えたカルシウムを送り込んで硬くします。こうしてカルシウムをリサイクルしているのです。

農家に嫌われ、子供に好かれるザリガニ

アメリカザリガニは、田んぼが大好きです。それには深い理由があります。アメリカザリガニはもともとミシシッピー川に住んでいたのですが、昭和の初め頃に食用ウシガエルのエサとして20匹が日本に輸入されました。その最初の20匹が全国に広がりました。ふるさとのミシシッピー川はザリガニを食べるウシガエルやサギ、ワシ、キツネ、ワニなどの天敵が数多く住んでいますが、日本の田んぼにはあまりいなかったので、アメリカザリガニにとってパラダイスでした。

ザリガニは稲をかじり、水底に穴をあけて巣をつくるので農家の人には嫌われていますが、子供には人気があります。魚やカエルの死体を食べるほどの雑食で、人間が食べるものなら何でも食べるくらいです。怒るとハサミを大きく広げて威嚇しますが、あまりにも怒りすぎると広げすぎてひっくり返ります。

釣り方は、スルメやニボシを糸で吊してザリガニのいるところに垂らします。大きなハサミではさんできたら、すばやく引き上げ、下から網ですくいましょう。

ザリガニの産卵期は4月から11月頃、水温が14~30℃ぐらいまでの間で、1度におよそ200~300個の卵を産みます。孵化したザリガニは4mmぐらいの大きさで、7~8回の脱皮を繰り返しながら穴に潜って冬眠します。その後、春に目覚めて、さらに2、3回脱皮をして成体となります。寿命は長くて3~4年ほどです。

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