オスとメスで実は羽の色が違う「モンシロチョウ」

オスとメスで実は羽の色が違う「モンシロチョウ」

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田んぼのある地域だけでなく、都会でも時折目にする「モンシロチョウ」。人間には区別はつかないのですが、実はオスとメスで羽の色が違うのだとか。これには、人間にはないモンシロチョウのある生態に秘密がありました。

花に止まるモンシロチョウ

モンシロチョウ

科目: 鱗翅(リンシ)目[チョウ目]シロチョウ科
体長: 約55mm
成体を見ることができる時期: 3月~11月
冬越し: サナギ
漢字: 紋白蝶
田んぼでの愛称: 田んぼの青空ダンサー

モンシロチョウには、紫外線が見えている

人間にはほとんど区別がつきませんが、モンシロチョウは、オスとメスの羽の色を見分けることができます。その秘密は、モンシロチョウは紫外線が見えるからです。人間は、光を波長の長い方から並べた赤から紫までしか見えないので、波長が短い紫外線は見えません。

モンシロチョウのメスの羽は紫外線を反射しますが、オスの羽は紫外線を吸収します。モンシロチョウの目には、メスは明るく光って見えて、オスはくすんだ色に見えているようです。
上のモノクロ写真は紫外線を見分ける特別な撮影によるものです。明るく見えている左がメス、くすんで見える右がオスです。

モンシロチョウの生態

モンシロチョウの幼虫であるアオムシのエサはアブラナ科のキャベツ・ダイコン・ブロッコリー・カリフラワーなどで、畑では野菜の害虫として嫌われています。
しかし稲には関心がなく、田んぼには遊びにきているだけなので、そのひらひらと飛ぶようすが優雅な気持ちにさせてくれると歓迎されています。クモやカマキリや鳥に食べられないように気をつけながら、ストローのような口で花の蜜を吸います。

メスは、幼虫のエサになる、アブラナ科植物の葉の表に1個ずつ卵を産みつけます。卵は1週間ほどで孵化してアオムシになり、まずは自分の卵の殻を食べます。これは敵に見つかるのを防ぐためだと言われています。
3回ほど脱皮して、約1ヶ月でサナギになり、それから約10日後、サナギの背中がゆっくり割れて、ダンサーが身を起こすように優雅にモンシロチョウが現れます。成虫での平均寿命はおよそ1週間です。秋になって日が短くなると休眠サナギという冬眠用のサナギになって冬を越します。

モンシロチョウが最も好きな花の色は紫色で、次いで黄色、青色だと言われています。赤い花にはほとんどとまりません。モンシロチョウには赤い色は見えませんから、赤い花にとまっている場合は、おしべやめしべの色が目当てのようです。紫外線が見えることと関係があるのかもしれません。

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