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食料

世界の食料安定のため、
本格的に北米の大規模畑作市場に挑戦する

2010年代、世界的な食料危機の解決に貢献するため、
クボタはトラクタの大型化を進め、本格的に巨大な畑作市場に挑み始めた

農業大国アメリカは世界一の農産物輸出量※1を誇る世界の食料庫である。広大な農地に大型の農業機械を利用し、各地域の気候や土壌に最適な作物を大量に生産している。世界的に見て稲作の約4倍といわれる畑作市場への参入は、将来の食料危機解決への貢献をめざすクボタにとって不可欠なことであり、その本命がアメリカといえる。ただアメリカの農業も、労働力不足や後継者不足で農家数が減少しており、一方で企業による買収が進み農場の超大型化も進んでいる。そこにはパワフルな大型の農業機械はもちろん、無駄な経費をかけず、より効率的に生産することも求められていた。

期待と熱気に包まれた高馬力トラクタ「M8シリーズ」の発表会
期待と熱気に包まれた高馬力トラクタ「M8シリーズ」の発表会
トラクタと、さまざまな作業を可能にするインプルメントとの組み合わせで北米市場拡大にチャレンジ
トラクタと、さまざまな作業を可能にするインプルメントとの組み合わせで北米市場拡大にチャレンジ

クボタはそれまで継続してきたトラクタの高出力化・大型化をさらに推し進め、アメリカの畑作市場に本格参入するために、2015年、ついに170馬力の畑作用大型トラクタ「M7シリーズ」を北米に投入する。2019年にはさらにパワーアップした210馬力の畑作用大型トラクタ・M8シリーズを投入した。このトラクタは開発期間の短縮と現地に最適化した仕様にするために、カナダのビューラー社と戦略的パートナーシップを結び、クボタトラクタで初めてとなるカスタムOEMを採用したものだ。またクボタ独自の戦略として1台のトラクタに多機能な作業性を持たせるために、干し草用をはじめ多様なインプルメント(トラクタ装着用作業機器)の開発と充実化も進めている。

アメリカ畑作農業の本場、テキサス州へ移転したKubota Tractor Corporation(KTC)
アメリカ畑作農業の本場、テキサス州へ移転したKubota Tractor Corporation(KTC)

さらに2017年、現地法人Kubota Tractor Corporation(以下 KTC)の本社をそれまでのカリフォルニア州からテキサス州に移転した。アメリカで畑作の中心エリアといえば中西部であり、畑作用の大型トラクタ事業を本格的に進める上で必要であった。国全域へアクセスしやすいという利点もあり、2016年に買収したインプルメントメーカーのGreat Plains Manufacturing, Inc. や、アメリカの他地域の生産拠点との連携を強化し、北米事業をさらに拡大していくのが移転の大きな狙いである。クボタのアメリカでの畑作市場への挑戦はまだ始まったばかりだ。

注釈
  • ※1出典 農地面積:「耕地および作付面積統計」FAO(国際連合食糧農業機関)統計より
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