次のリンクより、本文、このサイトの共通メニューに移動します。

1940~1950年代

戦後の食糧増産を支え、
農業機械化の先駆けに

耕うん機

耕うん機第1号機(クボタロータリ式耕うん機K I 形)

クボタは終戦直後から、食糧確保政策に沿って、農工用発動機や肥料工場向けの化学工業用鋳物から生産を再開し、日本の復興に貢献しました。1947年には耕うん機を開発。農業機械化の夜明け前ともいえる時代にあって、業界の先駆者として名乗りを上げました。

戦後の飢餓状態から国民を救うべく、発動機生産と耕うん機の研究を再開

戦後の天候不順や労働力不足で食料が枯渇し、国民の大半は飢餓に瀕していました。政府の食糧緊急措置令による優良農家支援、また農地改革で多数の自作農家が誕生すると、発動機の個人使用が増加しました。かんがいや脱穀・籾摺など用途の範囲も拡がり、発動機の需要が急増したため、1945年9月、堺工場にて石油発動機の製造を再開。農工用発動機、肥料工場向け化学工業用鋳物などと合わせて、食糧増産を支える製品で日本の窮状打開に貢献しました。間もなく農機業界の好況を受け、戦争で中断していた耕うん機の研究も再び開始します。

堺工場内の発動機組立工場

日本の農業機械化を先駆ける存在に。販売体制を一新、農機事業発展の基盤が整う

1947年に旭産業(現・クボタ精機)を設立。当時の自動車製造技術の粋を尽くして、同年5月、耕うん機の試作第1号機が完成。第1回全国農業機械化展に出展し、ほどなくクボタロータリ式耕うん機K1形として発売しました。翌1948年、改良クボタ耕うん機K2形が、全国動力耕耘機実演競技会で最高位優賞を獲得。しかし、時代到来にはまだ早く、本格的な耕うん機の開花は1960年代に入ります。この年、農機の製造から販売・サービスまで一貫した独自の販売体制を確立。後々の事業発展の礎となりました。

全国動力耕転機実演競技会で最高位優賞を受賞

1950~1960年代

高度成長の光と影。
農業労働力の流出と創出

高度成長で産業構造が変化し、人口が都市部へ急激に流出、地方は深刻な労働力不足になりました。農村部を支えるため、クボタは農機の改良・開発を加速。欧米製の輸入品とは異なる、日本農家の要望に応える畑作用と水田用の国産トラクタを開発します。

スクロールして次のストーリーを見る

1950~1960年代

農家への寄り添いが生んだ、
国産初のトラクタ

トラクタ

国産初の畑作用乗用トラクタT15形

農機部門は1958年度に鉄管部門の売上金額を超えて経営規模が拡大。業界発展の一方、高度成長に沸く首都圏への大規模な人口流出により、地方は深刻な労働力不足に陥っていました。農村部を支えるため、クボタは畑作用と水田用の国産トラクタを開発します。

高度経済成長がもたらした産業構造の変化と農村部から大都市への急激な人口移動

1955年に掲げた企業スローガン「国つくりから米つくりまで」のもと、農機部門は目覚ましい躍進を遂げます。やがて売上金額が初めて鉄管部門を上回り、直営の販売会社とサービスステーションを10年間で全国主要都市に建設、体制を拡充しました。当時の日本は高度経済成長のさなか。農機業界の発展とは対照的に、都市化・工業化の影響で農村部は人口流出に苦しんでいました。クボタは、労働力不足の農家を支えるために、農機の改良・開発を加速。耕うん機の普及は1960年、全国で74万5,792台を数えました。

牛を使った水田の代かき作業

国産初のトラクタ完成、人手に代わるパワーと効率を創出。農家に寄り添うクボタの開発

耕うん機の需要が高まるなか、1956年頃から、欧米製の大型トラクタが北海道を中心に導入されました。しかし、日本の農業のスケールに合わなかったため、クボタは日本独自の作業性と経済性に適った構造・機能を徹底的に追求します。研究者らは農家に長期間泊まり込み、農家のニーズを一つひとつ解明。試作や過酷な連続運転、耐久走行テストの末、1960年にエンジン・車体ともニーズに合った純国産の畑作用乗用トラクタT15形が完成。また、耕うん機の開発で培った技術を結集し、1962年には水田用乗用トラクタL15R形も誕生。このようにして、クボタは農業労働力の創出を支援していきます。

