作況指数と作柄

作況指数と作柄

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農家の観点からすれば、お米がたくさん収穫できれば問題ないというわけではなく、「良質」なお米がどれだけ収穫できたかが重要となります。今年の「お米の出来」について数値化するのが、作況指数と作柄です。

農林水産省 統計情報部の公開資料から引用させていただきました。
農林水産省ホームページ: http://www.maff.go.jp/
質問等にはお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

作況指数と作柄

作況指数と作柄について見てみましょう。

作柄 作況指数
106以上
やや良 105~102
並み 101~99
やや不良 98~95
不良 94~91
著しい不良 90以下

用語辞典

  • 作柄
    農作物の生育や収穫高の状況のことです。
  • 作況指数
    作柄の良し悪しを示す指標です。10a当たりの収量と10a当たりの平均収量の比率です。計算式は、(10a当たり収量÷10a当たり平均収量)×100となります。都道府県ごとに無作為抽出(くじ引き)し、調査を行う水田を選定。その調査水田ごとに3カ所(長方形の水田の対角線上の左上・中央・右下)の水稲の作柄を調査します。
  • 10a当たり平均収量
    気象の推移や被害の発生状況等を平年並みと仮定したときに、作付けされる前に予想される10a当たりの収量です。まず、過去の10a当たり収量から降水量、気温等の気象要因によって変動する部分を除いて推定します。

作況指数推移(10a当たり平年収量対比:全国平均)

作況指数の推移を年別で見てみましょう。

  • 1992年101
  • 1993年74
  • 1994年109
  • 1995年102
  • 1996年105
  • 1997年102
  • 1998年98
  • 1999年101
  • 2000年104
  • 2001年103
  • 2002年101
  • 2003年90
  • 2004年98
  • 2005年101
  • 2006年96
  • 2007年99
  • 2008年102
  • 2009年98
  • 2010年98
  • 2011年101
  • 2012年102
  • 2013年102
  • 2014年101
  • 2015年100
  • 2016年103
  • 2017年100
  • 2018年98
  • 2019年99
  • 2020年99
  • 2021年101
  • 2022年100
  • 2023年100(概算)

