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地下120mから下水を送水
世界でも類を見ない
「超」高揚程ポンプが活躍

ゴミを詰まらせず、効率よい圧力送水を実現し、ライフサイクルコスト※1も低減
2008年、クウェートの下水処理場に揚程120mの「超」高揚程ポンプ受注

クウェートは国土のほとんどが平坦な砂漠地帯で、河川や湖沼は存在しない。世界国別の年間水資源賦存量※2を見ると、首位のブラジルに比べ、クウェートはその約43万分の1※3。そんな、水資源が極めて不足しているクウェートでは、生活用水はほとんどが海水を淡水化して造られた水や下水再生水となっている。このようなクウェートでも、ほかの中東産油国同様に都市開発が進められ、電力、水、鉄道などのインフラ整備が急務となっていた。

水資源が大きく不足するクウェートはインフラ整備が急務
水資源が大きく不足するクウェートはインフラ整備が急務

クウェートをはじめ、近年の中東地域では、「大深度下水」と呼ばれる下水システムが構築されており、市街地の下水を地下数十mにあるポンプ場に集約し、下水処理場までまとめて圧送する方式となっている。このシステムで使用されるポンプは、下水のゴミを詰まらせることなく、高いところまで効率よく下水を送らなければならない。効率と送水能力を両立させる、高度な技術が要求されていた。

一般的な自然流下式より少ないポンプで効率よく運営できる大深度下水
一般的な自然流下式より少ないポンプで効率よく運営できる大深度下水
完成した「超」高揚程ポンプの試験運転
完成した「超」高揚程ポンプの試験運転

2008年クボタは、クウェート市西部・ジャハラ地区の汚水を処理場まで圧力送水するための、揚程120mというこれまでに類がない「超」高揚程のポンプを受注。その決め手となったのは、通過径の大きさと効率だった。世界でも数社しか対応できないといわれている、非常に高性能かつ強力なこのポンプ。使用台数も当初の想定より少なく、建設費・維持費の面でも大きなメリットを提供した。いかに送水能力と効率を高めながら、ライフサイクルコストを抑え、適正な下水インフラを整備していくかという大きな課題に、クボタの製品と技術が見事に応える形となった。

水をきれいにする。水を運ぶ。水を再生する。さまざまな水の技術と製品群で世界の水インフラの整備に貢献してきたクボタ。このプロジェクトでは、ポンプの揚程能力を追求する独自の技術でクウェートの高い要求に応えた。クボタは、幅広い知見と高度な技術、優れた製品群で、今日も世界の水課題解決に向き合っている。

注釈
  • ※1ライフサイクルコスト 構造物の計画、設計から建設、維持・管理、解体・撤去、廃棄に至るまでの費用のこと
  • ※2水資源賦存量 降水量から蒸発散量を差し引きこれに面積を乗じたもののこと
  • ※3出典 FAO(国連食糧農業機関)「AQUASTAT」の2021年6月時点の公表データをもとに国土交通省水資源部作成
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