水田用乗用トラクタL15R形で水田作業をする様子

1960~1970年代

世界の食糧危機による
農機ブーム到来

高度成長期以降、農業機械化の要請が高まり続ける中、世界的な食糧不足が生じました。それを受けて、日本は農機ブームに。やがて「歩く農業」から「乗る農業」への転換期を迎え、トラクタとコンバインが爆発的に普及。国際戦略商品へと成長します。

スクロールして次のストーリーを見る

1960~1970年代

成長の主役はトラコン、
「乗る農業」への転換期

トラクタ 田植え機 バインダー コンバイン

走行性・実用性に優れた超小型4輪駆動トラクタ・ブルトラB6000

高度成長で産業構造と労働人口が急激に変動して以来、農業機械化の要請は高まり続けました。加えて1972年以降、天候不順から世界的に食糧不足の傾向が生じ、日本においても農政が見直されると、農機ブームが到来し、「トラコン時代」が始まります。

減少する農業人口。農機の需要、機械化への期待とニーズは、さらなる高みへ

高度経済成長後、農村部の労働力は減少の一途をたどります。兼業農家、あるいは高齢者や女性が農作業の担い手となるケースが増加し、農機の需要と農業機械化への要望は膨らみ続けました。こうした農家の現状に寄り添い、バインダー(稲麦刈取結束機)の開発に着手していたクボタは、10年の試行錯誤を経て1965年、業界に先駆けた自動結束式3条刈バインダーHC75形が完成。実際に使用される地域に適応した性能と経済性を兼ね揃え、1台に1人のオペレーターを配置する万全の体制で550台のテスト出荷に臨みました。

刈取機HA1形のテスト。完成に至るまで10年もの歳月を要した

能率は人力の15倍! クボタのバインダー普及を背景に、米の収穫量は当時最高を記録

テスト販売から2年後の1967年、1万台の限定販売を実施。人力の15倍もの作業能率をもたらす待望の製品として、本格販売を熱望する反響を日本全国から獲得します。続いて、1ヘクタール程度の小規模農家向けの2条刈バインダーHC50形を発売すると、需要層はさらに拡大。月産5,000台を超えるバインダーが、当時最高の米の収穫量を支えました。これらの小型バインダー研究開発により、1969年度の第28回農業機械学会総会にて、民間初となる「森技術賞」を受賞しました。

小型バインダーは刈取作業の能率を飛躍的に向上させた

稲作農家の長年の夢かなえる。過酷な作業工程をついに機械化。念願の田植え機が誕生

田植え作業の機械化は、稲作農家にとって長年の夢でした。明治時代からさまざまな試みがされましたが、どれも実用には至らず、開発は困難を極めていました。そこでクボタは他社の方式とは異なる、育苗箱を使用した「ばらまき育苗方式」による「土付苗田植機」に注力。1968年にSP形を開発、翌年には歩行形田植え機の原型となる1輪2条植えのSPS形を発売、1970年に量産を開始しました。「ばらまき育苗方式」は育苗スペースが苗代栽培の1/20になるなど利点が多く、後に他社の田植え機の大半がこの方式に追随しました。

クボタの田植機SPS形は、後の田植え機の原型となった

宇都宮に農業用作業機専門工場を新設、春需要・秋需要を交互生産でシェアを維持拡大

1960年代後半、田植え・刈り取り・収穫の機械化が続々と実現しました。折しも米の収穫量が3年連続で史上最高を記録し、バインダーの人気は急上昇します。これに対応するべく、1事業所としては多額の40数億円を投資し、1969年に栃木県宇都宮市にバインダー生産工場を新設。翌年には田植機の量産設備も竣工。秋需要のバインダーと春需要の田植機を半期ずつ生産する体制を整えました。やがてコンバインの需要が高まり、1974年にコンバイン工場も開設。宇都宮は農業用作業機の専門工場として、日本の農機需要を支えました。

バインダーの急速な需要を支えた宇都宮工場の生産ライン

世界的食糧危機が引き金で農機ブーム到来、
販売店に朝から行列ができるほど需要急伸

1967年から3年連続の大豊作を迎える一方で、食生活の多様化から国民の米離れが顕著となりました。古米在庫量を鑑みて政府は生産調整を発令し、それまで高成長を続けてきた農機の需要は一時的に減退するも、1年ほどで回復に転じます。1972年以来の天候不順で世界的に食糧不足の傾向が生じると、日本においても農政が見直され、生産者米価が引き上げられたためでした。これを受けて、農機ブームが到来。買い控えられていた反動もあり、田植え機・バインダー・トラクタ・コンバインなど、より高性能な機械のニーズが急伸しました。