【主な作柄や作況指数にかかる出来事(1993年以降)】

1993年 東北地方では7月・8月で真夏日が1日しかない等の未曾有の冷害の影響。
2003年 冷害の影響と、いもち病の全国的な多発の影響。
2004年 台風上陸史上最多の10個。潮風害(ちょうふうがい=塩害)、脱粒、倒木などさまざまに影響。
2005年 九州を中心に台風の被害があったが、それ以外の地域では登熟がおおむね順調で3年ぶりの豊作に。
2006年 九州で台風13号による潮風害の影響。
2007年 梅雨明け以降の天候に恵まれ、生育・登熟はおおむね順調に推移しましたが、7月の低温・日照不足等の影響により籾数が一部地域を除き、平年並みないし少ないことから作況指数99となりました。
2008年 北海道の一部及び東北の一部で8月中下旬の低温等の影響が見られたものの、総体的にはおおむね天候に恵まれ、生育・登熟は順調に推移し、作況指数は102となりました。
2009年 北海道では7月の低温傾向で作況指数が89と落ち込みました。東北は100、四国100、九州101と恵まれた地域もありましたが、全国平均は98となりました。
2010年 登熟はおおむね平年を上回って推移したものの、全籾数がおおむね平年を下回ったことに加え、関東・東山及び中国の一部地域で白未熟粒等が多く発生したことから、全国の10a当たり収量は522kg(作況指数98)、収穫量は847万8,000tで、前年産並みとなりました。
2011年 2011年産水稲の作柄は、全籾数がおおむね平年並みに確保され、登熟もおおむね順調に推移したことから、全国の10a当たり収量は533kg(作況指数101)、収穫量は839万7,000t(前年産対比99%)となりました。
2012年 2012年産水稲の作柄は、全籾数が一部地域を除きおおむね平年並みに確保されたことに加え、登熟も順調に推移したことから、全国の10a当たり収量は540kg(作況指数102)、収穫量は851万9,000t(前年産対比101%)となりました。
2013年 2013年産水稲の作柄は、全籾数が総じてやや多いないし平年並みとなり、登熟はウンカ等病虫害の影響等があった中国、四国及び九州を除きおおむね順調に推移したことから、全国の10a当たり収量は539kg(作況指数102)、収穫量(子実用)は860万3,000t(前年産対比101%)となりました。
2014年 2014年産水稲の作柄は、北海道から関東・東北では、全籾数が総じて多かったことから作柄がおおむね平年並み以上となった一方、東海以西では、日照不足・低温や一部地域での病虫害等の影響で全籾数及び登熟が平年を下回ったことから、全国の10a当たり収量は536kg(作況指数101)、収穫量(子実用)は843万5,000t(前年産対比98%)となりました。
2015年 2015年産水稲の作柄は、北海道及び東北では、全籾数及び登熟がおおむね平年を上回った一方、関東以西では、全籾数は地域によって差があったものの、8月中旬以降の日照不足や台風等の影響により登熟が総じて平年を下回ったことから、全国の10a当たり収量は平年並みの531kg(前年産に比べ5kg減少)、収穫量(子実用)は798万6,000t(同44万9,000t減少)となりました。
2016年 2016年産水稲の作柄は、生育期間を通じておおむね天候に恵まれたため、全国の10a当たり収量は544kg(前年産に比べ13kgの増加)、収穫量(子実用)は804万2,000t(同5万6,000tの増加)となりました。
2017年 2017年産水稲の作柄は、全籾数は一部を除き「平年並み」ないし「多い」となりました。しかし、7月下旬から8月にかけての日照不足やその後の低温等の影響により登熟が平年を下回る地域があったことから、全国の10a当たりの収量は534 kg(作況指数100)となりました。
2018年 2018年産水稲の作柄は、北海道は6月中旬から7月中旬の低温・日照不足の影響により全籾数が少なくなり、その他の地域では、田植期以降おおむね天候に恵まれたことにより、全籾数は一部を除き平年以上に確保されたものの、9月中旬以降の日照不足の影響により登熟が抑制された地域があったことから、全国の10a当たり収量は529kg(作況指数98)となりました。
2019年 2019年産水稲の作柄は、北海道、東北及び北陸では、全籾数が平年以上確保され、登熟も順調に推移したことにより、作柄は平年以上となったものの、その他の地域では、7月上中旬の低温・日照不足の影響により、全籾数がやや少ない地域があることに加え、登熟も8月中下旬の日照不足、その後の台風による潮風害等やウンカ等病害虫の影響があったことにより、作柄が平年を下回る地域が多かったことから、全国の10a当たり収量は528kg(作況指数99)となりました。
2020年 2020年産水稲の作柄は、北海道、東北及び北陸においては、全籾数が確保され、登熟も順調に推移したことから、作柄が平年を上回った一方、東海以西においては、トビイロウンカの被害、登熟期の日照不足等により登熟が不良となったこと、さらに九州地方では台風の影響もあり、作柄が平年を下回り、全国の10a当たり収量は531 kg(作況指数99)で前年産に比べ3kg増加しました。
2021年 2021年産水稲の作付面積は140万3,000haで、前年産に比べ5万9,000ha減少しました。うち主食用作付面積は130万3,000haで、前年産に比べ6万3,000ha減少。全国の10a当たり収量は539kgが見込まれます。以上の結果、収穫量は756万3,000tが見込まれます。うち、主食用の収穫量は700万7,000tが見込まれる。全国の作況指数は101となる見込みです。
2022年 2022年産水稲の作付面積は135万5,000haで、前年産に比べ4万8,000ha減少しました。うち主食用作付面積は125万1,000haで、前年産に比べ5万2,000ha減少。全国の10a当たり予想収量は537kgが見込まれます。以上の結果、収穫量は727万tで、前年産に比べ29万3,000tの減少が見込まれます。うち、主食用の収穫量は670万2,000tで、前年産に比べ30万5,000tの減少が見込まれまる。全国の作況指数は100となる見込みです。
2023年 2023年産水稲の作付面積は153万1,000ha(前年産に比 べ1万4,000ha減少)と見込まれます。うち主食用作付面積は124万2,000ha(前年産に 比べ9,000ha減少)と見込まれます。9月25日現在における全国の10a当たり予想収量は534kgと見込まれ、全国の作況指数は100と見込まれる。これは、田植期以降、全国的に5月下旬から6月上旬にかけて日照不足で推移し たものの、その後おおむね高温、多照で推移し天候に恵まれた地域がある一方で、 6月から7月にかけての梅雨前線等による大雨や断続的な日照不足、7月から8月 にかけての記録的な高温や少雨の影響が見込まれる地域があるためです。

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