エンジン
そのはじまりは脱穀や揚水に使われる農業用の動力源でした。鋳物と機械技術から誕生したクボタのエンジンはその後、自社の農業機械や建設機械などに搭載、さらにエンジン単体を外販・OEM提供するに至り、今や小型産業用ディーゼルにおいて、世界トップシェアを誇るまでになりました。それを実現できたのは人、そして環境に寄り添うという理念。ただ、高性能を追求するのではなく、使う人のために、環境のために、産業の未来のために、技術でどこまで貢献できるかを考え抜いてきたからこそです。クボタのエンジンは「産業を支える心臓」として、社会を支えています。
Scroll Down
「はかる」で産業を
支える
電装機器
Electronic Equipped Machinery
1920年代
第一次世界大戦が終わると、その反動で景気は次第に悪化。クボタの主力事業であった鋳物・鉄管・機械もその煽りを大きく受けました。特に、機械部門への影響は大きく、これを補う新たな事業を模索する必要がありました。これを機にクボタは新たな領域へと歩を進めます。
農工用石油発動機
第1次世界大戦後の反動不況で打撃を受けたクボタは、市場で急速に普及しつつあった農業用の石油発動機に活路を見出します。創業からの鋳造技術と機械部門の設備を組み合わせ、国産発動機の製造へクボタの新しい挑戦が始まりました。
1930年代
産業用エンジンは耐久性や防水・防塵に加え、整備性・安定性が高いレベルで要求されます。石油発動機と比較すると、ディーゼル機関はこれらの性能が高く、徐々に産業用発動機のトレンドに。クボタもこれらの声に応え、ディーゼル機関の開発を開始します。
1950年
終戦から数年後、日本経済は終戦直後の混乱から立ち直り、自由競争の時代へと突入していきます。特に、食糧増産に役立つ発動機は重宝され、その需要は爆発的に増加しました。クボタもまた、日本の産業を支える「心臓」となるエンジンの製造を再開します。
水冷横形ディーゼルエンジン
自由競争時代が到来し、エンジン市場のニーズも大きく変化しました。クボタは農家の要望に寄り添い、当時の市場で求められていた、軽量で取扱いに優れたエンジンを開発。その後、市場に送り出したクボタのエンジンは業界を席捲します。
1970年代
1972年、世界的な食糧危機をきっかけに、農機の需要が急増。特に、トラクタ・コンバインなどの新規需要が高く、「トラコン時代」が幕を開けました。クボタの農機は爆発的な人気を博しましたが、それを支えたのがその心臓部であるエンジンでした。
立形ディーゼルエンジン
農業機械化のニーズと世界的食料不足は、日本に農機ブームを巻き起こします。「歩く農業」から「乗る農業」へ。その転換期をクボタのエンジンが支えます。
1980年代
トラクタ・コンバインの普及とともに、農機市場は成熟化しました。また、第二次減反政策により、麦や大豆などの転換が奨励され、農機の新しいニーズが発生。多様化する農家の要望に合わせ、クボタはエンジンのラインナップを充実させ、これに対応します。
スーパーミニシリーズ
市場の成熟化は多様なニーズを生み出しました。クボタはそのひとつひとつに応えるため、ラインナップを充実。国際的にもその名が知られるようになります。
1990年代~
高度経済成長とともに発生した公害問題、そして日本だけでなく、世界的規模で取り組むべき問題となった地球環境問題。各エンジンメーカーは厳しい規制に対応していく中、クボタも業界をリードする立場から、地球の未来のために率先して対応していきます。
E-TVCS燃焼方式
技術の進歩は地球環境へも多大な影響を与えてきました。クボタはエンジンの排ガス規制対策に率先して取り組むと同時に、大型・高馬力化という相反する技術に挑戦。地球と産業の未来のための取り組みを進めています。
エンジンの系譜をダウンロードして読む
(PDFファイル:1.62MB)