「歩く農業」から「乗る農業」への転換期。高成長の主役はトラクタとコンバイン

1971年に発売された超小型4輪駆動トラクタ・ブルトラB6000(通称ブルトラ)は水田などのぬかるみに強い四輪駆動を採用し、現場で高い評価を獲得。その後、四輪駆動はトラクタの標準技術となるほど、業界に大きな影響を与えました。同年発売の2条刈コンバインHX55は、手作業でのあぜぎわ刈り解消を実現し、コンバイン普及の起爆剤となりました。時代は「歩く農業」から「乗る農業」への転換期を迎え、トラクタを国際戦力商品とする構想のもと、1975年、世界トップレベルの筑波工場が誕生。石油ショックを乗り越えての躍進でした。

B6000当時のカタログ。四輪駆動であることが強調されている

1970~1980年代

機械を売る時代から
サービスを売る時代へ

創業90周年の1980年、企業スローガンを「技術で応えるたしかな未来」に改めたクボタ。機械を売る時代から作業を売る時代への変遷を迎え、顧客に寄り添ったまごころのサービス姿勢を再確認。成熟化した農機市場に、また 新たな旋風を起こします。

スクロールして次のストーリーを見る

1970~1980年代

モンロー旋風舞う農機業界。
トラクタ生産100万台を突破

トラクタ

作業速度を落とさず、平らで均一に耕せる「モンローマチック」

クボタはメカトロニクスの技術も駆使し、業界を先導し続けます。市場を席巻し、トラクタ総生産100万台超えの立役者となった「サンシャインモンローマチック」は、電子制御技術と油圧技術の組み合わせで、新しい価値を農業の現場に実現しました。

高度成長後、「国民総中流階級」の時代に。生活様式も農機ニーズも多様化が進む

高度成長が収束し、主要農機の普及が一巡した1978年頃、日本の生活様式は多様化し、農機の多機種・多様化要請も増加。当時、政府の第2次稲作減反政策で、農機の需要は失速しており、コストを上げずニーズへの柔軟な対応をするため、クボタは多機種少量生産に体制転換を図りました。メカトロニクスを活用した先端技術や生産設備の導入を行い、設備もコストパフォーマンスも大幅に向上。ファクトリー・オートメーション化を最も効果的に進めた筑波工場は、後に日本経済新聞社の「全国先端事業所百選FA部門」に選ばれました。

筑波工場に設置された集中制御表示板

時代の変化と顧客の志向に合う新製品を開発。市場にモンロー旋風を巻き起こす

政府の麦や大豆などへの転換奨励に沿って、クボタは画期的なトラクタを開発します。良い土づくりのためには水田や畑に起伏があっても均一に耕すことが要求されますが、従来のトラクタでは起伏に応じて車体が傾斜してしまい、ベテラン運転手でないと均一に耕すのが難しい。そんな農家の悩みに寄り添い、開発したのが1981年に完成したトラクタ「サンシャインモンローマチック」。電子制御技術と油圧技術を組み合わせ、作業機の自動水平制御を実現。凹凸の多い畑地でトラクタが傾斜しても均一耕うんを可能にし、農機市場に一大旋風を起こしました。

最先端電子制御技術を取り入れ、作業機を水平に制御するモンローマチック機構

成熟化した市場で業界のメカトロ化を牽引、農家の作業負担軽減を次々と実現

成熟市場において新規需要を掘り起こすため、クボタはこれまで培ってきたメカトロニクスなどの高度技術を駆使し、業界に先駆けた開発に邁進します。モンロー旋風後の1983年、省燃費を実現したリバース形トラクタを開発。作業機を後輪部分に取り付けると前向き同様の作業ができ、水田・畑作から軽土木・除雪まで、広く使用されました。その後もマイコン制御の「オートモンローマチック」機構や圃場の枕地損傷を防止する「倍速ターン」機構を開発。いずれも、農家の作業負担軽減への貢献を切望するクボタの英知の結晶でした。

