電装機器
ものをつくる上で重要な要素のひとつが「はかる」ことです。原料の質量を正確に量ることは、高品質なものづくりには欠かせません。創業当初、その高い鋳物技術で高精度の分銅やはかりを製造していたクボタは、業界のニーズに合わせ、産業用はかりの分野に参入します。その後、電子技術と融合させ、自動制御やデータ処理などの新しい技術を獲得。それは高い精度での計測を実現したばかりか、質量だけでなく色や味まで「はかる」ことを可能にしました。クボタの電装事業の歴史は、まさに日本のはかりの歴史そのものと言えます。
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産業を動かす
鉄の心臓
エンジン
Engines
都市基盤の整備に
貢献
建設機械
Construction Machinery
1890~1920年代
明治時代になり、西洋文明を急ピッチで取り入れた日本は諸制度も改革していく中で、長さ・面積の単位を尺貫法からメートル法へ統一すべく、1921年に度量衡法を改正します。これにより、工業製品の規格が統一され、産業の合理化が押し進められました。
衡器用鋳物部品 分銅 はかり
1890年、「大出鋳物」として独立開業したクボタ。はかりや分銅の鋳造で高い評価を得る中、「台はかり」の需要増大に伴い、事業は急成長します。
1930年代
1930年代、鉄工をはじめ電力・ガス・セメントなどの産業は活況を呈します。各企業は生産工程の標準化・省力化を加味した合理化設備を導入し、計量士を配置する事業所が増えるなど、「はかり」に対する認識が高まります。
1950~1960年代
戦後復興を経て、経済白書で「もはや戦後ではない」と発表された1956年、高度経済成長の前夜とも言うべき時代。国内では次第に労働力不足が顕在化し、設備の自動化・省力化という、いわゆるファクトリーオートメーションが求められるようになりました。
電子はかり 自動袋詰装置 自動販売機
クボタは産業用はかりの開発と並行し、はかりの電子化を推進してきました。それは、はかりのシステム化を加速させ、電子はかりだけでなく、自動袋詰装置や自動販売機などの製品を生み出し、事業の拡大に結び付きました。
1960~1970年代
高度経済成長を背景にした労働力不足により、各産業の自動化・省力化設備のニーズはますます高まります。一方、電子・計測技術の急速な進歩により、産業界にも電子化の波が到来し、より高機能・高精度・高品質な計測・計量が求められるようになりました。
産業用はかり 家庭用はかり デジタルはかり
もはや産業には欠かせない存在となった「はかり」。1969年、事業部の名前を改称し、はかりの多様化と自動化に対応していきます。
1970~1980年代
高度経済成長を続ける日本を襲った石油ショックは、経済を安定成熟期へ導きました。重厚長大産業の生産設備への投資は減退し、日本経済の情勢は一変。市場の縮小により、産業界は新たな道を模索し始めます。その突破口となったのが電子化技術です。
産業用はかり 粉体フィーダ 多機能自動販売機
石油ショックにより、重厚長大産業が徐々に縮小傾向にある中、クボタははかり事業で培った計量・計測・制御技術を応用し、事業領域の拡大を模索します。
1990年代~
長引く不況下による設備投資抑制のため、国内産業設備は新設・増設が減り、すでに導入されている設備の更新・改良が主体となり、産業界も大きく変化します。また、近年では工業に「IoT」が取り入れられ、ますます計量・計測が重要視される時代になります。
デジタルロードセル 青果物選別指示計 色彩異物選別機 工場ライン遠隔監視システム
クボタの計測技術は質量だけでなく、色や味までも「はかる」ことを可能にしました。これらは次世代IoT製品の目となり耳となり、さまざまな情報を計測・処理することを可能にする画期的な技術となりました。
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(PDFファイル:1.32MB)