姿を見せず田んぼを守る謎の「バチルス・チューリンギエンシス菌」

姿を見せず田んぼを守る謎の「バチルス・チューリンギエンシス菌」

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姿は見えないが田んぼを守ってくれる「バチリス・チューリンギエンシス菌」。体長はミクロンサイズと、到底肉眼で見ることはできません。土壌微生物と言って土の温度を高めてくれる重要な役割を果たしています。

バチリス・チューリングエンシス菌

バチルス・チューリンギエンシス菌

科目: 菌類
体長: 約0.5ミクロン
成体を見ることができる時期: 一年中(ただし電子顕微鏡が必要です。)冬越し: 成体
田んぼでの愛称: 田んぼのガードマン

土壌微生物の役割

田んぼの土の中には、一握りの土に10億、100億の微生物がいます。その微生物の活動のエネルギーが土の温度を高め、冷害から田んぼを守ってくれるのです。また、水質を浄化したり、有機物を分解して稲が吸収しやすい養分に変えたりと、田んぼではさまざまな土壌微生物が活躍しているのです。
例えば、植物に被害をもたらす酸性雨は一般に窒素酸化物や硫黄酸化物を含んでいます。田んぼに酸性雨が降ると、脱窒菌はこの窒素を窒素ガスに変化させて空気中に放出し、水を浄化しているのです。脱窒菌は田んぼの水質浄化機能の主役とも言える土壌微生物です。

土壌微生物の生態

微生物の生活の目的は、自らの細胞を維持・成長させて子孫を増やすことです。微生物には窒素を取り込む種類と、有機物を分解して窒素を放出する種類がいます。藁をすき込む量が多すぎると、微生物が窒素を取り込みすぎて肥料効果がマイナスになることもあるので、バランスが大切です。

田んぼには他にも、根粒菌、空中窒素固定菌、リン溶解菌などさまざまな微生物が住んでいます。また、害虫を殺すバチルス・チューリンギエンシス菌などの実用化も進められています。

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