旋回半径を小さくし、圃場の枕地損傷を防止する「倍速ターン」機構

ニーズ・高性能・デザインを追求し、トラクタ生産100万台を達成

1984年、クボタのトラクタ生産台数は100万台に到達。性能に優れたヒット商品を相次いで発表します。同年、超音波センサーにより、刈り高さの自動制御を可能にしたコンバインRX2450を完成。また、政府の転作奨励政策に対応した稲・麦・大豆・そばの刈り取り用コンバインAX60のほか、マイコン搭載のR1シリーズも完成。トラクタの進化も著しく、高性能と低価格を実現した「サターンX24形」、都市近郊農家向け「アステA19形」が通産省のグッドデザイン賞に輝くなど、農機の新規需要を掘り起こしていきました。

グッドデザイン賞を受賞したサターンX24形とアステA19形の開発メンバー

2010年代

グローバルリーダーとして
世界の農業を支援

国内のあらゆる規模の農家が労働力確保のほか米価の変動、燃油や肥料・農薬価格の高騰に苦しみ、営農コストの低減が火急的課題に。いまや業界のグローバルリーダーとなったクボタは、世界標準の新シリーズを開発し国内外の課題に応えていきます。

スクロールして次のストーリーを見る

2010年代

クリーンで低燃費。
世界の農家に寄り添う製品

トラクタ コンバイン

世界有数の米消費国フィリピンの稲作を支えるクボタのコンバイン

国内農業は労働力減少が進み、米価下落などもあり、コストの低減は喫緊の課題に。一方、グローバル戦略を掲げたクボタは世界にも目を向けるようになりました。日本だけでなく、世界の農家を支えたい。国内外の課題を解決すべく、クボタは動きだします。

二極分化した市場ニーズを満たして、
環境にやさしい、グローバル戦略機に取り組む

日本政府が農業成長戦略を打ち出すなか、加速する労働人口の高齢化と減少に、農家から作業効率向上・コスト削減に直結する農機の要望が高まりました。農業の現場で経営への関心が増すにつれ、市場における専業農家と兼業農家の需要の差異が明白に。前者向けには作業性を重視した大型機械、後者には高性能を装備しながらも低価格の小型機械を開発することが必要となりました。世界共通のグループ企業理念「クボタ・グローバル・アイデンティティ」を掲げたクボタは、国外の課題解決にもつながるアプローチで貢献していきます。

アジア各国共通設計のコンバインを新発売。高い基本性能に耐久性、クリーンで低コスト

2010年、高い基本性能を装備しながら、必要最低限の機能に絞りこみ、既存国内モデルより低価格なコンバイン「エアロスターワールド」を発売。米価の下落、燃油の高騰などにより、生産コストの低減が求められていた農家や国内市場は沸き返りました。また、海外展開も見据え、アジア各国で通用するための絶対条件である、高い基本性能・耐久性・シンプルで低価格という利点を揃えたこのコンバインを皮切りに、以後クボタは、多様なニーズと規模に合った「ワールドシリーズ」のラインアップを展開していきます。

2010年発売されたアジア共通設計のコンバイン「エアロスターワールド」

世界同時多元設計のトラクタを発表。もっと農業、農家に寄り添ったソリューションを

2011年1月、「元気農業を応援します!」をテーマに、第64回クボタ機械グループ ディーラーミーティングを開催し、業界をリードする多数の農機とともに、新作トラクタ「グランダムワールド」を紹介しました。すでにグローバル展開していたクボタのスケールメリットを活かし、世界同時多元設計によるグローバル戦略機として開発。世界中で培われた技術を投じ、高い基本性能と耐久性、そして低価格を実現。営農規模拡大に際した大規模畑作・酪農・畜産農家が、複数台のトラクタを所有できることを目的に開発されたモデルです。

優れた性能と価格で低コスト農業に貢献する「グランダムワールド M108W」

2016年~

「未来農業」で切り拓く、
豊かな明日

情報通信技術がさまざまな産業・分野に活用される今日だからこそ実現できた、未来の農業の在り方。農家の長年の夢を実現するべく、40年にわたって農業機械をリードしてきたクボタが農業を「見える化」し、未来型のソリューションを創造しました。

スクロールして次のストーリーを見る

2016年~

最新テクノロジーと農家への
寄り添いが実現する次世代機

KSAS Farm Pilot

2017年1月に発表された自動運転機能搭載のトラクタ・田植機・コンバイン

業界最高峰の食料生産技術と独自のICTシステムを融合し、前人未到の貢献を。日々進歩しつづけるテクノロジーで農家の本当の課題に寄り添えるのがクボタの強み。農業機械をリードしてきたクボタが、さらなる次元を創造する次世代機の開発に打って出ます。

