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稲作から畑作への転換が進む
タイの畑作農家の課題解決に挑む

2014年、農業政策(米政策)の転換により、稲作から畑作への転換が進むタイ
クボタは新たな取り組みでタイ農業の未来をともに築いていく

タイは長年、米輸出量世界一を誇る国である。米の耕地面積は農地全体の約50%にもおよび、以下、天然ゴム、さとうきび、キャッサバ、とうもろこしなど畑作作物が続く。実は近年、畑作作物が今後のタイの経済を支える輸出農産物として重要度を増している。その契機となったのが、2013年から続く干ばつによる米の不作と農業政策の転換である。農産物輸出国として、バランスを考えながら稲作から畑作へと向かっているのが現状だ。そのためタイの畑作にフィットした農業機械が求められていた。

グローバル展開のための重要な国・タイにおけるクボタの拠点
グローバル展開のための重要な国・タイにおけるクボタの拠点
さとうきび用インプルメントを装着したトラクタ
さとうきび用インプルメントを装着したトラクタ

クボタとタイの付き合いは深く長い。1970年代から汎用の耕うん機を輸出し、地域の隅々にまで出かけてサービスに力を入れ現地での信頼を積み上げていった。1978年には現地企業グループのSiam Cement Groupと合弁会社を作り(現・Siam Kubota Corporation Co., Ltd.※1)、地域に根ざした展開でタイ農業の機械化を推進してきた。さらに全国にディーラー網を築き、充実したサービス体制があることも強みであり、例えば稲作用トラクタのシェアは圧倒的だ。しかし、畑作用では大型農業機械が必要なため欧米メーカーが優勢である。クボタの新たな挑戦が始まった。

アジア初のクボタR&D拠点 “Kubota Research and Development ASIA”
アジア初のクボタR&D拠点 “Kubota Research and Development ASIA”

クボタはまず、稲作と同じように現場に行き、畑作農家の生の声を聞くことから始めた。同時に、畑作の課題を解決するインプルメント※2の開発に注力する。さとうきび生産を例にすると、近年、バイオ燃料事業が世界的に注目され、その原料となるさとうきびの需要が増している。タイはその輸出量世界2位であり、さとうきびは経済を支える重要な農産物となっていた。そこで、さとうきび農家にうかがいニーズや作業状況の把握、土質確認などさまざまな現地調査を行った。そこで得た情報を分析しカタチにするのが、2016年に設立したKubota Research and Development ASIA Co., Ltd.。現地に適したインプルメントの開発を中心とする研究開発拠点である。さとうきび生産では、まだ手作業だった植え付け作業を正確にスピーディーにできるインプルメントを開発。施肥作業も同時に行えるため大幅な時短と軽労化、作業の効率化を実現した。今後、高出力なトラクタの時代へと向かうタイの畑作市場。クボタはトラクタの高出力化はもちろん、稲作農家へのサポートの充実と、新たに畑作農家に応えるモノづくりやサービスを進めて、タイ農業と経済成長への貢献をめざしていく。

注釈
  • ※1Siam Cement Group(以下、サイアムセメントグループ)タイ王室系の現地企業。1978 年、クボタはサイアムセメントグループと合弁会社「サイアムクボタディーゼル(SKDC)」を設立。事業を拡大し、2010 年に子会社を統合してSiam Kubota Corporation Co., Ltd.として新たなスタートを切った
  • ※2インプルメント トラクタに牽引され、草刈りや施肥など作業ごとに取り替えて使う専用機器のこと
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