農業を見える化して、経営と未来を変える。
クボタから始まるICTソリューション時代

時代や情勢を切り拓くソリューションを創造し、すべての規模で農業に従事する方の生活に新たな価値と感動を。その想いで改良・開発を続けるクボタは、国内外で情報通信技術が社会と経済の構造に強い影響をもたらしているなか、ICTを活用した精密農業に取り組んでいます。日本の農家が労働力の高齢化や減少、コスト/生産効率難に直面しながら、経験や熟練者に学んだことの繰り返しと勘を頼りに活性化を遂げていくことは厳しく、根拠に基づくデータで「農業を科学し、見える化した」経営支援は、今後の大きな力になると期待されます。

クボタの幅広い研究領域の連携が実現した、業界初の“味の分かる”コンバイン

収穫作業時に収量だけでなく、食味も測定可能にしたい。2012年、コンバイン開発部門が、社内の計測システム開発部門に要請。食味の決め手であるタンパク質と水分含有率のデータが得られれば、農家は翌年の作物と肥料を計画的に改善できることに着目。開発の道のりは険しく、技術部門・営業部門は連携して全国の圃場にて、2週間~1か月間隔でコメや大麦・小麦の分析と検証を繰り返し、3年間に3,000以上の検体を精査。2014年、食味・収量センサ搭載コンバイン「ダイナマックスレボ」は完成するや否や、多くの農家からこれを求めていた!との反響を得ました。

食味・収量センサーにより、収穫と同時に作物の品質データを取得できる

農機と連動、現場をリアルタイムサポート。精密農業を実現するKSAS

2014年、食味・収量コンバインから得たビッグデータを活用したICTサービス「KSAS」(Kubota Smart Agri System)の提供を開始。農業経営者と作業者、クボタのサービス部門はリアルタイムにシステムでつながることが可能に。作業記録や営農データの蓄積と取り出し、農機の稼働状況の共有などが瞬時に実行されます。しかも現場が当日の圃場を見て、急きょ判断した計画の修正も中央と双方向にフィードバックできるのが強みで、臨機応変な経営設計が可能になりました。収益向上、市場に対して製品価値の高い農産物、競争力ある営農を生み出すために、KSASは今も改良が進んでいます。

蓄積したデータを活用し、効率よく作業をすることができるKSAS

満を持してGPS農機投入。革新的田植え機が市場と圃場をまっすぐ堂々快走する

2016年、クボタは農機へのGPS搭載に挑みました。GPS農機第1弾は、直進キープ機能付田植機「ファームパイロット」シリーズ。田植えは、稲作作業の中でも、特に高い精度と熟練した技術が求められる工程です。簡単にまっすぐ田植えができる直進時自動操舵機能により、経験の浅い若手、体力的な負担を考慮すべき高齢者や女性の従事者の作業効率や精度の向上、コスト削減・省力化、安全で快適な作業に貢献することを目的に掲げての開発でした。この製品は「2016日経優秀製品・サービス賞最優秀賞 日本経済新聞賞」「2016年(第59回)十大新製品賞(日刊工業新聞社)」を受賞しました。

熟練した技術がなくてもまっすぐ田植えができる自動操舵技術

自動運転技術が実現する未来農業。次世代農機が農業の在り方を変える

高齢化を迎えた日本では、担い手農家の数が減る一方、農家1戸当たりの圃場は拡大しています。そこで発生する問題が人員の確保。熟練した技術を持った人員の確保が難しい現状を打破すべく、クボタが打つ次なる一手は農機の自動運転。2017年1月、クボタは自動運転技術を搭載したトラクタ・田植え機・コンバインを発表しました。農機が自動で耕し、植え、収穫する。これこそ、未来農業の理想の在り方。農業の省力化・高精度化・低コスト化を実現する、この次世代農機を一刻も早く普及させるべく、クボタは技術開発に邁進しています。

自動運転で耕うん作業を行うトラクタ

農家への寄り添いと次世代技術が
描く、
クボタが目指す
農業のあるべき姿

長年農家へ寄り添い、そのために技術を磨きつづけてきたクボタだからこそ描ける農業のあるべき姿。その答えの一つが持続可能な経営モデルを実践・発信する「クボタファーム」。「農機」から「農業」、「農業」から「食料」へと事業転換を図りながら、常にそこで暮らす人々と向き合い、課題解決していきます。